新型コロナウイルス感染拡大防止のため、日本政府は2020年2月27日、全国全ての小中学校や高校に3月2日から春休みに入るまで臨時休校とすることを要請しました。健康を第一とした措置と理解します。休校開始までの準備期間が短いですが、それだけ緊急度が高いということでしょう。もっと早く休校にしても良かったとの声があります。残念な点は全国一律で休校を要請したことです。
全国一律の休校は画一的なルールを押し付ける公務員感覚や、皆が一緒でないと動かない日本人の集団主義が露骨です。多様化した21世紀には相応しくありません。感染のリスクが高い地域にピンポイントで休校を要請することはできなかったものでしょうか。ピンポイントの対策は対象となった地域に風評被害が起こると問題視されますが、全国一律で休校や自粛になる方が国民の負担は甚大です。
たとえば東京都杉並区和田の立正佼成会附属佼成病院で入院中の80代の男性患者は2020年2月18日に新型コロナウイルス感染が確認されました。この患者は渡航歴や感染者との接触歴がなく、感染経路が不明です。杉並区や患者の居住地は2月18日の時点で休校を決定しても良かったと思います。この患者の居住地は明らかにされておらず、Twitterなどでは住民から不安の声が出ています。情報が公開されないと「なるべく避ける」という自衛ができなくなります。
自治体の中には3月2日以降も自治体内に感染者がいないことなどを理由に通常通り授業を行うところもあります。全国一律の強制ではなく、あくまでデフォルト休校の要請と捉えるべきです。地域の実情に応じた対応は好ましいことです。一方で通常授業の自治体でも家庭レベルで欠席させる判断がなされたら、それを尊重することが多様性の尊重になります。欠席による不利益を及ぼすべきではないでしょう。