書名 全米一の投資システム分析家が明かす「儲かるシステム」 究極のトレーディングガイド
著者 ジョン・R・ヒル、ジョージ・プルート、ランディ・ヒル
監修 長尾慎太郎
訳者 関本博英
発行 パンローリング
ページ数 400
ジャンル 投資
投資に関する情報、ノウハウがごった煮のごとく詰め込まれている本です。ごった煮と書いたのは、記載されている順番が整理されてないと感じたためです。1章でチャートパターンの解説があり、2章にエリオット波動の解説が来て、3章でまたチャートの説明に戻るというよくわからない進行となっています。前に読んだ「システムトレード 基本と原則」ではエリオット波動は占星術と一緒だと書かれていましたしbotではチャートを読めないので、私はこれら3章までは読み飛ばしました。実はところどころに大事な文章が埋め込まれている(わざと?)ので、読み飛ばしは良くないと後で知りました。9章がさあ始めようとなっており、これもどうかと思います。
4章からはトレンドの重要性、チャネルの考え方が出てきます。本書では、トレンドに沿った投資を勧めています。つまり、順張りです。逆張りは難しいと書かれており、これには私も納得しています。
著者がいろいろな投資法をテストして、良い成果が得られた方法ベスト5を載せています。それは以下です。
1.ドンチャン・チャネル・ブレイクアウト
2.移動平均のクロスオーバー
3.短期のボラティリティに基づくオープニング・レンジ・ブレイクアウト
4.S&Pのデイトレード
5.パターン認識
4位のS&Pというのは米S&P500種株価指数(SPX)に採用されている株ということですね。デイトレード手法そのものは記載はありませんでした。5位のパターン認識は、チャネルのブレイクアウトやクロスオーバーをパターンとしてとらえることを意味しており、実質1位から3位までに含まれます。
私はbotでドンチャン・チャネル・ブレイクアウトと移動平均クロスオーバーを試してみました。どちらも、上がり続ける、下がり続ける相場で大きな威力を発揮します。ただし勝率は低く、どんどん負けますし次に大相場がいつ来るかわからないので私には精神的に良くありませんでした。
著者は投資システムの分析・テストが本業なので、こういう手法だとこれくらいのリターン、ドローダウンがあるとまとめてくれており大変役に立ちます。話の流れが今一つな点はあれども、オススメの本です。少ないながらも、RSIやボリンジャーバンドなどのインジケータに関する記載もあります。
私の心に響いた部分は、以下です。
・複数のインジケータを併用しても意味はない。やっていることはあまり変わらないのだから。
・過去の相場でうまく動くトレードシステムができても、将来の相場でうまく機能するとは限らない。同じ相場などないのだから。
・エントリーの研究と同じくらい、クロージングの研究にも力を入れなさい。
・投資家は新しい手法に目が行きがちだが、古くからある手法も悪くない。その手法が生き残っているだけの理由がある。
しばらく技術的な面白さもあって機械学習に目を奪われていましたが、本書を読んで昔からある手法も悪くないと思いました。私は逆張りをうまく機能させられなかったので、今後は順張り・トレンドフォローを追究していきます。
以上