世界最高峰はインドにある？【IITについて解説】

gryption
2023/05/05 12:25

インド工科大学（Indian Institutes of Technology、IIT）は、インドの技術系大学で、1950年代に設立されました。IITは、入学試験の難易度が非常に高いことで知られており、その難関さは、日本で言うところの東京大学や京都大学と比較されます。IITは、工学、理学、経営学、社会科学などの分野で学位プログラムを提供しており、毎年多数の優秀な卒業生を輩出しています。

IITのレベルは、いくつかの視点から見ることができます。

◎インド工科大学のレベルとは？

IITは、インドにおける技術教育の中心的な存在であり、多くの優秀な学生が入学を目指しています。IITの入学試験は、毎年数百万人が受験する難関試験で、合格率は非常に低く、入学すること自体が非常に難しいとされています。また、IITの教育プログラムは、高度な理論と実践的な教育を組み合わせたもので、優秀な学生を育成することに力を注いでいます。

◎世界大学ランキングでのレベル

世界大学ランキングでは、IITはまだトップレベルの大学には入っていません。例えば、2022年版のQS世界大学ランキングでは、IITデリーが182位、IITボンベイが186位、IITカンプールが283位となっています。ただし、IITは、IT分野に特化したランキングでは、高い評価を受けています。

◎NIRFのレベル

インド政府の教育省が発行するNational Institutional Ranking Framework（NIRF）のランキングでは、IITは高い評価を受けています。2021年版のNIRFランキングでは、IITマドラスが全体で1位、IITデリーが2位、IITボンベイが3位にランクインしています。

◎就職力のレベル

IITの卒業生は、多くが優秀なIT企業に就職しています。IITの卒業生は、インドのIT企業だけでなく、世界的に有名なIT企業にも就職しており、多くのIIT卒業生が、グーグル、マイクロソフト、フェイスブック、アマゾンなど枚挙にいとまがありません。

インド工科大学は、国立大学23校からなる連合大学であり、それぞれの大学には独自のカリキュラムや教育環境があります。そのため、各校のレベルについては、個別に評価する必要があります。

◎インド工科大学のレベルとは？

インド工科大学は、入学の難易度や卒業生の優秀さに加え、研究分野においても優れた成果を出していることが特徴です。例えば、インド工科大学の中でも特に有名なIIT Bombayは、人工知能、ロボット工学、通信技術などの分野で先進的な研究を行っています。

また、インド工科大学は、産学連携にも力を入れており、多くの企業との共同研究プロジェクトが進んでいます。このような研究活動は、卒業生の就職先や独自のベンチャー企業の設立にもつながっています。

一方で、インド工科大学は、インドの政府機関によって運営されているため、教育環境や施設の整備に課題があるとされています。そのため、教員のレベルにばらつきがある場合もあるようです。

◎世界大学ランキングでのレベル

世界大学ランキングにおいて、インド工科大学はまだ上位にランクされていません。2022年版のQS世界大学ランキングによると、インド工科大学の中でも最高位のIIT Bombayが177位、その他のIIT校も300位以内には入っていますが、世界のトップクラスの大学と比べるとやや低めの評価となっています。

一方で、QS世界大学ランキングの「IT・エンジニアリング分野ランキング」においては、IIT Bombayが51位にランクインしており、IT分野においては高い評価を得ています。

インド工科大学のレベルについての評価は、大学ランキングを参考にすることができます。世界的に有名な大学ランキングのうち、THE、QS、ARWUの3つのランキングで、インド工科大学は比較的低い順位に位置づけられています。ただし、IT分野では比較的高い順位を獲得しています。

具体的には、THEのコンピュータサイエンス部門で81位、QSの工学技術部門で最高順位は65位で、他にもいくつかの大学ランキングで上位に位置づけられています。ただし、総合的な評価としては、名門校と比べるとまだまだ改善の余地があるとされています。

