コロナウイルスが世界中にパンデミックをもたらすまえ、カリフォルニアでは一つの事件が取りざたされていました。その名も、セラノス事件。この事件の主要人物はセラノス社のCEOであるエリザベス・ホームズ氏。
いわゆるエジソンマシンといわれる画期的な技術で、ネクストジョブズといわれ革命的な存在としてあがめられていた彼女ですが、その野望は一瞬にして崩壊しました。
世紀の詐欺事件といわれたこの一件は、ホームズ氏の現実離れしすぎたやり方が嘘であり、まったくもって失敗とは言えないことが明らかになった故、最終的には有罪判決が出されています。しかし、コロナウイルスが徐々に収まりつつあった今年5月にも、同様の詐欺まがい事件が起きてしまいました。
総計6兆円が消滅したTerraLuna事件では、開発者であるクォン氏が矢面に立たされ、現在でも批判が収まることはないようです。しかし、同氏はこの一件について詐欺ではなく一種の失敗であると述べています。同氏は、Terraの可能性を信じており、現在でもTerra2.0として新しくプロジェクトを立ち上げていたりします。
ステーブルコインのマスターと自称していたクォン氏の今後の動向にはまったく目が離せませんが、セラノスやTerraの件はどちらもイノベーティブなプロダクトを提供している一方で、失敗したときの反動が詐欺や犯罪的行為になってしまうこともあるということを示してもいます。
革新的なプロダクトを出すとき、それが面白半分でやっているのか、それとも本気でやっているのかというのは、全社であればミームどまりかもしれませんが、後者であれば詐欺になることもあるということでしょうか。
私個人的な意見を考えると、イノベーションは源流が不明で、非常に多くの人々が実践して参加しているコンテンツや対象に起こりやすいと考えています。確かに、「革命」と名を打って行動するほうがモチベーションは高まるかもしれませんが、責任が集中してしまうという弱点があり、あくまでもその起源は曖昧で、ひとつの減少としてイノベーションというものを捉えたほうがいいのかもしれないと再認識しました。