【2022/5/15 更新】
エアドロップも計画されているDeFiの便利ツール「Rango Exchange(ランゴエクスチェンジ)」について解説します。
従来の取引所からDEX(分散型取引所)へと主流が変わりつつある今、さまざまなチェーンの橋渡し役として必須のプロトコルになりそうです。
■ Rango Exchangeとは
■ 現在の対応チェーンとロードマップ
■ 実際の使用例(使い方)
■ RANGOトークンについて
■ エアドロップ(給付金)情報
■ IDO(トークンセール)の予定
■ まとめ
RangoExchange(ランゴエクスチェンジ)はあらゆるブロックチェーンのトークンを交換(スワップ)可能にするクロスチェーンアグリゲーターです。
UniSwap(ユニスワップ)やPancakeSwap(パンケーキスワップ)といった各チェーンの主要分散型取引所(DEX)はもちろん、AnySwap(エニースワップ)などによるブリッジ機能まで集約したオールインワンプラットフォームです。
これにより従来の中央集権的な取引所(CEX)を介さず、DeFi(分散型金融)上だけでチェーンを跨いだ取引を完結できるようになります。
現在DeFiを取り巻くブロックチェーンインフラは多様化してきています。
Ethereum(イーサリアム)を中心に、BSC(バイナンススマートチェーン)、Polygon(ポリゴン)といったEVM互換のサイドチェーンから、Solana(ソラナ)、Terra(テラ)といった独自チェーンなど実にさまざまです。
そして最近ではこれらのブロックチェーン間で資金移動を可能にするためのクロスチェーンの仕組みも現在急速に発展しています。
とはいえブリッジ(=チェーンを跨ぐ)に必要なプロセスは、チェーンによっても異なるため、当然それを開発するプロジェクトも異なります。
ユーザーがスワップやブリッジのためにいちいち異なるプラットフォームを使わなければならないというのは、クリプト全体にとって良いUXとは言えません。
Rango Exchangeは既存のDEXやブリッジ機能を1つのプラットフォームに統合することで最適ルートでシームレスなクロスチェーンスワップを提供します。
ユーザーはMetamask(メタマスク)をはじめとする各チェーン対応のウォレットやマルチチェーン対応ウォレットを接続して自由な資金移動が可能です。
各ブロックチェーンを電車の各路線に例えるなら、Rangoは乗り換え案内アプリのような存在といえます。
またRangoは、APIをDapps(分散型アプリケーション)に統合するためのJavascriptSDKを提供しています。
これによりサードパーティーがRangoのスワップ機能を簡単に実装することが可能です。
つまりRangoの便利なスワップ機能をサードパーティーが自由に利用できるというわけです。
例えばTerra(テラ)のLeapウォレットはすでにRangoとのパートナーシップを開始し、ウォレット内でRangoのスワップ/ブリッジ機能を提供しています。
SDKの提供はまだ始まったばかりですが、今後もますますRangoを利用するDappsが増えていくことと思います。
現在、Rango ExchangeはBSCやPolygonをはじめとする主要なブロックチェーンに対応しており、チェーン跨いで様々なDEXを利用することができます。
現在(2022年7月時点)の対応チェーン
BTC/Ethereum/BSC/Polygon/Solana /Cosmos/Osmosis/ Juno / Terra/Harmony/Fantom/ Thorchain / Sifchain/Avax-C/Optimism / Arbitrum / Fuse etc...
