テクノロジー

脱インターネットへの憧憬

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  • gryption
  • 2023/02/23 04:04

1節. 再考と脳死


前回は、脱インターネットについて滅茶苦茶それっぽい言葉を使って書いてみたが、実際そうしたとしてもあまり脱インターネットしている実感はない。
一つのアイデアとしては、現在のテクノロジーは時間に比例してその価値を急落させているとし、これが古代の没落史観的だと述べて、やたらインテリぶって終わった。
しかし今回は同じようにインテリぶるのでは無く、完全にアホとして考えていきたい。というのも、いちいちそれっぽい言葉や喩えをすると一見わかりやすいように見えるが、実際はかなり伝わりづらいのではないかと考えている。例えば、数理的な専門用語とかクリプト的な専門用語、もしくは工学的な専門用語はそれぞれの分野ごとに指し示し内容が若干違っている。
それで新しいことを表現するのはかなり難しくもある。しかし、一方で天文学的な数字だけで語ったり、メタな概念を入れるだけでユニークさを醸し出すのもなかなかにユニークではない。
クリプト的な話に限定すれば、例えばイーサリアム関連の用語だけではそれ以外の領域で何が起きているのか分からなくなり、まるでグーグルのAI逆探知網の中に置かれたYoutube閲覧者のように、ホログラフィックな現実を生きていくことになってしまう。
脱インターネットはそういったホログラフィックリアリティから抜け出す手段を考えるわけだが、なんの知識もない状態でどのようにそれに向き合えばいいのか?個人的な処方箋の一つとしては、そう考えると八方ふさがりになってしまうようにも思えるので、相克するホログラフィックな現実を受け入れるというのが一つ目の手段かもしれない。
しかし、この場合例えば昨日よりも長くインターネットに居座るとか、基本的にデジタルな世界だけで生きていくといったようなことを念頭に置いていかなければ、メタに対抗することはできないようにも思える。しかし、それは本当に脱インターネットの近道なのか、という話である。私自身も2020年の初頭にコロナに出会ったわけだが、そこからというもの格段にインターネット、ないしはメタバース的なものに触れることが増えた。それのおかげで、普段あまりインターネットを使わない家族との対立は激化し、最近日本で見かけるような親子間の意見の食い違いみたいなものが多くなった。これは私だけかと思ったがそれは現在そうではないっぽいことが証明されているように思える。しかしそんなことはここではどうでもいい。今はむしろその逆で、インターネットをやめたい、できるだけネットから離れたいと考えているのだ。
何回も言ったかもしれないが、インターネットを脱する方法は、やめるか、狂うほどやって忘れるかのどちらかだろう。しかしそれは極端な論調でもあり、強制的に理論を捻じ曲げてやめましたアピールしても意味はないように思える。それが形而上的な文句になることは必至だからである。なので、できるだけマイルドな脱出ができればいいと思うのである。できるだけマイルドとは具体的にはどのようなことなのか。それは想像的に言えば、第一宇宙速度から少しだけ速くなって地球の重力圏から離れるといった方がいいかもしれない。
マイルドでない脱インターネットは、いわば第三宇宙速度くらいのスピードでの話になる。しかしそれは速すぎて対処できない。ここで、完全に何を言っているのかわからなくなったかもしれないので補足すると、インターネットを辞めると言っても、例えば様々なSNSのアカウントだったり、結局利用するサービスだったりするのが多すぎて、辞めるに値しないという側面がある。それが良くも悪くもYoutubeやPornhubなどの、ザ・インターネットにぶつかる原因でもある。
先程インターネットを辞めるには、それを完全に断つか、それにのめり込むかのどちらかであると書いたが、どちらが正解かはわからない。とはいえ、結局辞めるには麻薬依存から脱却するような処方箋がいるか、より麻薬に浸るかのどちらかしかない。それはかなり頭のおかしい話でもあり、圧倒的に極論でもある。
もしかしたら、脱インターネットに関して考えることは無意味かもしれない。それは、現在この記事を書いている自分が思うことでもある。他のNote記事を見て他のYoutube動画を垂れ流しながらこの記事を書いている自分自身がもしかしたら脱インターネットに関して考えることを放棄しているのではないか。そう思えることもある。
この次に2節が待ち構えているわけだが、若干この記事自体が自分の脳内の葛藤を描いたRPGのような展開になっているかもしれない。
 

