
親しい友人、涼子さんのお宅でコーヒーをいただき帰ってきました。コーヒー専門店のオーナーをしていらしたこの方が淹れてくださるブルーマウンテンのコーヒーはいついただいても美味しいのです。
この涼子さん、御年はなんと88歳のご婦人。そう聞いて皆さんが想像したこの方のイメージはどんな女性でしょうか?
きっと実際にお会いしたらびっくりすると思います。おそらく想像とは、まったく違うでしょうから。
とにかく涼子さんはいつどこでばったり会ってもおしゃれ。
メイクもネイルもファッションも完璧で、表参道や銀座で歩いているのがぴったりなファッショニスタなんです。今日もビビッドなスカイブルーのニットにイヤリングは真っ赤なジュエリー、そしてリップもジュエリーに合わせて今日は真っ赤でした。
お外でばったりお会いする時なんかは豹柄のコートにサングラスだったりピンク色のファーのコートに黒いパンツを合わせていたりして、派手な色使い、柄でも不思議とぴったりご自分に合うようコーデされているので脱帽です。
イブサンローランがお好きなので、そのブランドが主軸なのですが、基本お洋服はZARAやDHOLIC、ユニクロ、H&Mなどプチプラ使いの上手なこと!
ヘアスタイルはベリーショートのシルバーグレーだったりピンクだったり月数ヶ月でいろいろな色をしてるのですが、どれも涼子さんにぴったりで。
「私おしゃれするって本当に大好き。だって女に生まれたんだもの。だから思いっきり毎日メイクして楽しいわ」
これが涼子さんの口癖。
そして女優だった女性としての生き方の1つ。
そう、涼子さんはもともと女優さんでした。
だから昭和の大スター、石原裕次郎さんや三國連太郎さん、名前は出せませんが財界の大御所の方々とも面識があり、20代の頃は毎日で銀座で遊び、過ごしていたそうです。
涼子さんはお話していてとっても楽しい。時間があっという間に過ぎてしまいます。私も育児があってなかなかお会いできない時は電話がかかってきて電話で少しお話ししたり。
私が夫のことや子供のことで悩んでいたらその波瀾万丈(本当にドラマのような波瀾万丈な人生なのです)な人生から学んだ人生哲学をアドバイスしてくれる心強い方。
涼子さんがよく言うこと。それは・・・
ということ。
女優になるため小学校、中学校、高校を通して演技、モダンダンス、ジャズ、クラシックバレエ、日本舞踊と毎日お稽古の連続だった涼子さん。どのお稽古も厳しく辛かったそうです。当時の女優はきれいさ、かわいさだけでは必要とされず、演技のお稽古とセットになって時事問題の授業もあったりでとにかく教養が必要だったそう。
そして演技のお稽古の時に先生が「馬鹿なふりは馬鹿な人間にはできない。なぜなら馬鹿だから。賢い人間は馬鹿なふりをして過ごすことができる」といったことがのちのちの人生に大きく役立っているのだそう。
例えばご主人と喧嘩になった場合。涼子さんは自分は馬鹿になって「私こんなことも私わからなくって。ごめんなさい」と言って馬鹿になる演技をするのだそう。そするとご主人も「そっか、わからなかったんだな」とそれで腹がおさまるしお互いそれ以上ヒートアップしないという。
また昔から容姿の点で同性からやっかみや嫉妬が多くあったそう。とくに業界では女性同士のそういうのがはげしく、いろいろ嫌なこともあったのだとか。
そういうときでも馬鹿なふりをしてやり過ごす。
すると相手の女性は拍子抜けしてやっかみがなくなるのだそう。
だから何か感情的になりそうな時は相手と同じ土俵にたっちゃだめ。
自分は馬鹿なふりをしてやり過ごすー
そして相手がそれでひいたなら自分の勝ち。顔には出さず、心の中でベーっと舌をだしてやればいいのよ。一緒にヒートアップしてはだめ。
そう言ってにっこりコーヒーを飲む涼子さん。
なるほど・・・
一緒に話すたびにいろんな人生哲学がでてきて、それはそれは面白いのです。
いつか涼子さんの波瀾万丈な人生について、書き綴っていこうと思います。