クロスチェーンのハブといえばMultichain(旧AnySwap)が一番有名ですが、実はこれすらもRangoExchangeに統合されています。
ちなみにMultichain(マルチチェーン)だけでも、現在39のブロックチェーンにおける1790種類のトークンに対応しています。
RangoはこのMultichain以外にもcBridge、Thorchain、Terraなどの様々なブリッジ機能を統合しており、さらには各エコシステムにおける主要なDEX(分散型取引所)もほとんど統合しています。
そして今後のロードマップではさらにブリッジ機能を拡張していくことが予定されており、その勢いは止まりません。
最近、Whormhole(ワームホール)を統合してSolana(ソラナ)へのブリッジを可能にし、アグリゲーターのJupiterを通じてDEXが利用できるようになりました。
またEthereum(イーサリアム)のレイヤー2であるOptimismやArbitrumにも対応し、今後はPolkadotリレーチェーンのMoonriver、Near上のEVM互換チェーンAurora、その他Cosmosの独自チェーンなどにも対応予定です。
なんと言っても気になるのはやはりRANGOトークンのエアドロップとIDOですが、これらについては後半で解説しています。
その後もPolkadotやKusama、Gnosis、Astar、Doge、Cardanoなどさらに多くのブロックチェーンとつながる予定です。
またHopやConnext、Stargateといった新たなブリッジのプロトコルを統合することでより資金効率の高いルーティングが可能となります。
ここまで凄まじい開発スピードを見せてきたRangoですが、今後も目が離せません。
Rango Exchangeでのスワップはいたってシンプルです。
1. ウォレットを接続(複数接続可能)
2. スワップしたい通貨のチェーンとトークンを選択
3. スワップしたい量を入力
すると自動で交換ルートやFee(手数料/ガス代)、推定時間が表示されます。
「Swap」を押すとウォレットのポップアップが開くので、各トランザクションを実行していけば完了です。
(ブリッジの場合、プロトコルによってかなり時間がかかる場合があります。)
注意事項として、スワップやブリッジのルートで使うウォレットとガス代(トランザクション手数料)を払うためのトークンは必要なので事前に用意しましょう。
ちなみに「交換先のチェーンでガス代がない!」という方はこちらのFaucet(フォーセット)を使うと便利です。
簡単なTwitterタスクだけであらゆるチェーンのネイティブトークンをくれる神のようなツールです。
将来的には、Rangoトークンによってあらゆるチェーンのガスを購入することができるようになる予定です。
そうなればもう、従来のようにCEXを利用せずともどこでも行けてしまいますね。
Rango Exchangeの独自トークン「RANGO」はまだ流通はしていません。ロードマップによれば2022年の第2四半期にリリースされる予定でしたが、市況により延期されています。
ティッカー:RANGO
総供給:100,000,000 RANGO
RANGOトークンの主なユーティリティは以下の4つです。
① レベニューシェア
② ガバナンス
③ ガスの購入
④ 手数料優遇
RangoExchangeの取引手数料は80%がRANGOの買い戻しとステーカーへの報酬分配(レベニューシェア)に使用され、残りの20%が保険のために一定上限までプールされます。
RANGOトークンはプロジェクトがDAO化するためのガバナンストークンとして機能し、将来的に運営方針を決定する投票権となります。
また最大のユーティリティとして、Rangoトークンを支払うことで他のチェーンのガス代(取引手数料)に充てることができます。
トランザクションの承認にはネットワーク手数料(ガス代)を支払う必要があり、イーサリアムならETH、BSCならBNBといったチェーン毎のネイティブトークンが必要となります。
しかしブリッジで経由するだけでもわざわざガスを用意しなきゃいけないというのは非常に面倒です。
そこでRANGOトークンを保有していれば、あらゆるチェーンのガス代をいつでも取得できるようになります。
さらに一定のRangoトークンを保有するホルダーは、プラットフォームの取引手数料が無料なるという特典もあります。
トークノミクスにより$RANGOの最大供給量は100M(1億枚)と定められており、新規発行されることはありません。
RANGOトークンの配布モデルを見ると「Airdrop(エアドロップ)5%」とあります。
