※この記事には私見が含まれます。
今や全世界がネットワークでつながる時代になったが、依然として人々は数字にこだわって生きている。例えば年収がいくらだとか、年齢がいくつだとか、健康を図る数値や金銭事情に関する数字を当てにすることはなくなっていない。そしてそれはこれからもあり続けるだろう。
それは例えば、Youtubeにおける配信閲覧者数だったり、フォロワーの数だったり、エンゲージメント数だったり、形はわかっていくものの不変である。
人口あたりにおける登録者数やインストール数は、基本的に系全体の人口からの割合でどのくらい新鮮味があるのかや、有名なのかを図る際に便利な指標になる。
例えば、HIKAKIN氏の登録者数は言わずもがな1000万人ほどであるが、100万人の登録者数のYoutuberもいる。かれらはどちらも日本語で活動しているとした場合、その有名度の最大値は1億2千万である。もしもHIKAKIN氏が英語圏で活動している場合は、英語圏の人口が登録者数の限界値になる。
先ほど1000万人という数字を挙げたが、日本において1000万人というのは人口の1割を示す。そして100万人というのは人口の1パーセントである。10万人なら0.1パーセントであり、10万人が知っていることを自分が知っていることは、日本全体でトップ0.1パーセントの博識であるということがいえる。
インターネットのおかげで世界の英語人口は急増しており、その数はおよそ15億人ほどであるという。もちろん日本でも英語をしゃべれるようになってきている人は増えているという。
英語圏は15億と言ったわけだが、仮にここでTwitchの有名なパーソナリティであるPokimane氏を考えると、彼女のTwitchのフォロワーは900万人ほどおり、HIKAKIN氏のYoutube登録者数に近しいことがわかる。ちなみに、Pokimane氏はTwitchで最もフォロワー数が多いことで知られている。
英語圏が日本語圏の10倍程度の大きさであるとすれば、Pokimane氏の有名度合いは、日本でいうところの100万人登録者数インフルエンサーと同じくらいである。では、日本でいうところの100万インフルエンサーというのはどのくらい有名なのか?
これがもし、2014年だったらHIKAKINの名前を挙げてもおかしくはなかった。しかし、今は2022年4月だ。ほとんどの人が100万人規模のYoutuberを認知しているとは思えない。すでに100万人というのはかなり「知らなくてもおかしくない規模」になっていることが感覚的に分かる。ということは、Pokimane氏のような1000万人近いストリーマーがいたとしても、英語圏に住んでいても知りませんということは往々に推測できる。英語圏で100万人ほどに知られているなら、なおさらマイナーな存在になる。
しかし、100万人というのはどう考えても侮れない数字であり、それを知っているか知らないかというのはコミュニティに乗れないということでもある。日本では100万人とは少ないとは言ったものの、それに関してのコンテンツがどれほどのクオリティなのかは大体予想できる。かなり高クオリティであることを。
しかし、そのような人物が仮に10億言語圏に住んでいた場合、いきなり日本語圏からそちらに移住した暁には、「誰だ?知らないけどめっちゃ凄い!」となる。毎日ペリーが来航している感覚である。
よく英語のコミュニティを見ていて遭遇するのは、まさにこのような、毎月モンゴル帝国のごとき巨大なコミュニティに出くわし、慣れたと思ったら荒廃していることがよくあるということだ。
おそらくこのALISでの投稿も長くはない。長いとしたらそれは薪を定期的に与えるような戦略をとっている場合にだけいえることだ。
ミームやブームはまるで焚火の炎のように移り変わり、燃え尽きたら最後、再び着火するのが途方もなくしんどくなる。