獣は独りで死んでいく老いを迎えいよいよ死期を悟ると猫は姿を消し四次元の扉の向こうにひっそりと吸い込まれる
獣は独りで死んでいく病に耐え飼い主との再会を待つ犬も最後の時だけは誰も呼ばず庭の片隅に身を横たえ土に溶けるように力を放棄する
僕は独りで死んでいく家族を裏切りもう誰も見舞いに来ない部屋の中隣人にも気づかれずかっと目を見開き瞳に銀河を映して息絶える