2節. 仕事としてのインターネット


次に考えるのは仕事としてのインターネットだ。仕事とインターネットは、もはや結婚している。すでに仲良し夫婦のような関係だろう。この2つの概念がいきなり仲違いして疎遠になることは今のところ考えにくい。あるならばそれはweb3.0という浮気相手の出現か、それぞれがそれぞれに幻滅したときだろう。
しかし仕事がインターネットに幻滅する未来はあるのだろうか?ないんじゃないかと思える。なぜかといえば、人間という圧倒的結婚仲介役が多額の資金をその関係性に投じているからだ。仕事とインターネットはできちゃった婚ではなく、あらかじめ用意された血縁関係上の儀式のようにも思える。だから、基本的に離婚することは政局の混乱を招くだろう。
だから離婚できないし、インターネットと仕事は互いが互いの代名詞になり続けることになる。別段これは、インターネットを他のテクノロジーデバイスに置き換えても成り立つ関係だとも言える。
例えばインターネットではなく、スマホだったらどうか。スマホと仕事の関係は、インターネット同様結婚している。そこに疑いの余地はない。この2つを分離するには、時間を巻き戻すか、時間を進めるかのどちらかしか処方箋はないと言える。しかし大体の場合どちらも出来ない。
時間を進めようと思ってもそれをできる装置はないし、逆に巻き戻そうと思っても出来るのは仮想現実としてだけである。
インターネットはある程度まで発達するともはやインターでもネットでもないように思える。通信網だとか電網だとかいう呼び方はあるが、インターネットという社会インフラは今後とも社会インフラとして成り立っていくのだろうか?
原子力発電や蒸気機関のように過去の遺物になることは十分にある。そう考えて見れば余計に脱インターネットが意味不明な概念かもしれなくなる。
インターネットを概念としてではなく、ツールとして考えたらどうか。例えば、インターネットは仕事のための概念ではなく、仕事を行うためのツール、もしくはテクノロジーだと考えると、それはSNSのようなものとしてというよりも5Gのような通信技術的な意味合いが強くなる。ツールとしてのインターネットは同時にサービスのことを指し、例えばAWSだったりGCSだったりJavaだったりフレームワークだったりだろう。これは確かにツールだが、インターネットという概念というのは若干異なる。
このように、仕事とインターネットは非常に密につながっており、それを使わなかったり使いすぎたりして「逃げる」という行動を起こすことは非常にエネルギーが必要で疲れるようにも思える。では、どのようなアクションを起こすべきなのか。そこで、一つにカギになるのはモチベーションであると考える。脱インターネットは、インターネットから脱しようとすることが求められるが、これは継続的に脱しようとすることは非常に疲弊するだろう。それをしていないと、常にインターネット側への重力を食らうからだ。ではどうすれば、インターネットへの重力を無視できるような状況に自信を置けるのだろうか。
そもそもインターネットを脱するには、今インターネットにいる状態から抜け出そうとするというより、すでにインターネット外にいるという前提条件を設けた方が、モチベーションの向上につながるのではないかとも思える。大体やる気がないとは言うが、人間は解決したい側と防ぎたい側の両者の視点がある。それぞれ問題に対するアプローチは異なるだろう。つまりは、もともと自分は自由であると定義する手法である。
日本だと、かなり保守的な思想が優勢であり、どう考えても事態が起きてから対応するよりも起きる前に、「起こらない状態にしておく」ほうが特異な環境ではないかと思える。そういった視点でいえばインターネットから脱することを試みるよりも、すでにインターネットからは脱していて、インターネットに再突入することを防ぐための思考を身に着けた方が、事実上脱インターネットであるといえる。1節で脳死していたのは、もしかしたら、この考えがなかったからかもしれない。
 

