初期の短編。
そういえば中編『地下室の手記』より短いものは読んだことがなかった。
純粋無垢な子供らと世俗的な大人たちのコントラスト。
華々しい結婚式の光景に却って世の無常を感じさせるが、語り手の視線はあくまで透徹しており、最後の台詞も花嫁への同情ではなく、五年の歳月を経て万事よろしくやった花婿に対する感心で締め括られる。
持参金の三十万ルーブリがどれほどなのか判らずぼんやり読み進めたが、後で約三億円と知り、うおっとなった。