テレビドラマ『パリピ孔明』が2023年9月27日に放送を開始しました。第1話は「天才軍師孔明が渋谷に転生!音楽コメディー開幕」です。諸葛孔明が死後に現代日本に転生して、無名歌手をプロデュースします。四葉タト原作、小川亮漫画『パリピ孔明』の実写ドラマです。
ドラマは中国語で始まります。三国志の時代のシーンは中国語で話されます。漫画とは異なる実写ドラマの現実味の出し方です。現代日本のシーンでも孔明が計略を語る時は中国語になります。孔明の頭の中では中国語が自然なのでしょう。
孔明は現代文化の呑み込みが早いです。孔明は「才能は学習の結果身に付く」と言います。勉強は大事です。バーテンダーの仕事から会計まで難なくこなします。漫画では一コマで手が高速に動いているギャグ描写でした。ドラマでは実際に複数の客にカクテルを作って提供し、クレジットカード会計では暗証番号入力時に後ろを向くところまで演じています。孔明役の向井理さんはバーテンダーの経験があります。
孔明とパリピという対極的な組み合わせのギャップが面白さになる作品ですが、孔明像に合っているかは賛否があるでしょう。半グレ・ヤンキー文化を嫌悪する向きは読まず嫌いになりがちです。実際のところ、ハロウィンの渋谷のバカ騒ぎを地獄と表現しますし、英子は真面目で、それほどパリピという感じではありません。ドラマでは落ち着いた曲が多く、一層パリピという感じではなくなりました。アゲアゲな歌ではなく、聴かせる歌を歌います。
英子は酔い潰れた孔明を泊めて、スマホを貸すなど十分に優しいですが、実写では孔明へのツッコミは冷たく感じます。漫画の英子はギャルっぽい言葉でボケに対するツッコミが成立していました。漫画の台詞と現実の人間との相違です。その代わり、孔明が軍師になると宣言するシーンは漫画以上に感動的になりました。
オーナー小林は漫画よりも派手です。漫画では三国志オタクに加えて初登場時に囲碁をしており、渋いところがありました。第1話の最後には前園ケイジが登場しました。ケイジとの対決までドラマでやるのでしょう。公式サイトの相関図では「小林とは切っても切り離せない因縁があり」と説明します。ドラマ独自の要素が描かれそうです。
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