3節. 上流的対処


次に、上流的な対処法に関して述べたい。これは、2節の最後で語ったような、もとから脱インターネットしている状況を考えて行動を起こす方法である。例えば、インターネットに接続できない状況を強制的に作るためにスマホを捨てるとか、インターネット上のあらゆるデータを暗号化して、パスワードを忘れるとか、いろいろ方法はあるかもしれない。しかしその中でも最も強力かつ有力なのは忘れることだろう。
インターネットという存在自体が頭になければ、インターネットに接続されることはない。しかしこれは同時に危険な思想でもある。なぜかといえば、それはほとんどの場合自分の内的要因だけで解決しようとしているからである。逆を言えば、自分の内的要因が悪ければすべてが崩れ去ってしまう。これほど危険な思想はない。しかし、インターネットを忘れるという最強の武器は、確かに重要でもある。それが行えればの話だが。
しかし、現在すべての条件がそろっており、あとは防ぐだけでいいといわれたらかなり楽になるのではないかとも思える。その場合、選択肢としては防ぐか、伸ばすかだからだ。そうではない場合、伸ばすという一択しかない。この時点でましであることがわかる。そして、そちらはインターネットという巨大な組織網に対してどのように対峙するかというのをかなり自分事としてとらえられるようになるので、頭が回る。
まるで異次元から世界を見下ろすように、インターネットをとらえられる謎の万能感にまで浸りそうなほどにだ。そんな具合で脱インターネットは、ここから亡インターネットになる。つまりは脱するのではなく、亡くす、忘れるという具合にだ。
とはいっても、上流的思考は賭けでもある。それがすでに起こっているということに関して積極的に受け入れる人は少ないかもしれない。こんなことを書いている私も、実際は上流思考と聞くと上級国民の思考法かと思ってしまう。しかし、これはだれにでもあるのかもしれないが、すでに得ているという状態を自分事としてとらえるのはなかなか理解に難しいようにも思えてくる。
実際、対となる下流思考は問題への対処、いわゆる問題の事後対応に重きを置いたものであり、まだ到達していないから、到達できるように頑張れというものである。しかし、これは発想を転換しないと理解はできないかもしれない。いくら頑張っても、上流思考には追い付かないだろう。なぜなら、上流思考は頑張るという言葉が辞書にないからだ。下流思考にはある。さらに理由を掘り下げれば、ひとつには上流思考が有益なものを実際にもたらすことを経験してきたかどうかが重要になる。
例えば、何かを未然に防ぐ例としては、「決済時の小銭が煩わしい」という問題に対して、電子決済を導入することがそれにあたるかもしれない。小銭は小銭入れが必要だが、小銭入れがなければ小銭は存在しない。また同じように、まっすぐに線を引かなければならない場合、ペンを固定させてスライドできるものがあればいい。
ではこの場合はどうか、地球がやばいので宇宙に行く。これは宇宙に行くことを強要される時点で下流思考になっていく。上流思考にする場合、これは地球上に宇宙を再現することだろう。そうすれば、すでに宇宙にいるわけだから、宇宙に行く必要はないと思える。脱インターネットも同じで、インターネットを破壊するしかないかもしれないがそんなことは不可能だ。だから、自分のインターネットを破壊すればいい。
一応自身のネット環境を消滅させることはかなり難しい話でもある。だから代替案としては、定義からの見直しというアプローチもある気がする。つまりは、インターネットは、何なのかを定義して、それをしなければ脱インターネットというわけだ。
 

