ブラックホールは言わずと知れた超重力天体で、一点に集中した高密度物質により4次元時空が極端に歪曲した状態になることで生じます。ブラックホールは光さえも戻ってこれない天体として有名ですが、なぜそのように言われるのでしょうか。
理由は単純で、測地線沿いに直進した光が戻ってこなくなってしまうほど時空が極度にゆがめられているからです。というのが一応の相対論の帰結ということですが、まだ諸説はあるようです。
光が戻ってこれなくなる閾値の部分を地平とも言います。この事象の地平はそれ以上中の状態が「光すら戻ってこれない」ゆえに観測できません。なので、ブラックホールの黒い部分の内側がどうなっているのかを知る由はないということになります。一応、これに関して事象の地平面が存在しない「裸の特異点」というものも言われていますが、ペンローズ曰く宇宙検閲官仮説によってそんなことはあり得ず、企保的にすべてのブラックホールは黒い部分が存在し、中心は隠されているとしています。
そして、ブラックホールはその周辺にある物質を吸収して熱エネルギーとして放出します。この際、宇宙ジェットやクエーサーなどのような現象が観測されており、活動銀河核ともいわれます。
ブラックホールが関連する物理現象の一つに強力な輝きをはなつガンマ線バーストが知られています。ガンマ線バーストはおもにガンマ線バースターにより生じるとされており、その詳細な発生機構は謎なところが多いものの、ブラックホールの関連性を疑う声は少なくありません。今のところGRBという頭文字をとって記録されているガンマ線バーストは数える程度しかなく、これからその解明が進んでいくものと思われます。