ハイパーインフレからの仮想通貨ペトロ導入宣言。と思いきやペトロは壮大なスキャム疑惑、挙句の果てに大統領が2人出現と混乱を極めるベネズエラ。
国内の混乱によりビットコインの取引高が過去最高を記録、値動きにも影響を与える事態となっています。
そんな最中、さらに混乱を招きそうな規制が出現しました。
規制は2月6日にベネズエラの暗号資産および関連活動監督機関「SUNACRIP」から発表されたもの。
うーん、読めない。。。
取り急ぎコインテレグラフによると、仮想通貨の送金に対し手数料を課すことを決定したのだとか。新たな規制のもと、1回の送金につき最低で0.25ユーロ(約30円)を支払う義務が発生します。また、最大では15%の送金手数料が課せられることに。
最低賃金735円(2019年1月当時)の国で30円となると、なかなかの出費。実質送金禁止に近い措置ですね。
キャピタルフライト抑止でしょうか。
さらに、ベネズエラが発行する仮想通貨ペトロに送金制限が課せられることに。ひと月の送金は10ペトロ(約6000円)までとし、10ペトロを超える場合は「SUNACRIP」に申請が必要となります。また、申請したとしても50ペトロを超える送金は不可です。そもそもペトロは流通しているのか?という疑問はありますが、年金支払いとパスポート発行の手数料支払いはすでにペトロになっているはず。これ以上の価格下落を防ぐ狙いかと思われます。
それにしてもどうやって規制するのでしょうか?
今月、ベネズエラは取引所およびマイニング業者に登録制を導入しています。この登録をもって規制を実現しようとしているのか。技術的にそんなことが可能なのか?
続報を待つしかないですね。
上記に記したのはすべて現政権、すなわちマドゥロ大統領による施策です。そう、現在ベネズエラにはマドゥロ大統領のほかに「暫定大統領」がいるのです。
政治状況を整理しましょう。
まず、マドゥロ大統領は独裁者として国内外から批判を浴びていました。そんな最中に起こったのが↓
1) マドゥロ大統領、2期目もやるぞ宣言
2) 2期目就任は許さん!と各国反発
3) グアイド国会議長が反旗、「暫定大統領」に
4) 米国がグアイド大統領承認、他国も後に続く
5) マドゥロ大統領「俺はやめねぇ!」
という泥沼状態です。
追い詰められたマドゥロ政権、飢えた国民向けに隣国から送られた人道支援も輸送経路を断ち阻止するなど、狂気ともいえる状況となっています。
さて、暫定大統領のグアイド氏ですが、当然のことながらマドゥロ大統領が作った「ペトロ」には否定的。しかし仮想通貨自体に否定的というわけではなく、過去にツイッターでビットコインに触れるなど「ビットコイン擁護派」とみられています。とはいえ数年前のツイートですので信憑性は定かではありません。
マドゥロ大統領のペトロ路線はいつまで持つのか、グアイド暫定大統領はこの状況を打破できるのかーー。先の見えない状況ですが、今回の規制がさらなる混乱を呼ぶことだけは確かですね。
アメリカの干渉も激しくなり、もはやマドゥロ大統領亡命か暗殺まで治まらないのではないかと思われるベネズエラの状況。そんな中、なんとか金をかき集めようとする現政権。
今後もベネズエラの状況から目が離せません。
MALIS
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