アメリカのシンクタンク・ギャラップ社が実施する「世界幸福度調査」。世界各国の収入、文化、政治、環境に対する満足度などを調査し、総合的な幸福度を国ごとにランキングするもので、毎年報告書が公開されます。
2020年版報告書では、幸福度ランキング上位の常連である北欧諸国の幸福度がなぜ高いかについて、色々な角度で調査した結果を載せています。その中で特筆すべきなのは、これらの国々では、政府や公的機関に対する国民の信頼度がとても高いということです。
北欧諸国は、所得税などの税金が非常に高いことで有名ですが、その分、教育や福祉、医療といった公共設備・サービスを拡充することが出来ています。支払った税金が、目に見える形、しかも貧富や身分の差に関わらず、全員が享受できる「公共」という対価であるからこそ、人々は喜んで税金を支払い、満足のいく公共サービスを提供する政府と公共機関への信頼度がさらに増す、というポジティブなスパイラルが出来上がっている。これを、報告書では「よく運営されている民主主義」と定義づけています。
もう一つ特徴的なこととして、「人々のつながりが強い」ということも挙げられます。困ったときに助け合える地域・家族・友人とのつながりが、日々もたらされる幸福感と密接にかかわっているというものです。同じコミュニティに属し、同じような条件で暮らす顔見知り同士であれば、お互いにどんな暮らしを営んでいるか分かる上、困ったときはお互いさまなので、猜疑心や不平等感が生まれにくいのだそう。
なんだか、ひと昔前の日本みたいですよね。
大切なことは、実は真新しいものではなく、古くからの伝統や習慣、他人を思いやる相互扶助の考え方でしょうか。。。