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社会変革に必要なものは?国連ブロックチェーンイベント(3)

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  • MALIS
  • 2018/07/16 23:43

こんにちは、MALISことマリ、ニートは暇だろ?なんて二度と言うなよなです。

働いていてもニートでも、一日は24時間で私は一人しかいないという事実は揺らがないんですね。


さて、今日は国連ブロックチェーンイベント
"持続可能で強靭な社会に向けたブロックチェーン"
の報告最終回をお届けします!

今日は、オランダブロックチェーン連盟のAd KroftさんConsenSysのBen Siegelさんが登場しますよ。

<おさらい>
・前回記事
私たちはいつこの技術を使うべきか?国連ブロックチェーンイベント(2)
・重要キーワード:SDGs=持続可能な開発目標

それでは見ていきましょう!



1.オランダ、国家レベルでのブロックチェーン活用を

まずは、オランダブロックチェーン連盟Ad Kroftさん

オランダ、と聞いて皆さん何を思い浮かべますか?チューリップ?風車?

Content image
見ごろは5月ですよ


実はオランダ、デジタル経済圏では世界トップ5に入るIT大国

スマートシティから農業のIT化に至るまで、もともと技術活用に積極的な国なのですが、ブロックチェーンについても例外ではありません。


2005年から国家としてデジタル活用を進めるために「デジタルデルタ」というプロジェクトを立ち上げ、都市設計等への活用に取り組んできたのですが、その中にKroftさんのいるブロックチェーン連盟ができているのです。

Kroft さんによると、

"ブロックチェーン連合はブロックチェーンのもつ様々な問題の解決と応用について進める産官学の機関(ジョイントベンチャー)"

であり、

・ビジネスと政府の立場をハイブリッドできる
・企業パートナーはすでに31社
・その中には金融機関もいる

のだとか。彼らのリサーチ項目について知りたい方はこちらからどうぞ。


興味深かったのは、ブロックチェーンの機能をレイヤーで説明していたこと。

Content image

・基礎部分には(自らが主権を持つ)ID

・2層目に信用の構築

・3層目に一時的または即時のトランザクション

・そして4層には、3層までの機能に支えられ実現する分散型市場と、それらを活用する物流、エネルギー、金融、といった各分野でのサービス

こういったレイヤーで体系立ててブロックチェーンを理解することは、場当たり的な投資を防ぐ意味でもとても大切ですよね。

なお、ブロックチェーン技術が本格的に普及していくためには

"ブロックチェーンが第1世代、イーサリアムが第2世代だとすると、第3世代が必要だ。デルフト工科大学も懸命に取り組んでいる。"

といった発言も。(具体的な名称を挙げていたかは聞き取れませんでした)


4層にあたる各分野での応用については、SDGsとの関連で、教育、農業・食糧問題、エネルギー、物流、そしてスマートインダストリーへの応用を挙げられていました。

Content image
(Kroft, A. 2018. Dutch Blockchain Coalition. available from http://www.unece.org/fileadmin/DAM/cefact/OtherMeetings/2018/HLPF_BlockchainSideEvent/AdKroft.pdf)


そして最後にご紹介されていたのが、国連機関であるヨーロッパ経済委員会と進めている"貿易プロセスの見直し"

私が興味深いと感じたのは、貿易を

・輸出国→輸送者→輸入国という貿易プレイヤー
・商品、資金、データ、信用という構成要素

の2軸で分析していたこと。

Content image
(Kroft, A. 2018. Dutch Blockchain Coalition. available from http://www.unece.org/fileadmin/DAM/cefact/OtherMeetings/2018/HLPF_BlockchainSideEvent/AdKroft.pdf)

もしかしたら国連ではよくつかわれるフレームワークなのかもしれませんが、ブロックチェーン時代に適した分析の枠組みだなぁ、、ととても印象的でした。

貿易だけでなく全てのサプライチェーンに適用できますよね。


2. ConsenSys、ブロックチェーンで社会変革を

お次は皆さんご存知ConsenSysの、Ben Siegelさん。

ConsenSys社はブロックチェーン技術を用いたDAPPS(分散型アプリケーション)の提供企業ですが、組織自体も自律分散型であることで有名ですよね。

ニューヨークはブルックリンにあったりします。


Siegelさんは、(1)ConsenSysがいかに社会にインパクトを及ぼそうとしているか、(2)ブロックチェーンのどのような機能が社会を変革しうるか、について説明されていました。


が、ご紹介したいのは(1)の方。

Content image
(Siegel, B. 2018. ConsenSys. available from http://www.unece.org/fileadmin/DAM/cefact/OtherMeetings/2018/HLPF_BlockchainSideEvent/BenSiegel.pdf)

というのも、右上の"Community"が気になったからなんです。


なぜ、社会問題の解決にNGO(NPO)団体が作られるのか?それは、コミュニティ形成なしに社会に働きかけるのが非常に難しいからです。


ConsenSysはIT企業です。しかし同時に、世界中にネットワークがありコミュニティが形成されてもいます。社会にインパクトを与えようとしたときに、この点は大きなアドバンテージになるなぁと改めて感じたのです。

Content image
熱弁するSiegelさん


ALISもコミュニティが強いですよね。

そのコミュニティが、企業対ユーザーのような対立構造ではなく、全てのプレイヤーを包む大きなコミュニティとして成長していくことをおそらくALIS運営は望んでいると思うし、だからこそ社会インパクトも大きくなるのではないかなぁ、など思った次第です。


最後に、ブロックチェーンを応用していくうえで大切なことは?という質問が出ていたのですが、Siegelさんからは

・ブロックチェーン技術はまだ発展途上だ(信用しすぎるな)
・運用はシンプルで簡単なものにすること(複雑なトランザクションにまだ耐えられない)
・技術面でいくと、まだまだ難しく扱える人も少ないことを忘れてはいけない
・そして大切なのは人、使う側がこの技術を理解できなければ意味がない

とのコメントが出ていました。

実際にサービス提供しているからこその言葉ですね。



この後、太陽光発電のP2Pプラットフォームを提供しているSuncontractのCEOがプレゼンテーションをされました。

ちょっと長くなってきたので、Suncontractの取り組みについてはNaottaさんの記事を参照ください↓

丸投げです。

というか、このSuncontractの取組みについては興味深く、色々と思うことがあり、とてもじゃないですが書ききれません。

また日を改めて考察を書きたいと思います。



ということで、長くなりましたが国連イベント報告でした!

登壇されていた方々の話を聞いていて、改めてブロックチェーンとは何か?という問いについて深く考えさせられたイベントでした。また、SDGsに対してのブロックチェーンという視点を持てたのも大きかった。


今回のイベントはブロックチェーン協会の樋田さんから教えていただいたものでした。この場を借りて感謝申し上げます。


それでは、皆様よい一日を!


MALIS

関連記事:

持続可能な社会に向けて!国連ブロックチェーンイベント(1)

私たちはいつこの技術を使うべきか?国連ブロックチェーンイベント(2)


公開日:2018/07/16
獲得ALIS:54.63
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  • @MariSaita
エネルギー政策専門のコンサルタントです。ニューヨークにいることが多いのでこちらの情報発信が多めになる予定。Twitter: @mari_saita

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