今日2018/5/1、こんな記事を見た。
Fitbit、健康管理でグーグルと提携--ウェアラブル機器と電子カルテの情報を連携
2017年秋に発売されたApple Watch 3が急速に広まったことから、IoTのプラットホームがついに整ってきた。
人々の健康や運動に関わる習慣、行動の記録がそのままデータになり蓄積される世界。加えて遺伝子検査の精度も高まり、この両方のデータが繋がる。体のリスクを知ることで先手を打って対策が取れるので非常に有益である反面、データ化した時点で、別の大きなリスクにさらされることになる。
(記事リンクは控えるが、2018/3/9、2018/4/29にがん遺伝子検査の保険適用範囲について興味深い記事が日経新聞に出ていた)
個人が、本当の意味で丸裸になる。
そんな世の中が数年以内に来るとして、ブロックチェーンはどう活かせるか。
言うまでもなく、遺伝子・健康情報は個人の最高機密であり、個人情報・オブ・個人情報である。意図せず生保会社にでも渡ればそれを理由に(不当に)契約を拒絶されたり条件が悪くなったりするだろう。または、仮に中央集権でこの情報をどこかの会社が所持した場合、先日のケンブリッジ・アナリティカ(Facebook騒動の当事者)のような会社が悪用するとその影響は計り知れない。例えば住所や電話番号などとは別次元の損失を被る恐れがある (なぜなら連絡先はあくまで後天的な情報でしかなく、自分の意思で変更も可能。しかし遺伝子ともなると先天的かつアンコントローラブルであり、一度漏れたらどうしようもない)。
これには、非中央集権で個人をエンパワーメントするブロックチェーンの思想がしっくりと当てはまる。これからの世では、個人の最大の資産は情報そのものである。どこかに握られている状態を正とするのでなく、自分の身は自分で守る。ブロックチェーンにはそれを実現する可能性がある。
上記のように、過去に例を見ないようなセンシティブ情報がデータとして可視化された未来においては、今度はそのデータの正確性を守る必要もある。技術が発達し、データの信頼性が増せば、それを元に医師による治療が行われたり、投薬の判断基準になったりということも実現するだろう。
万が一遺伝子データが改ざんされ、事実と異なる状態になった場合、治療時の判断を誤ったり、命に関わる事態を招く可能性もある。
(量子コンピュータも含めて)未来においてブロックチェーンを改ざんできる技術が生み出される可能性はあるが、現時点では最良の選択肢と言えるのではないだろうか。
これから間違いなく発展する分野であるIoTとブロックチェーンの親和性は高い。5G通信が2020年に商用化され、大量のデータをリアルタイムに動かせるようになれば、IoTでできることは一気に発展することだろう。
いずれにせよ答え合わせは数年後。この分野は特に楽しみにしつつ、注視したい。
<Takahiroの主要記事>
・ブロックチェーンとの相性考察シリーズ #03 「約束を守ったか指数」