
(5) それからあなたはしばしば瞑想するようになったのですか?
宇宙とひとつになったような深い瞑想状態は残念ながら翌朝には失われてしまいました。
私は再び宇宙の片隅に生きる虫けらのような小さな存在に戻りました。元と同じような虚しさや焦燥感とともに、家庭や学校での生活を続けました。
私は地元の高校に進学しました。一年生のとき、同じクラスに後に芥川賞作家となる吉村萬壱くんがいました。インド人のような顔立ちの彼になんとなく惹かれた私は彼とよく話すようになりました。
あるとき彼は自分が愛読しているのは、コリン・ウィルソンというイギリスの作家の本だと紹介してくれました。私は薦められた本を読んで驚きました。コリン・ウィルソンが、評論や小説で「価値体験」「絶頂体験」と呼んでいるものと、私が中学生のときに体験した「瞑想状態」がそっくりだったからです。
「この体験なら僕はした」私は友人に言いました。「へえ。そうなのか。その体験には偶然に恵まれることもあるが、ヨーガや瞑想によっていつでもその状態に入れるらしい」と彼はコリン・ウィルソンの言っていることを紹介してくれました。
私はヨーガや瞑想の本を読むようになり、自分なりにそのまねごとを始めました。それが「瞑想」という言葉との私の出会いです。











