いわゆる既存の学校では、
“集団行動”がしばしば重視される。
でも私は、特に最後の教師生活1年間は、
“クラスみんなで”なんて出来なくてもいい、
という気持ちでいたし、
子どもたちにもそう伝えていた。
たまたまそこに集まっただけの人全員が、
「一丸となって」なんて目標を担任が掲げるのはどうも気持ちが悪い。
体育祭に盛り上がりたい人も居れば、別に興味のない人だっている。
話すのが得意な人も居れば、一人の時間が好きな人だっている。
私が目指したのは、
「ひとりひとりが独立していても、必要なときに協力し合えるクラス」
だった。
みんな仲良くなんて、しなくてもいい。
でも、一人でいるのが好きな子も、
誰かの手を借りないといけないことがあるかもしれない。
そういう時に、誰かに助けを求められなければ、命だって落としかねない。
人間は誰も完璧じゃないから、
お互いが困った時に手を取り合うことは本当に大切なことだと思う。
集団行動は、あくまでも結果。
日常生活においてそれが先行することに何のメリットもない。
だから、集団行動を乱すな!なんて、
それが出来ていない集団や個人に注意したり怒鳴りつけたりしても、
全く意味がない。
大切なのは、一人一人がどう考えて判断し行動したかであり、
日常生活において集団行動の為の集団行動なんて、
やるだけ子どもたちの思考を奪っていく。
その時々の状況を個人が見て、
全員で行動した方が良いと個々が判断した結果の集団行動なら大きな意味がある。
個人の思考の無い集団行動程怖いものはない。
大切なのは、
必要な時に、協力し合えること。
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2019.6.14.
今こうして読み返してみると、
でも、日本人って、“分け合う”。
とっても良い文化を持っているんだと思う。
震災の時、ヘリから物資が届いたとき、
“並んで待てる”
“子どもやご老人を先に”
なんてあったかい行動に、世界中が驚いた。
そんな尊いものを、教育の中で、
“強いて”しまうことで、失う可能性もあるのかもしれない。