ふと、あの場所に行きたくなったので、行ってきました。
私の心安らげる場所、三菱第一号美術館。都会的ビルがそびえたつその合間に、静かに、重厚にその存在を放つレンガ作りの建物。中にはいれば木の凛とした空間に廊下が続き、窓から差し込む日差しがほの暗い空間を優しく照らします。
今はフィリップスコレクション会期の真っただ中。静寂と優雅さをまとった館内にはアメリカのコレクター、ダンカン・フィリップ氏が選びに選び抜いた名画が並べられています。
コロー、モネ、マティス、ロダン、ピカソetc。
巨匠の絵は見るものの心に語りかけてくるよう。この絵を描いた時はこんな気分だったんだよ、と。
ここは写真可能な展示室。古びたレンガの壁が時の流れを知らせてくれます。
ほの暗い室内と対照的に、日差し溢れる外の風景。陽の光はこんなにもやわらかくてあたたかいものなんだということを肌で感じることができます。
コツコツコツ
歩くとヒールの音が共鳴し、響きあい、広がって、また耳にとどく。
なぜだろう、この空間は、この建物は私をとても懐かしいような、せつないような、なんとも言いようのない気持ちにさせるのです。
外は晴れ。
また近いうちにこの空間へ会いにこよう。