かわいい赤ちゃんだよ。かわいいね。
クリスマス明けから記事を書き始めたけど、今日までずるずる引っ張っちゃったよね。
いつもの通り、記事の99%は無料部分だし、ALISを使っても大したことは書いていないから、有料部分は気にせず読んでね。
2019年はげきどうの1年で、転居をともなう転職により、たのしくもせわしない日々が続きました。東京をはなれ地方に移り住んだ弊害として、歩く習慣がなくなり、すくすく元気に、8ヶ月で4kgほど脂肪を蓄えることとなりました。産まれたときは3000gだったので、およそ2倍以上の増加にあたります。人間は、歳をとるだけ駄目になるのです。
そんな年末の折、前職の同僚から「転職先が決まった」旨の連絡がありました。なんでも、ぼくが3月末に退職してから連鎖退職ラッシュが起こっており、3割ほどの人員がすでに職場を去ったか、現時点で去ることが決まっているとのことです。
一方で、来年春に入社予定の社員は6〜7年ぶりの「0人」だそうで、なんだか無自覚に組織崩壊の口火を切ってしまったような気持ちになりました。
わかりやすく例示すると、4月1日の時点で下記図1の通り表されていたチームが、
12月1日の時点で、図2のように減衰したことになります。
チームを率いる立場として考えると、マジで吐きそうな状態です。
興味深いのが、単一部門だけに留まらず、すべての部門で満遍なく退職者が出てしまっている点です。たまたま退職の先頭を切ったのが自分というだけで、遅かれ早かれこのような状態になっていたのかもしれませんが、それにしてもひどい辞められ方です。ほんの一昨年まで、新卒向けアピールポイントとして「3年以内離職率の低さ」を掲げていた組織とは思えません。
たぶんどこかにクリティカルな病巣があるな、と思うので、今後ぼくがつくっていく組織によくない文化を持ち込まないよう、改めて何が悪手であったのか考えてみることにしました。
春先の転職エントリ内で赤ちゃんの取り上げた「退職理由」のひとつに、下記内容のルール化によるフィット感の低下がありました。
・上長/部門飛び越え不可の縦割り制度を導入
・紙+印鑑ベースの書類提出文化の強化
・情報共有レイヤーの厳格化
・下限に寄せた性悪説ベースの管理体制
(その他、レベルが低すぎてここに記載するのも躊躇われるような諸々が複数)
代表のワンマン企業からピラミッド型の「組織」へと移行していくステップアップの過程で噴出する問題として、「30人の壁」や「50人の壁」という概念があります。
赤ちゃんの前職は、役員もまるっと含めて30人〜50人のあいだの組織でしたので、両方にフォーカスを当てて話したいと思いますが、ルール化の前後において、30人の壁の原因とされる「体制の整備不足」と、50人の壁の原因とされる「管理者の能力不足」の、双方の兆候が見てとれるような状態でした。
前の職場の皆さんも、整備には取り組んでいたのですが、組織のボリュームに対して冗長と考えられる整備をやりすぎていたように感じました。
たとえば30人に満たない組織であった頃から、稟議書には5名の印鑑が必要で、且つ申請が降りるまで2週間以上、ときには1ヶ月を超える時間を要したりという、図体のおおきな組織であるかのような振る舞いを良しとする風潮がありました。
赤ちゃんの退職の2年ほど前からその流れが加速し、
・情報共有レイヤーの厳格化による社内情報格差の拡大や、
・性悪説による管理体制の強化、
・「上の人間/下の者(原文ママ)」で区分される縦割りコントロール文化など、
仔細まで挙げればきりがないのですが、下記URL内の記事に挙げられた""オワコン組織""の特徴すべてに当てはまる特徴をもち、またそのすべてが相互に絡みあって、異形の化け物となっている状態でした。
個人的にはこちらのほうが病巣が深かったのですが、体育会系気質のある企業に管理の精神が注入された結果、必要以上の上意下達文化が育ってしまっていました。
たとえば「自分のプロセスの前工程や後工程はどのようになっているのだろう」と考えた新任の部下が、仕事のおおまかな流れを上司に尋ねてみると、
「どうして知る必要があるのか」
「上の言うことだけをやっていればいい」
という返答が当たり前のようになされてしまう組織でした。
「上の言うことだけをやっていればいい」が支配的となることによるモチベーションの低下については、下記の記事などが有名かと存じます。
また、前職の代表は「イノベーション」や「多様性の尊重」という単語を頻繁に口にしていましたが、上述したように、末端に知的な越権を許さない文化であったうえ、代表の持つビジョンを現場レベルに落とし込みながら下まで流していくという機能を全く持たない管理職者がそれぞれの部門を統括していたため、組織全体にどこか暗く活気のないムードが漂っていました。
管理者たちの口癖はきまって、下記のようなものでした。
「会社とはそういうものだから」
「組織とはそういうものだから」
「仕事とはそういうものだから」
また、中小企業によくいると言われている「便利なツールやテクノロジーを用いた業務改善を毛嫌いし、手書きや精神論などの非効率を以て仕事と見做す」人間についてですが、迷信的な存在ではなく、実際に権力を持った形で実在していました。
多くは語りませんが。
とはいえ、「①のように心地よいと言えない制度のなか、②のような乱暴な管理者のもとで働いている」と仮定したとき、在職時も退職後も精神疾患による休職者がとても多かったことや、赤ちゃんの支店が復職の際の駆け込み先として機能してしまっていたことを思い出すとともに、心身のバランスを乱す人がいてもおかしくないなという妥当感もあるわけで、上記①②が文化として定着してしまっていたことは全く素敵なことではないな、と感じるのでした。
赤ちゃん自身が良い管理者かというとそうではないですし、マネジメントというものに決まりきった正解もないと思いますし、あまつさえ「人が辞めない組織」がゴールではないのですが、現職でも、来年度からふたたび拠点管理を行なうこととなりそうです。
そのなかで、前職で体感した事例を踏まえて、これから一緒に働いてくれる人たちに何ができるのか、どうしていくのか、という話なのですが、括りとしてはベンチャー・スタートアップの類であって、たくさんのおおきな企業と待遇合戦で殴り勝てる規模の法人ではないので、それならば先ずは働く人それぞれが「ここで働き続けよう」と感じる理由を提供できるよう努めたいと考えています。
この人は何に重きを置いていて、
今後どのように働いていきたくて、
それはこの組織だとどのように叶えることができるのか。
だれもがその実力を遺憾なく発揮できるような事務所になるとよいな、と思っています。
遅ればせながら、これが2020年の抱負となります。今年もいい一年になるといいね!