4節. インターネットの定義について


インターネットの定義を軽くおさらいすると、以下のようになる。インターネット・プロトコル・スイートを使用し、複数のコンピュータネットワークを相互接続した、地球規模の情報通信網のこと
ヒーローはいらない。なぜならヒーローはもう悪人だからだ。こんな具合のような概念転換まではいらないかもしれないが、複数のコンピュータネットワークを相互接続した、地球規模の情報通信網という枠組みから外れればいいのではないかとも思う。
少し話をそれるが、例えば今、ペンタブレットがほしい、もしくはデジタルの絵を描きたいと考えているとして、どのようにこの欲望を打ち消すべきか。
デジタルの絵の利便性は高い。もしそれを欲しようものなら、一瞬でNFTにもできるしDAO参加の契機にもなる。次世代の資本家に慣れるかもしれない。若干気持ち悪いがこういったことを欲望として抱える。
そこで、絵を描くためのデバイスを考える。どうやって入力してデジタルゼーションするのか。それは紙によってか?それともスマホか?タブレットか?液タブか?フリクションノートか?VRか?ARゴーグルか?それともモバイルモニターか?いろいろと思いつく。
モバイルモニターなら、ミニpcを使えば結構スペースは取らないかもしれないが、それだったらVRでいいと思える。そして最も根幹的な部分として、なぜ書きたいと思ったのかである。
書きたい欲望さえなければペンタブはいらないし液タブもいらない。だけどそれがあるから欲するのである。基本的に人間は何かを欲するのかもしれないが、なぜかと言われればわからない。
それ本当に要るのか?といわれたときに、いるにきまってるか、要らないに決まってるかの二択しか想像できない場合この問題を解くことは難しいだろう。大体において、紙でいいじゃないかといわれればある程度納得する。その場合要らない派の人間だろう。紙に書いて、スマホでとって、PDFや画像ファイルとしてNFT化する。これで十分だ。しかし、デジタルデバイスで書かないとダメな人もいるらしい。なぜなら、デジタルデバイスではないと書けないからだ。
どういうわけか、デジタルデバイスがないと死ぬという常識が本当に流布していることもある。実際死ぬわけないのにだ。ちなみに私は上記とは違う欲求でタブレットを買った。今となっては、もしかしたら要らないかもしれないと考えている。
例えば、スマートフォンは便利だが、今実際に使っている用途先は決済機能がほとんどだ。だから、そのうち暗号資産のハードウェアウォレットが完備されれば、スマホも捨てる可能性が高い。個人的には、インターネットにつながっている意味は、それで稼いでいるかどうかで、他はないともとらえており、2022年からはスマホレス生活を本格化してもいいと考えている。実際スマホがなくても、タブレットですべての暗号マネーは動かせるし、スマホがいるのはフィアット電子マネーの取引字くらいだ。他は、スマホは必要とはしていない。タブレットで代用可能だ。しかしそのタブレットも、実際のところいるだろうか?VRやARゴーグルは、前者のデバイスの100億倍便利に感じるだろう。重かったり、グラフィックがいまいちだと感じるのは今だけだ。
間違いなく全員がそちらに移行する。そして、その次はハプティックデバイスだろう。いわゆる触覚に嗅覚だ。この領域までインターネット上に接続してくるとなると、もはや脱インターネットなど不可能に感じるかもしれないが、スマホが消える決定的な理由にはなる。そして、それらデバイスが、スマホに起因するインターネットの問題を内包しているかどうかは未知数だ。
もし内包してない場合で、スマホのインターネットが、広義のインターネットに等しいとするならば、脱インターネットはその時点で完了する。
同様に、インターネットの定義の一つである、地球規模の情報通信網という枠組みから外れれば、インターネットから外れたことにもなり、テクノロジーの進化が必ずしもインターネット化の推進ではないことも予想できる。あくまで予想ではあるが。
すると、今現時点でも、脱インターネットはできるんじゃないかというモチベーションが生まれてくる。しかし何度も言うが、いまだにそれは机上の空論状態である。
 

