サプライチェーンの課題解決に適用されることの多いブロックチェーン。
それは企業や自治体だけではありません。
軍隊も熱い視線を送っています。
世界No.1の軍事力を誇る米軍。
彼らもブロックチェーンの利用に興味津々。先週出されたCISIONのニュースによると、海軍の航空システム調達にブロックチェーンの導入を検討しているとのこと。
・検討主体:NAVAIR
「海軍航空システム司令部」、軍の持つ航空機や空中戦に用いる兵器(ミサイルとかレーダー)を管理している機関です。
・目的:コスト削減
NAVAIRは、航空機部品のトレーサビリティ確保とそのコストを課題としていました。調達プロセスをブロックチェーンに切り替えることでコスト削減ができないか、研究を開始したようです。
・提携先:ITAMCO
国防関係の研究を担う機関「DARPA」とともに「SIMBA chain」と呼ばれるブロックチェーン技術を開発している企業です。軍関係の部品を扱うことにはなるので、SIMBA chainはプライベートチェーンでの導入になるだろうといわれています。そりゃそうですよね。
ちょっと驚いた一文があります。
Currently, once parts are delivered to the user, the parts are tracked with pen and paper on a Scheduled Removal Component Card and manually entered into a database.
部品の配送は紙とペンで管理、その後手入力でデータベースに打ち込んでいる?
米軍というと、最新の研究結果を反映したハイテクなイメージがあるのですが、調達部門に関しては案外アナログなんですね。
この問題は、DOD(米国国防総省)のウェブに詳細がのっています
簡単にいうと、
・在庫管理が非効率、在庫抱えすぎ!
・船積みする部品は基準満たしてないし期限に間に合わないし納品データもちゃんと管理されてないし!
・貨物の動きも追跡しきれてない!
だそう。けっこうザルですな。
ブロックチェーン導入に本格的に取り組みだした米軍。
となると、気になるのが軍事力2位、3位のロシア、中国の動向です。
中国は、「米国と同様に軍の物流関係への適用を検討すべき」というレポートも出たようですが、今のところ目立った動きにはなっていない様子。
興味深いのはロシア。
重要機密情報へのサイバーアタックを検出し対抗するために、ブロックチェーン研究を専門とする軍事研究機関が創設されています。
元ネタがロシア語かつMALISロシア語全然わからんため詳細不明ですが、、、Google先生の雰囲気ですと、重要な情報インフラにブロックチェーンを適用してアタックを検出できないか、ってことかな?
ロシア語わかる人がいたら、ぜひ読んで教えてください。。。
ということで今日は、ブロックチェーンと軍の関係についてでした。
よくも悪くも、軍の予算がつくと研究開発が飛躍的にすすむイメージがあるので、米国およびロシアの動向は要チェックではないでしょうか。
大学院時代もクラスメイトに何人か軍出身者がいましたが、彼らはビジネスにいる人間以上に実利を追い求めます(そして優秀)。
SIMBA chainが民生用にスピンアウトする、なんてこともありそうですね。
MALIS
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