2017年10月24日のFACEBOOKより
ルドルフ・シュタイナーという神秘思想家のことは『民族魂の使命』という本を読んでから大嫌いになった。
しかし、彼の「社会有機三層論」には一定の理がある。
それは自由、平等、博愛について、すべての分野に同様にあてはめなければならないのではなく、創造的自由、法的平等、経済的友愛が重要だとしたものだ。
マルクス主義へのアンチテーゼとしては最もマシなものだっただろう。
というのはマルクス主義はすべてに平等の原理を当てはめようとする「傾向」があり、その帰結のひとつとして、たとえば文化大革命における芸術家の弾圧があるからだ。
共産党が強調するといいと思うのは、創造的自由について、日本共産党はけっして侵さないという声明だと思う。
コメント欄
あび
『ヨーヨーマ』という映画が創造的自由を強調するものとして仕上がっていて、法的平等、経済的友愛などの革命的意義はスルーしてしまうことになっているのは、登場人物が芸術的エリートであること、主人公のヨーヨーマが中国系アメリカ人であり、文化大革命における芸術家の弾圧に大きな問題意識をもった人物だったからだと言えるだろう。
この映画は創造的自由の領域においてまったく正当なものであり、よくできている。しかし、法的平等と経済的友愛については、悪気なくスルーしていると思う。
Yさん
芸術と政治を一緒にすることには、嫌がる芸術家が多いです。イデオロギー関係なく、純粋に芸術性に集中します。
あび
芸術と社会性の関係として、ふたつの面があると思います。
(1)人間が生きて死ぬすべての領域を扱うのが芸術ならばその部分として必然的に社会性が含まれるという立場がありうる。(よい意味で。)
(2)創造の自由を権力が弾圧してくるとき、純粋な芸術的自由を守るという理由だけでも政治性にかかわらざるをえない。ひどい場合には国策に協力する芸術の創作を強要されるので嫌だというだけでも芸術家が政治性にかかわらざるをえない。
中国人S
貴方は日共の成員ですか?
あび
我不是日本共产党员。
S
そうですね
あび
你对文化大革命有什么看法?
S
有好有坏
あび
哪里好?
S
改变了中国人的奴性。虽然今天中国人依然奴性,但是没有文革,今天中国人比现在奴性多了
あび、
对我“奴性”的概念很难。
请解释一下什么概念。
S
奴性就是对强者的妥协
比如说 对当官的
あび
我以为,因为 文化大革命是自上而下的运动,所以奴性很强。
Y
そもそもシュタイナーは、全ての個人がキリスト意識に到達することを、説いてる。
あび
だとすると「民族魂の使命」に書いていることは、キリストから見て、とんちんかんでしょう。
宗教家には根源的なことを言って人の心を完全にオープンにさせる局面と、社会的に差別や権力に加担する結果になる発言をする局面の両面がある場合が多いです。
キリストには後者にあたる発言は見られず、むしろ差別や権力に加担するものを根源的に批判する面だけが見られます。
時に聖書が、誤訳や曲解によって、そうではないように引用されることがありますが、ギリシア語やヘブライ語に戻るとき、それは曲解であることを証明することができます。
そういう仕事をたとえば本田哲郎さんは一所懸命しています。
Y
聖書は、キリスト没後数百年たってから書かれたもんで捏造もいっぱうります。しかし本当にイエスの言いたかった根元の教えは、愛です。
あび
そうです。そこは一致しています。
そして社会的側面から見ると、キリストによる人種差別や権力加担は見られない。シュタイナーには人種差別が見られると僕は言っています。
Y
ドイツ人の優秀さを主張していると?
あび
すみませんが、この話はけっこうややこしいです。
シュタイナーが人種差別的であるという批判は左の「民族魂の使命」を読んだ人の一部(僕を含む)から出ていますが、右の本では、そうではないという擁護のために1冊を費やしています。
もう一回精密に具体的な発言をあとづけながら、右の本の擁護を論破して、シュタイナーが人種差別的であることを論証するのは、非常に骨の折れる仕事であり、今、その労をとろうとは感じていないので、パスさせてください。興味のある方は上記二つの書物が基本文献です。
あび
何十年も前に読んだので、うろ覚えですが、社会有機三層論は上記二冊でカバーできると思います。