5節. web3.0と文明離脱速度


ここで少し、web3.0に浮いて述べたいと思う。まず、このweb3.0は分散的な情報網のことを指しているが、基本的な考え方がweb2.0といわれる脱インターネットの対象から異なっているため、web3.0に移行すればいいのではないかという視点もある。確かにそれはそうかもしれないが、それでは必ずしも脱インターネットできることになる。そして、脱インターネットしたとしても、結局インターネットを触っていることになる。
しかし、ここで留意したいのはまだweb3.0は社会実装されていないという点であり、それは蒸気機関車のような一部の人間だけが参画すれば成り立つものではなく、かなりの大人数が参加して成り立つものであるということかもしれない。
そう考えると、web3.0は、確かに脱インターネットにつながるのかもしれないが、別のインターネットにすぎない可能性もある。仮に現段階のインターネットが発展途上にある場合、素直に脱したとは言えないだろう。
しかしこうしたインターネットが普及することは、テレワークの推進だったり金融包摂だったりでいいこともあるように思える。一概に疑いまくることがいいとは言えない。だからジャックドーシーはブロックされるのかもしれない。
脱インターネットをweb3.0を含めても行おうとしている、これはクリプトを支持する側からしたら衝撃かもしれない。来る波といわれている次世代の暗号資産インターネット否定しているからだ。しかし、個人的には、それをすんなりと受け入れる方が意味不明だ。
なぜなら、それを使うのはweb2.0時代に作られた機械ではなく、人間だからだ。人間はかなり意味不明な存在で、平気で人を殴ったりけったりしても、次の日には忘れていたりする。しかし、覚えていたりする。こんなことは機械では無理だろう。そんなわけで、脱インターネットは、この人間的な側面がそちら側に向かっていることも示している。
最初に、脱インターネットについて、これから行うべきタスクのように書いたが、それは間違いで、実際はすでに脱インターネットの状態である。これは前節で述べた。そして、その状態から文明離脱速度へ達するまでがミッションかもしれない。文明離脱速度は落合陽一氏が用いた言葉として認識しているが、端的に言えばテクノロジーや人工知能にそれらの領域は任せて、それらから離れるためのエネルギーのような感じだろうか。
文明離脱速度は、私の考えでは第一宇宙速度とは異なる解釈をする。第一宇宙速度はまさしく地球重力圏から宇宙空間に飛び出していくときの最小速度だが、それ以上の速度を出さないと離脱できない。つまり、加速しなければならない。逆に、文明離脱速度は、遅くなるべきである。その速度よりも遅くなければ離脱はできないと考えている。なぜならば、文明が加速度的なものだからだ。これは解釈にもよる。
バスの運転手が昼ご飯を妻子と一緒に社内で食べたら懲戒処分になった。これはいったいどう考えるべきなのだろうか。個人的には文明離脱速度に当てはまる事例かもしれない。別段意味のある行為ではないが、それを否定された例だ。日本ではこういうのが多い気がする。無意味に、共生を排除しているようにも見える。
脱インターネットは、同時に文明離脱とでもいうべきかもしれない。現段階で文明というのはほとんどが機械化して人工知能などにとってかわられるだろうとされている。しかし時期が悪い。産業革命は、いきなり起きたわけではない。アメーバのように、いたるところで、名もない数多くの人間の活動の末起きたものだ。それと同じように文明から離れるときも徐々に徐々に、わからないほど遅いスピードで離れていく。
そしてそれは、一日一日の、すべての人類の活動の総和で決まってくる。なので、非常に気付きにくいし、気づいても意味がない。あるのはコミュニティであり人間だけで、別にそれがインターネットを脱するならば、何時でもできるだろう。しかし、その速度は、ロケットなんかよりも想像を絶するほどに遅いだろう。遅すぎて千年杉も枯れるほどにだ。
200年かけて成しえた産業革命の結末はもしかしたら1万年かけても戻らないかもしれない。しかし、1万年後には戻る。骨董品は1000年以上は残るかもしれないが、1万年以上残るのは何だろうか。
そんなことを考えると、インターネットが残っているか、どうとらえるべきなのか再考しなくてはならない。
 

