こんにちはhikarumです。
普段は、海外SF・ミステリ小説、人文・理系・テクノロジー系の教養書を多く読みます。
今回、紹介するのは先月読み終えた
です。
https://books.rakuten.co.jp/rb/11538935/
めちゃくちゃ面白いです❗️
(↓ALIS内での記事です)
https://alis.to/hikarum/articles/3Xm0A7xY1A8w
完全こえました(個人の感想)
ここ数年では
(↓ALIS内での記事です)
https://alis.to/hikarum/articles/anLEl66J4N78
に比肩するかな💦
このレベルの本を文庫でよめるのはお得ですね❗️上下巻で少し長いですが💦
話の大枠としては
何故、西欧列強がアフリカ、アジア、アメリカを征服できたのか?
その逆はあり得なかったのか?
そして、その原因はまさか民族・人種の優劣ではないよね?(→違います‼️)
具体的には
少数のスペイン人達が
何故、インカ帝国やアステカ帝国を征服できたのか?武器が最新だったから、だけ?
その原因を人類史や文明の起こり(さらに、植物学、生物学、気候、言語学などなど)から考察しています。
どこにアドバンテージがあり、違いが出来てしまったのか、みたいに。
前置きはこの辺として、
かなり大雑把ですが、1番大事なこの本のエッセンスとして
では、(ざっくりでごめんなさい💦)順番に本の考察を紐解いていくと
①どこが始まりやすかった?
としては、
ユーラシア大陸に
人類が比較的品種改良しやすい穀物(麦や米)の野生種が比較的多かった
…発祥の地の代表としては中東や中国
同様に、牧畜に適した(改良しやすい)動物もユーラシア大陸に多かった
勿論、ユーラシア大陸以外にも農業や牧畜は存在したが、この大陸が1番バリエーションがありなおかつ、拡散しやすかった。
②どこへ伝わりやすい?
答え
→南北に長い大陸より東西に長い大陸の方が、気候の影響を受けにくいので、特に農業が伝播しやすい(発芽条件だったり)。
具体的には
・ユーラシア大陸は東西に広がり有利(南北にも広がるが色々な伝播のルートがありうる)
・南北アメリカ大陸は南北に長い、加えて、熱帯パナマをこえにくい(そもそも、あまり農業に適した植物がいない)、実際、とうもろこしの栽培はあまり伝播していない。
・オーストラリア大陸は乾燥が強く、欧米人が穀物を持ち込むまで、土着の植物では農業は不可、また、原住民が大型哺乳類を絶滅させているので、牧畜も難しかった。
・アフリカ大陸
サハラ砂漠で南北に分断され、農業も牧畜も伝わりにくい。地中海側のアフリカはむしろヨーロッパ・アジア圏といえる。
例えば、中央アジアで生まれた農業や牧畜が、
何百年かけてイングランドまで伝わり、後発ながら文明が起こる(ユーラシア大陸はこのパターンで文明が起こり相互に影響を受けやい)。
③ アドバンテージとは?
・農業など、生産性があがれば、農家以外にも職人など色々な専門職を養える、そこで新しい技術や文化が生まれる。
・また、首長社会から国家レベルまで発展する可能性を持つ。
・牧畜の使役動物により、農耕を効率・拡大化出来る(牛で耕す、みたいな)。
・農業または収穫物を中央が管理するため文字が生まれる
(もしくは、他の地域の文字を流用できる)
牧畜により、人と家畜が野生の状態より近くで共存するため、
などの家畜由来の病原菌が発生するが耐性を持てる。
(他の地域を征服するとき、知らず知らず、この病原菌が強い味方になる。)
(例)
少数のスペイン軍が新大陸を征服する時、
新大陸(アメリカ)では家畜由来の病原菌の耐性が全くないので、
ユーラシア大陸由来の伝染病がスペインの軍隊より早く(勿論、原住民を媒介として)
そして、軍隊が殺したより遥かに多くの人が伝染病で亡くなる
(地域によっては70から90%の人が… 勿論、スペイン人はそんなことは意図してなかったが)
ハワイやオーストラリアの原住民に対してもほぼ同じ結果
また、反対に、
熱帯地方の病気(マラリヤなど)にヨーロッパ人には耐性がないので、植民に苦労する場合もある。
・その他、色々アドバンテージ
他、詳細について気になったら是非読んで見て下さい。
最後に、
この本の裏テーマとして(エピローグとして最後にしか触れてませんが)
歴史学についてです。
実は私は、大学で歴史学を専攻してた(20年前)ので、なんとなく伝わるものがあるのですが、
基本、歴史学は文献を読んだり
文字資料を研究するのが基本です。
(なので、文字以外を媒介として研究する考古学や文化人類学とはアプローチの仕方が違います。)
この本の裏テーマは
そういった、従来(2022年では、もっと多様でしょうが…)の歴史学だけでなく
歴史科学
(歴史➕
植物学、動物学、気象、言語学 etc…この本では触れてないですが、今の時代なら、AI、アルゴリズム、ビッグデータ、統計学など…)
にもっと触れて、積極的に取り入れるべきだ
というのが、筆者の考えだったと思います。
視点を広げるだけでなく
視点をどこに置くか
みたいな感じでしょうか。
今回は長くなりました。
読んで頂けたら幸いです。