外国のメディアが、日本の天皇制について取り上げた特集番組をYoutube経由で拝見しました。全編英語、かつ今の上皇が天皇であった平成時代に作られたものでやや古いのですが、それでも良質な内容だなと思います。
天皇制を支持する人と反対する人、その行く末を冷静に見つめる人、それぞれのインタビューを交えながら、天皇が「アマテラスの子孫」とされる神話のことにまでしっかりリサーチしており、日本人としてもあまり違和感のない構成でした。
支持派も、決して諸手を挙げて天皇制を支持しているわけではなく、日本人が共通して理解する天皇の存在があるから、戦争でも自然災害でも日本は分裂しなかった。天皇制を廃止した時、このように日本国家を最後に一つにまとめる何かをどうやって見つけるのかが課題だ、としています。
反対派は、もちろん太平洋戦争での天皇免責の問題があるが、「いずれ、かつての軍事内閣のように、天皇制を利用してのさばるものが現れるだろうから、今のうちのその芽を摘み取る」と、日本の将来をよいものにするうえで天皇制は不要なのだと述べています。
日本には天皇が当たり前に存在し、それを前提に国のシステムが成り立っている。日本に天皇がいなくなったとき、国としてどうしていきたいのか、日本国民にゆだねられている。繰り返しこの番組で言われていることです。
個人的には、天皇制を維持してもよいのではと思っています。英国式の議院内閣制をみても、天皇ありきの国のシステムを変えてまで天皇制を廃止するメリットが今のところ見えないからです。また、戦争責任論についても、もはや戦後生まれの天皇が即位している現在において、過去より未来をどうするかという議論にシフトすることが大事だと思うので、ややドライな見方をしています。