FacebookのF8カンファレンスのビッグな発表、上位10まとめ
5/8のGoogle I/Oに先駆け、5/1-2に行われたF8カンファレンスで、Facebookの新機能や取り組みが発表された。時価総額にも大きな影響を与えた個人情報流出問題からどんな復活劇があるのか。いくつかの大きなトピックスが話題を呼んでいる。
イチ押しのトピックとして、記事の中にも記載があったが5/1に「Oculus GO」が発売された。同日に日本でも発売され、また、価格もほとんど米国と同等で、日本でも多くの方が購入されたようだ。
フェイスブック、2万円台「VR」投入で始まるソーシャル新時代
僕も即買った一人だ。米国では家庭用のVR機器も一定流通しているが、日本では家庭用を所持している人は少ない(米国に比べて一般的に家が狭いこと)。新宿のVR ZONEなどVRコンテンツが楽しめるお店はあるが、家庭用の機器はまだまだスペックも高くなく、色々な障害もあった。
このOculus GOはそれらを解消した初めての家庭用VRヘッドセットで、重量も軽く長時間装着も可能、ヘッドホン不要(耳元スピーカー)のため耳の痛みもなく完全な閉塞感がない、そして単体で通信可能なスタンドアローン型機器であることなど、これまでのVR機器とは一線を画す、技術の進歩を実感できる逸品なのである。
実際に試してみたが、ストレスが少なく没入感もある。放っておかれると数時間続けられそうな感覚だ。
無料のジェットコースターのコンテンツを試してみると、体は動いていないのだが、視覚に「脳が合わせにいっている」ことが感じられる。脳が映像に騙されていて、ジェットコースターに乗っているような感覚だけが実感できるのである(娘も体験したが同じ感想を持ったようなので、決して僕だけではない)。
また、「擬似旅行」ができる世界は既にあることも理解した。例えばマチュピチュやビーチリゾートなどを360°擬似体験できるコンテンツでは、音も含め異空間を満喫できる。クオリティは劇的に向上している。
映画マトリックスで見た世界も、そう遠くない未来だと思った。
そして恐ろしいことに、OculusはFacebookグループなのである。
VRを体感してわかったが、Facebookがやろうとしているのは、バーチャル空間に極めてリアルな自分のアバターを生み出し、もうひとつの世界を作り上げること。
Facebookは、「現実の友達と実名で繋がる」SNSだが、その身近な本当に親しい家族や友人と一緒にログインすることで、擬似的な旅行を脳内で楽しんだり、スポーツやゲームをして遊んだり会話したり、という体験が同時にできる。そしてそのリアリティはさらに急激に向上していくのは間違いない。
例えば、同じくFacebookグループであるInstagramで人気のインフルエンサーが、どこかに素敵な旅行をしその様子をアップしていたとして、それと同じコースを擬似体験できるVRツアーが組まれたりするのだろう。
そしてダメ押しに、今回のF8のもうひとつの目玉でもあった「出会い機能」。
フェイスブック、出会い機能を導入へ CEOが発表
Facebookを使えば、VR空間を使って出会いが生まれ、安全にデートを重ねることができ、信用できてから会う、という本気の恋まで可能になるのである。
さらにFacebookは、F8後に大きな組織改編を発表した。
Facebook、ブロックチェーンに乗り出す メッセンジャー責任者だったマーカス氏が立ち上げ
20億人分のリアル/バーチャルでの行動・交友データがこれからFacebookにはたまり続ける。
個人にエンパワーメントする、というブロックチェーンの思想には、Facebookは比較的近いように思う。やろうとしていることを支える基盤としてブロックチェーンが不可欠だという判断であれば納得だ。
独自トークンを発行するなどではなく技術を活用するという主旨だと思う(Facebookのデータの持ち方は明らかに中央集権的だ)。
正直、もう他のSNSには既に勝ち目がないような気さえしてきたが、果たして成功するのか。
Facebookのこれからの復活劇を、楽しみにしたい。
<Takahiroの主要記事>
・ブロックチェーンとの相性考察シリーズ #01 「IoTによる健康情報」