感想文二回目です。前回すでに50ALiSいただいています。
よろしくどーぞ。
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本のデータ
「数学ガール」結城浩 SBクリエイティブ
「数学ガールを読んで」
数学が好きなのは孤独です。数学を勉強してるときって、わくわくして胸を躍らせることや、とてもきれいな宝物を発見して嬉しくなるってことが頻繁にあるんです。けど誰ともそれを分かり合えない。
どうやって解いたらいいのか全く見当がつかない問題を、考えて考えて解法を捕まえた瞬間に見える世界、それはまるで何も見えない宇宙の暗闇をハッブル宇宙望遠鏡で観察したら、実はそこにはいろんな色をした宝石みたいなたくさんの銀河が散らばっていたってことを知ったときと同じなんです。その世界の美しさと感動を誰かと共有できたらいいのだけれど、その思いを誰かと分かり合えたことなんて一度もないです。
家族も同級生も先生も誰一人わかってくれない。勇気を出して学年で一番数学ができるあの子に話しかけたけれどわかってくれなかった。数学の先生ですらわかってくれない。何時間も考えなきゃ解けない問題なんてテストに出ないからかな。数学が好きなのは孤独です。
本書の主人公の男の子は、趣味が放課後の図書室で一人で数式を展開することという、相当に孤独な少年です。高校が舞台で女の子が2人登場しますが、物語はひたすら数式を解くだけで何のイベントも起きません。しかも本書は小説なのだけれど、文章よりも数式のほうが多いという数学に興味ない人からしたら恐ろしくつまらないお話です。
でも、だからこの本のいろんな場面で感動して胸を震わせる度に、「自分は数学が好きな人たちの特別なグループに属してる」って思えるんです。その思いが私に孤独を感じなくさせる。その思いが私をさらに数学に夢中にさせる。
数学ってかっこよくて、おもしろくて、興奮して、感動して、心をときめかせるものなんです。
それが少しでもわかるってひと、あなたはきっとこっち側の人です。この本のおもしろさがわかる特別なグループの一員ですよ。そんなあなたに絶対おすすめします。