プロキシマケンタウリbは確かに有望な居住可能惑星として認識されていますが、地球から20光年離れているグリーゼ581dもまた、非常に重要な惑星として知られています。これは、グリーゼ581系第4惑星であり、ハビタブルゾーン内に位置しているゴルディロックス惑星の可能性が示唆されています。
この惑星を最も特徴づけるものは、それがすべて深い海で覆われた海洋惑星である可能性が高いことでしょう。しかし、前述した通りグリーゼは光の速さでいっても20年かかり、現在の航行法では30万年もかかってしまう遠方の惑星です。
また、質量が地球の7倍ほどあり、シンプルに地球の二倍ほどの大きさであるため、重力も同様に2倍ほどになると考えられています。また、グリーゼ581dの周りには3ほどしか惑星がないと考えられており、恒星から受け取るエネルギーも地球に比べて7割程度と少なくなっています。
このようなデータに基づくと、グリーゼに住むというのは全く想像できない話であることがわかります。
実は、グリーゼは581dが先に見つかったようになっていますが、もう一つ581gというモデルも発見されており、こちらもハビタブルゾーン内の星として知られています。そして、全面海洋で覆われている581dとは異なり、581gは岩石惑星であることが予測されています。そして、このグリーゼ581gは潮汐ロック惑星として知られており、恒星に対して常に同じ面を向けて公転しているため、惑星の一面は昼、裏側は夜という状態が永遠に続きます。
この潮汐ロック惑星はプロキシマケンタウリbという地球から4光年先にあるゴルディロックス惑星でも同様なことが起きています。また、グリーゼ581dは公転周期が67日であり、581gは32日と、非常に短期間での周期となっています。
ちなみに、581gの方は重力が地球の1.1から1.7倍程度であり、581dよりも地球に近い重力環境であることがわかっています。しかし、潮汐力による時点の固定が惑星表面の温度を灼熱と極寒に隔ててしまってもいるので、季節というものがありません。生命が活動維持していくには、その境界線であるエリアで過ごしていくほかないとみられています。
ハビタブルゾーンの中に位置する惑星はトランジット法やドップラー法などの惑星探索法の進化によって一気に進みましたが、実際に住める可能性が高いところはあまりないのではないかとも思ってしまいます。海洋しかないグリーゼ581dや、潮汐固定の581gはどちらもハビタブルゾーンにあると言いますが、その他の要因によってあまり住むには適さない星である気がします。また、これはプロキシマケンタウリbにも同じことが言え、地球から近いハビタブル惑星とはいっても本当に住めるのかどうかは別問題なのかもしれません。