詳しくは後述しますが、2022年10月までRangoを利用するとエアドロップの対象となります。Rango Exchangeでスワップして取引履歴を作っておくことをお勧めします。
Rangoトークンのエアドロップ詳細が発表されました。
このバッジクエストより、2022年3月15日時点で合計スコアが上位1000人のユーザーにはRANGOトークンがエアドロップされます。
また、1001〜6000位までのユーザーにも追加で6%の割り当てが発表されました。
【対象ユーザーと配布量のリスト】
https://rango.exchange/docs/airdrop-badge-march-15th.csv
RangoExchangeで取引を行うと、「Affiliate」タブから自分のアフィリエイトリンクを発行できるようになります。
紹介したユーザーのスコアに基づき、上位1000人のアフィリエイターにはエアドロップ用RANGOトークンの10%が配布されるそうです。
開催期間:2022年 1月18日〜7月18日
このコンペでは、順位を記録するスナップショットが2回あります。
① IDO時(日時未定)
報酬:IDO時に30%、キャンペーン終了から3ヶ月後に70%配布
② キャンペーン終了時
報酬:キャンペーン終了から3ヶ月後に100%配布
以下の期間にRangoExchangeを利用(スワップ)したユーザーに、以下の割合で配布されます。
① 2021年8月〜12月9日(終了)2%
ユーザーのトランザクション量に基づき配分されます。
② 2022年3月20日〜10月31日(開催中) 15%
ユーザーの取引ボリュームと頻度に基づき配分されます。
エアドロップシェアの12%が$ATOM/$LUNA/$JUNOのステーカーに配布されます。
ただしこれはRangoExchangeで200ドル以上の取引があるアドレスに限定されます。
公式記事によれば、ネイティブATOM/JUNOからネイティブLUNAへのスワップとその逆の両方の取引が推奨されています。
なぜ両パターン必要かというと、送金元アドレスをRangoに紐付ける必要があるからです。
$ATOMステーカーならCosmosHubアドレス
$LUNAステーカーならTerraアドレス
$JUNOステーカーならJunoアドレス
をそれぞれRangoで使用した履歴(トランザクション)が必要です。
またRANGOトークンはTerraで発行されるため、エアドロの受取にこちらのアドレスも必要という認識です。
スナップショットや詳細については今後アナウンスがあるとのことなので、分かり次第また追記します。
エアドロキャンペーンはすでに終了したものもありますが、レトロアクティブの2回目とアフィリエイト、Cosmosステーカーはまだこれからなので狙いに行ってもいいかもしれません。
すでにATOM/LUNA/JUNOをステーキングしてる方は、RangoのTerraチェーンで$200以上の取引履歴を作っておくだけで対象となるのでおすすめです。
RangoExchangeの独自トークンである$RANGOはトークンのIDO(トークンセール)詳細が発表されましたが、市況により延期となりました。
セールはホームおよび4つのローンチパッドで開催される予定です。
トークンセール日時:2022/5/8
ホワイトリスト申請期間:5/4〜5/6 17:00
対象条件:ID #22,775までのユーザー
スポット:1000〜最大5000まで延長
セール価格:$1
権利確定:6/2〜6/8にかけて100%
特典:購入額の10%を7/1にエアドロップ
前回発表された内容では、ホームで行われるIDOは、過去にRangoを利用しIDを保有しているユーザーがホワイトリスト対象です。
延期前の発表では、Terra系のローンチパッド4ヶ所でIDOが行われる予定でした。
しかしその後Terraが壊滅的状況になってしまったため、おそらくは別のチェーンでトークンが発行されることになりそうです。
どこのローンチパッドでトークンセールが行われるかも未定です。
今回はクロスチェーンアグリゲーターであるRango Exchange(ランゴエクスチェンジ)について解説しました。
個人的にはDeFiのハブになり得る期待のプロジェクトだと思っています。
一度使ってみるとその凄さが分かるかと思います。
Rangoが統合しているプロトコルは信頼性の高いものですが、スワップの際には少額でのテストが推奨されています。
Rango Exchangeの詳細なドキュメントについても全文和訳しています。
良ければそちらも参考にしてみてください↓
2022年7月10日に、Rangoの日本AMAを開催しました。
詳細はこちらの記事をご覧ください。
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ありがとうございます。✨