火山爆発指数(Volcanic Explosivity Index、VEI)は、火山噴火の大きさや規模を表す指標の一つです。これは、火山噴火時に放出される火山灰、火山岩、火山ガス、火山噴煙などの量や高さ、形状、放出エネルギーなどを観測し、定量的に評価することで算出されます。
VEIは、0から8までの値で表され、それぞれの値は前の値の10倍の爆発的な威力を持つとされています。VEI0は、火山噴火がほとんど起こらない状態を表し、VEI1は比較的小規模な火山噴火、VEI2はやや大きな火山噴火、VEI3は中規模の火山噴火、VEI4は大規模な火山噴火、VEI5は超大規模な火山噴火、VEI6は巨大な火山噴火、VEI7は超巨大な火山噴火、VEI8は最大規模の火山噴火を表します。
VEIは、火山噴火の規模を比較的簡単に評価することができるため、火山災害のリスク評価や、火山活動の予測、防災対策のための情報提供に役立っています。また、VEIの値に応じて、火山噴火によって放出される火山灰や火山ガスの影響範囲や、地球規模の気候変動に与える影響なども評価することができます。
インドネシアにあるクラカタウ山は、VEI6以上の大噴火を起こした火山として有名です。ほかにも、スマトラ島にあるトバ湖なども有名ですが、西暦535年に噴火したクラカタウは、当時ジャカルタ付近に存在した文明を跡形もなく消し飛ばし、世界各地にその影響を与えたとされています。
世界の火山においては破局噴火というものがあります。英語でいうとスーパーボルケーノと言い、これは過去にも非常に少ないVEIが7以上の超大噴火です。これが起きると、近代国家を滅ぼすレベルだとされており、専門家からはおそれのまなざしで見られています。VEIが6以上の噴火になってくると、オゾンホールの減少、GDPの壊滅的減少、地球の平均気温の低下、日射量の低下などが起こり、発生地域から遠く離れた場所であっても影響を受けることになります。そんなスーパーボルケーノには、アメリカのイエローストーンやインドネシアのトバ湖、ニュージーランドのタウポ湖などがあり、基本的に人類がまだ出てきていない段階くらいで爆発しているので、もしそれに遭遇した場合、人類自体が長生きできるかどうかすらわかりません。もしかしたら、オルドビス大絶滅のようにいなくなるかもしれません。
破局噴火といわれると、そんな頻度で来ないと思うかもしれません。しかし、日本では破局噴火が近く起きてもおかしくないことがわかっています。日本においてはおよそ1万年から7千年周期で破局噴火が起きていますが、一番新しい破局噴火は7300年前の鬼界カルデラ噴火となっています。つまり、今の時点でいつ起きてもおかしくないということです。
破局噴火は非常に危険な自然現象であり、身を守るためには以下のような対策が必要です。
避難する
噴火の予兆が現れた場合、地元当局が指示する避難場所に移動する必要があります。噴火時には、火山灰、火山ガス、溶岩流、火山泥流などが降り注ぎ、危険な状況になります。避難場所に到着したら、指示に従って行動することが大切です。
避難時には防護マスクを着用する
火山灰や火山ガスを吸い込むことは、呼吸器系の問題を引き起こす可能性があるため、避難時には防護マスクを着用することが望ましいです。
安全な場所へ避難する
噴火が予測される場合、周辺地域から離れることが必要です。溶岩流や火山泥流が流れ込む可能性のある河川や谷を避け、高台などの安全な場所に移動することが重要です。
飲料水や食料を備蓄する
避難所に入った場合、しばらくの間、飲料水や食料が不足する可能性があります。備蓄しておくことで、噴火時に必要なものを確保することができます。
噴火に備えて持ち物を準備する
噴火が予測される場合、避難時に必要なものを身近に置いておくことが望ましいです。防護マスク、避難用の持ち出し袋、ラジオ、懐中電灯、予備の充電式バッテリーなど、噴火時に必要なものを身近に置くことが重要です。
噴火時は、地元当局の指示に従い、冷静に行動することが重要です。