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Vol.164 【仏陀的思考】納得という領域

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  • gryption
  • 2022/08/22 13:18

人生はいつまでたっても迷いの連続であり、その迷いを生み出すものはすべからく欲求であります。今回は、「反応しない練習」という本から内容をピックアップしながら解説していきます。

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これは、もともとインドのブッダという人物が発見したものとしても有名で、教えとは書いてあるものの、宗教という意味ではなく、ツールとして解説していきます。

やがて消えるものを追いかけてはいけない

行雲流水という言葉がありますが、流れるように生きるというのは非常に需要な意味を持っています。資産や健康は、手にすることはできますが、永続的に維持していくことはほとんど不可能に近いでしょう。いずれ死んでしまえば、どちらも意味のないものになってしまいます。しかし、それらに固執してしまうと、喪失したくないという意識が生じてしまい、全然納得できない人生を送り始めかねません。

行雲流水だけではなく、諸行無常という言葉もあります。日経平均株価によって左右される不動産価格のように、それは一定ではありません。もちろん、戸建て住宅を買ったとしても、パートナーとの不和や自分自身の性格から、資産を手放さざるを得ない状況になってしまうことはあるでしょう。

アフガニスタンなど、非常に混乱の渦中にある国がありますが、結局のところ何をよしとするのかで貧富は決まってきてしまうのかもしれません。

最高の納得をめざす

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誰でも老いはやってくるし、いつかは死んでしまう。しかし、そんな現実があるにもかかわらず老いず、死なず、貧せずという理想を掲げ続ける。

ブッダは、晩年において俗世間から出家することを決め、ひとつのゴールを目指しました。それが、最高の納得というものです。ほかの人や事象の良いところに目を向けることはいいですが、それに反応してばかりでは自分のことを理解することは難しいでしょう。

外の世界にはいろいろなものがありますが、内なる世界を見ないままで情報を取り入れ続けると、最終的に自分自身に納得しないようになってしまいます。

かといって、内なる世界にとどまり続けるのもそれはそれでむしゃくしゃしてくることでしょう。重要なのは「中庸」なのかもしれません。

決定的に納得する

かもしれない、という言葉を連発していますが、別段これは不安状態であるからではありません。不確定要素が多いという表れであり、私自身の至らなさでもあります。正直、最近は全くと言っていいほどいいことがないので、このような記事を書いているのも事実です。

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しかし、納得しないで生きていてもあまり快くはありません。そこで、どのような手段を用いることが道が開けてくることなのか、ここで考えていきたいのです。

それは「決定的に納得する」ことでしょう。例えば、別段自分が何者であろうと、どこで生きてようと誰もかれも相手にはしませんし、それが普通です。

その状態を「自身に納得」させ、失敗をそのように見なさないテクニックは、マインドフルネスの観点からみても役立つといえます。

ゼロよりも多ければいいと思え

もしも絶望的状況にあるというならば、ゼロの時代を思い返すべきなのです。そして、少しでもゼロの状態から抜け出せたのならば、満足すべきでしょう。ここでいうゼロというのは何もない状態であり、最初の一日【デイワン】のようなものです。

ジェフベゾスは、アマゾンの創業者で知られていますが、格言に毎日を初めての一歩だと思うことという言葉があります。最初は非常に小さい組織体だったアマゾンも、今では世界的大企業になっています。

今後の20年、いや50年にかけて、彼らを抜いていくような巨大企業が合わられないということも言えません。

以外に、絶望しないことも「始めること」並みの才能なのかもしれません。

反応よりも対応を

このことは以前に記事で紹介したかもしれませんが、インド出身のサンダーピチャイは、「反応するな、対応せよ」のゴキブリ理論の重要性を説いています。個人的に、これは非常に重要なポイントだとも述べました。

あるレストランで、突然ゴキブリがどこからか飛んできて、女性の上に座った。

その女性は恐怖のあまり叫びだした。

パニックを顔に浮かべ、声を震えせながら飛び跳ねだし、必死に両手でゴキブリを追い払おうとした。

彼女の様子を見て、同じグループの人たちもパニックになった。

その女性は、ようやくゴキブリを追い払うことができたのだが......そのゴキブリは、グループの中の別の女性の上に乗ってしまった。

今度は、同じグループの別の女性がこのドラマを続ける番だ。

ウエイターが慌てて救出に向かった。

ゴキブリの投げ飛ばしあう中で、次にゴキブリはウエイターのところに落ちてきた。

ウエイターはしっかりと立ち、気を取り直して、自分のシャツについたゴキブリの行動を観察した。

そして、十分に自信を持ったところで、ゴキブリを指で掴んで、レストランの外に放り投げた。

コーヒーをすすりながら、そのドタバタを見ていた私の心のアンテナは、いくつかの考えを捉えた。ゴキブリが彼らのヒステリックな行動の原因ではないか、と考え始めた。

もしそうだとしたら、なぜ店員は平然としているのか。

彼はそれを完璧に近い形で、混乱もなく処理した。

原因はゴキブリではなく、ゴキブリが引き起こした騒動に対処できなかったことが、彼女たちの心を掻き乱したのだ。

私は気づいた。父や上司、妻の怒鳴り声が私を掻き乱すのではない。彼らの怒鳴り声によって引き起こされる妨害に対処できない自分の至らなさが、私を掻き乱しているのだ。

交通渋滞が私を苛立たせるのではない。渋滞によって引き起こされる障害に対処できない私が、私を苛立たせるのだ。

問題そのものよりも、その問題に対する私の反応が、私の人生に混沌をもたらすのだ。

ピチャイはこのことから、常に対応することが重要であることを学びました。そこでは、マインドフルネスと一休みについて書かれており、反応を観察することを推奨しています。

どのような反応があるのかをいったん見てから思慮深く対応する。これがグーグルのCEOがとるべきと述べた一文です。

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