6節. かっこよくなるな


脱インターネットを始めるには、間違いなくやらなければならないことは、陳腐化を受け入れることだろう。つまり、カッコよさや利便性を求めてはいけないことを一度考えるべきで、そういった領域がこの世にあることを理解することが重要である。
一体何を言っているのかわからないかもしれないが、これはFeelである。人工知能などに関したロジカルシンキングは語っても受け取る側が受け取れないという問題がある。そういう意味ではFeelな問題かもしれない。全く持って関係ないが、日本では以外にもテクノロジーが発達していない。これはもしかしたら、ある程度人間側が手綱を引いている状況といえる。
一方で中国やほかの先進国はどんどん機械化を進めているところもある。すべてではないが、そう考えると、その欠陥が以外に功を奏す可能性は否定できない。
超高性能なシステムを前にしたとき、アランチューリングのようにマシンバトルを仕掛けられるだろうか。個人的にそれはできる気がしない。しかし、猫のように、というかなんとも言えないどうしようもなさを兼ね備えていれば、スーパーマシンが出てきても折衷できるだろう。人間とAIの折衷である。でもこれは、それについてどうとらえるかにかかっている。
かっこよくないスーパーマシンは、どう使うかという問題もある。しかしそれはそれほど重要でないかもしれない。暗号資産もそうかもしれない。でも暗号資産はまだセーフだ。そこまで危険な感じはしない。だって、ただの暗号だもん。後ブロックチェーンもあるが、それはAIほどやばくはない。しかし、AIはAIで、意外にもスーパーではないこともある。
AIも雑魚である。スーパーストリングセオリーを考えるような人類に比べれば、だ。
しかしかっこよくなりたい気持ちはわかる。でもそれは、どんなかっこよさだろうか、どんなかわいさだろうか。ランボルギーニのような厳つさか、いやそれはない。ランボルギーニは非常にハイパーな車で、見るものも乗るものもかっこよくなってしまう魔力を持っているが、個人的にはもう少しダサくてもいいと思うこともある。
例えば、ベアリングである。ベアリングはただの部品だというが、一応すごい。ベアリングは回る。それも無限に回る。しかも現実的に質量をもつ。もしかしたら、ニュートリノを使ったマシンに使われるかもしれない。しかし電子的なデバイスは使えない。ベアリングの勝利だ。
極めつけはキノコだろう。キノコは菌糸によって繁栄するが、生き物として捉えるには少し面白い特徴があるらしい。それは、キノコの大きさは、その生殖圏全てにまたがる。つまりは菌糸が及ぶ範囲全て一体のキノコとして捉えるらしい。すると基本的に生物単位に関する常識が秒速で崩壊する。
キノコとはなんだろうか。これに関しても、様々な知見があり、キノコの活動はまるで現代社会人が電気的コミュニティを形成している状況にも似ていると言っている。
そうすると、現代の最小生物単位はスマホということになる。何ということだ。心臓ではなく、電子デバイスが心臓だとでも言いたいのかわからないが、キノコは、面白い特徴を持つと言える。
 