★NIRFランキングについて

インド工科大学は、インドの高等教育機関の中でも最高峰の大学群であり、工学や理学、技術、人文科学など幅広い分野で教育・研究を展開しています。NIRFランキングは、このインド工科大学の中でも最も優れた大学を選定するための指標として位置づけられています。

NIRFランキングは、5つのパラメータに基づいて、大学の総合力を評価します。この5つのパラメータは、「教育、学習、リソース」、「研究と専門的実践」、「卒業結果」、「アウトリーチ（対外支援）と包括性」、「認識」です。具体的には、教育や研究における施設や資源、学生のキャリアアップや就職実績、社会との関わり方や国際的な評価、研究成果などが評価されます。

NIRFランキングにおいて、インド工科大学マドラス校が最も高い評価を受けています。マドラス校は、教育、研究、卒業生のキャリアアップ、国際的な評価、アウトリーチなど、多くのパラメータにおいて優れた評価を得ています。また、インド工科大学デリー校やボンベイ校も、総合力の高さから、インド工科大学の中でも優れた大学として位置づけられています。

このように、NIRFランキングは、インド工科大学の中でも最も優れた大学を選定するための指標として重要な役割を果たしています。また、インド工科大学は、高度な学術研究や技術開発によって、国内外で高い評価を得ている大学であり、今後も世界的に競争力の高い人材を輩出していくことが期待されています。

★就職力について

このランキングで評価された「雇用主からの評価」とは、卒業生が企業に就職した際の評価です。つまり、インド工科大学の卒業生が、企業にとって価値のある人材であることを認められているということです。

また、インド工科大学は、教育内容や研究成果が高く評価されており、その結果、卒業生のレベルも高いとされています。これは、企業がインド工科大学の卒業生を採用する際に、彼らが持つ高い技術力や専門知識に期待できるということを示しています。

さらに、インド工科大学は、インドの経済発展において重要な役割を果たしている大学のひとつであり、多くの企業が卒業生を積極的に採用しています。そのため、卒業生の就職率も高く、引く手あまたと言われているのです。

一方で、就職率が高いからといって、必ずしもその企業で働くことが成功を保証するわけではありません。卒業生が自分の能力や興味に合わない職種に就職してしまったり、適切なキャリアアドバイスを受けられなかったりすることもあるため、自分自身の目的や将来のキャリアビジョンを考え、自己啓発やキャリアプランニングにも力を入れることが大切です。

★輩出人物について

インド工科大学（Indian Institutes of Technology, IIT）の卒業生には、サンダー・ピチャイ氏やニケシュ・アローラ氏のように、ビジネスや科学技術分野で活躍する人材が多数います。

まず、サンダー・ピチャイ氏についてですが、彼は1972年インドのチェンナイで生まれ、インド工科大学カラグプル校でメタル工学の学士号を取得した後、アメリカに留学し、スタンフォード大学で修士号を、ペンシルヴェニア大学でMBAを取得しています。

彼は、卒業後マッキンゼー＆カンパニーに入社し、2004年にGoogleにジョインしました。その後、Googleのプロダクト開発に携わり、Google Chrome、Gmail、GoogleMapなどの開発に貢献し、2015年に43歳でGoogleのCEOに就任しました。

次に、ニケシュ・アローラ氏についてですが、彼は1967年インドのラックナウで生まれ、インド工科大学バラナシ校で機械工学の学士号を取得した後、アメリカに留学し、ボストンカレッジとノースイースタン大学で修士号を取得しています。

彼は、2004年にGoogleに入社し、営業・マーケティング戦略部門の最高責任者に就任し、その後、シニア・バイス・プレジデント兼CBOとなりました。2014年にソフトバンクグループに移り、2015年にはソフトバンクグループの代表取締役副社長とヤフーの取締役会長に就任しました。2016年にはソフトバンクグループを退社して、現在はパロアルトネットワークスのCEOを務めています。

以上のように、インド工科大学の卒業生たちは、グローバルな企業や機関でリーダーシップを発揮することが多く、そのレベルの高さが評価されています。