議論メシを通じて1年弱関わってきたBookShopTravellerという本屋のアンテナショップでの間借り店主を辞めたことを機に、本と本屋について考えていることを3回に分けて書いてみようと思います。
ということでパート2「本屋とは」です。前回記事はこちら
リアルな本を置く本屋とは何か?という問いについて考えてみます。いま、本屋は減っているというのが大勢の考えなのかもしれませんが、実は、独立系書店は増えているという話があります。それはなぜかを考えることでこの問いの答えが見えてきそうです。
六本木には入場料1,500円を支払って入る文喫という本の配置や置き方など特徴がある本屋があります。入場料という壁が文喫内を独特の雰囲気を保っています。
荻窪にはTitleという1階が本屋とカフェ、2階はギャラリーという本屋があります。ここは出版社と直取引で仕入れている本があるということでも話題になりました。
国分寺には胡桃堂書店という喫茶店が始めた本屋があります。もちよりブックスという「自分は読み終えたけど、次の誰かに読み継いでもらいたい」という棚があったりします。他にも個別に紹介はしませんが、谷根千の古書店めぐりも楽しいですね。
その場所にお店を出すというところから、その場所に来る人たちを思い浮かべ本を仕入れて、棚にどのように並べていくか?何が売れ、何が売れないかだけではなく、回転が悪くても本棚にその本があることで棚がしまる本はしっかり仕入れておくなど、店主の思いが詰まった場であるということ、また、そこに集まる人達で作り上げるなんとなく居心地の良い場所という2つが合わさっている本屋という場が注目を集めることになっていると思います。社会的欲求を満たすだけではなく、場への関わりを深めていくことで承認欲求、さらには自己実現欲求すら満たすことが出来そうな気がしてきます。
単なる本がある場所ではない思いの詰まった場所である本屋というものが今の時代には必要とされていて、これこそがリアルな本屋の意味、求められていることじゃないでしょうか?