分散型アプリデータ企業のDappRadarは、日本の企業であるPacific Metaと共同で、アジアと日本におけるWeb3ゲームの消費者行動を分析したレポートを発表しました。アジア市場でも、ブロックチェーン技術を活用したWeb3のゲームに対する関心が高まっています。この分野で大手のゲーム企業も、RPGゲームを好むアジアの文化的背景と相まって、大きな成長が期待されています。
アジアのゲーム市場は約17億人のプレイヤーを抱え、世界のゲーム人口の55%を占めています。年間売り上げ高は約9兆6,800億円を超えるとされ、東南アジアなどの発展途上国での経済成長により、ユーザーあたりのゲーム購買力が高まることにより、アジアの市場シェアは今後さらに拡大すると見られています。
アジアでは、中国、日本、韓国などの先進国がアジアのゲーム産業において大きな役割を果たしており、時価総額の上位100位のうち、62社はこの3カ国の企業だとされています。また、アジアでは特にブロックチェーン技術への関心が高く、Nexon、スクウェア・エニックス、セガなどのゲーム企業も自社IPにブロックチェーン技術を取り入れ始めています。
ブロックチェーン技術を活用することで、ゲーム企業はゲーム内通貨やアイテムなど、プレイヤーが売買できるゲーム関連のデジタル資産を作成し、配布することができます。また、同技術により、取引の安全性や透明性が確保されるため、ゲーム企業にとっては「魅力的な選択肢」だとレポートは指摘しています。アジアのゲーム市場では、戦略やアクションゲームが主流ではなく、RPGが好まれる傾向があり、RPGではゲーム内資産の作成や交換が行われるため、ブロックチェーン技術やオープンワールドを取り入れるのに適しています。
さらに、レポートは、アジアのWeb3ゲーム市場において、NFT(Non-Fungible Token)も重要な役割を果たす可能性があると指摘しています。NFTは、ゲーム内アイテムやキャラクターなどのデジタル資産を表すトークンであり、ブロックチェーン技術によりその所有権や取引履歴を確認することができます。
レポートは、NFTの使用により、ゲーム内アイテムやキャラクターを所有することができ、その価値を高めることができると指摘しています。また、NFTを使用した販売方法により、ゲーム企業は新たな収益源を開拓することができます。
最後に、レポートは、Web3ゲーム市場が成長するにつれて、プレイヤーのデジタルプライバシーとセキュリティーにも重点を置かなければならないと警告しています。ブロックチェーン技術により、プレイヤーの個人情報が漏洩する可能性があります。したがって、ゲーム企業は、プレイヤーのプライバシーやセキュリティーを保護するための対策を講じる必要があります。
このように、DappRadarとPacific Metaによるレポートにより、アジアのWeb3ゲーム市場が成長する可能性が高く、ブロックチェーン技術やNFTがその成長を推進する重要な役割を果たすことが示されました。
市場調査では、ブロックチェーンゲームに対する認知度はまだ40%に過ぎないものの、認知している人の約57%、認知していない人でも約49%がブロックチェーンゲームに好意的な意見を持っていることがわかりました。また、無料でプレイできることやゲーム内で報酬を得られることが魅力的だという意見が多く見られました。
レポートでは、日本のゲーム市場がWeb3ゲームへとシフトしていく可能性があると指摘しており、アジアの有名企業の事例を取り上げています。例えば、ソニーやバンダイナムコ、スクウェア・エニックス、セガなどがNFTやブロックチェーンを活用したゲームの開発や展開を進めています。
さらに、アニメをベースにしたNFTコレクションも注目を集めており、上位1000のNFTコレクションの10.73%がアニメ系だという結果が出ています。レポートは、この期間の30のアニメ系NFTコレクションを分析し、平均取引高や平均販売額などのデータを提示しています。
総じて、ブロックチェーン技術やNFTがゲーム業界にも浸透しており、Web3ゲームの時代が来ることが予想されています。