7節. 文明を諦める


これに関しても前節に似た内容になるかもしれない。しかしここでは、それとは別の考えかもしれないと気づくだろう。
いきなりだが文明は、すでに諦めなければならない段階にある。諦めるは、字で見れば悲しさがあるかもしれないが、明らめることの意味もあるらしく、忘れ去ることに近い意味を持っているらしいい。
諦めが早い人にとっては朗報だが、いきなり文明を捨てろと言われても意味がわからない。たしかに、文明さえ捨ててしまえば、インターネットからは自ずと離れるのではないかとも思える。
ここで言う文明とは、文字をベースに成り立つ人間感の交流とテクノロジーの発展のある状態のように捉えてもらえればいい。そう考えれば、インターネットは別に関係ないかもしれないと気づく。割りかしそれは当たっているところもあり、インターネットが文明の利器ではないと捉えるのもあながち正当ではないように思える。
すると、別に文明を離れても脱インターネットはできないんじゃないかとも思えるだろう。しかし、それは先に述べたような文明離脱速度を下回ってとしてもできないのだろうか。今では、あらゆるところで脱成長やダイバーシティを促す取り組みが行われているが、それは最終的には現代文明へのアンチテーゼであり、先ほど述べたようなかっこの良さだけを追求する資本主義型のモデルから、少し退屈だがサステナブルな未来を創る志向を歓迎する人々は少なからずいるようである。
私自身は、暗号資産という一大ムーブメントの興隆を傍目にしたからか、少しばかりこの脱成長ということの意味が分からないこともあった。実際文明化が加速すればそれはそれでインターネットのような問題だらけの穴から抜け出せるんではないかと考えていたからだ。しかし、実際それ以外の方法としては、それとはまったく逆のアプローチもあるようで目からうろこが落ちた。


終節. マルチバースと多世界と脱出イデオロギー


ここでは一貫して脱インターネットに関して、多少奇怪な目線で知りえている範囲内での駄文を書いたが、実際1節で何を書いているのかはあまり覚えていない。少なくとも脱インターネットに関して非常に躍起になっていた気もするが、それはここ、終節でも変わらない。そして、たとえそのような脱出イデオロギーを従順に守り、脱インターネットを成し遂げた明日があったとしても、その未来ではまた新しい何かが待ち受けている。

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テクノロジーとどのように付き合っていくのかという問題は今に始まったことではない。そもそもこの脱インターネットを掲げた理由は、インターネットのエコーチャンバーな偏りや、端的な飽きからくるものでもある。私は非常に飽き性な性格なので、大体度のコンテンツも持って1か月程度だ。あの原神やBTS、そしてクリプトに関するフィーバーも大体一か月くらいで見切っている。というのもそのくらいすると新しい話題が飛んでくるからだ。
今日もインターネットを駆け巡り、まったく脱出する気のない行動を繰り返しそうな感じを覚えるが、それは上記に述べた思考法や実践などで解決していくほかないと思われる。しかし、この脱インターネットが情報収集の弊害になりきわめて不可能に近いと思ったとしてもこれだけは言えるだろう。
「ツイッターはそこまでよくはない。」
別に創設者が嫌いだとかシステムがいまいちだとは思わないが、そこにある程度の人口が集まり、中途な意見交換や情報が飛んでくるものは意見すると便利なようにも見える。しかしそれは同時にあまりにも平凡に見えることがある。暗号資産の情報もツイッターだけでは到底理解しきれない上に、確かにそれは便利だが、安住していては面白くはない。いずれこのNoteも消え失せることがあるだろう。まるで諸行無常な宇宙のようにである。
多世界解釈については様々な知見はあるものの、やはり現行では量子力学に基づいたものが最も有力だといわれている。そして、それは様々な要因で分岐したブランチとしての世界線が確率的に生まれる泡の宇宙で説明がつくという。現在の世界というのは量子的な確率解釈の帰結の一つであって確かに存在はしているかもしれないが理論的なアプローチしかされておらず、人間がこの世界を多世界の一部であると認識するということに関する証明は一切ないらしい。
今までビッグバンが存在し、奇跡のような連続でこの宇宙が成り立っていると思われていたが、その解釈は大幅に誤りで、量子的な確率論から現在が存在しているという、ごく当たり前的に思える論理が宇宙の姿であるという説が有力なのはいったいまだそれが黎明期だからであろうか。それとも、そんな絶えず水の流れが変わっていき、また元通りになったりならなかったりする、カオスで無常な世界観が真実なのか、不明ではあるが明日も脱インターネット活動を継続していきたい。

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