結婚式の余興で「脱ぐ」なんてのは最後の最後の手段にしてください。
大勢で高砂の横、つまり前に出てきてハダカネタなんて、やめてください。
出オチの余興は時間の経過とともにオーディエンスの「面白い」という感情を奪い、「恥ずかしい」という感情を増幅させます。
大勢で前に出て、ネタや寸劇をした場合、
グダグダで、「次、お前じゃね?」とか小声で言うのはみっともないのでやめましょう。
オーディエンスの皆さんはそれを見て笑ってらっしゃいますが、「笑っている」のではなく「苦笑している」ということに気づきましょう。
余興でスピーチや漫談や芸をするにあたって、カンペを持ってやるのはやめましょう。
結婚式の余興は数か月前に打診されているはずなので、人前に立つなら、ちゃんと覚えてオーディエンスに向かって話をしましょう。
言いたいことは、
「それ、新郎新婦に失礼だぜ」
ということです。
僕は結婚式、二次会の余興の経験回数は両手では足りません。
チームで立つこともありますが、ピンで立つことも少なくありませんでした。
たかが余興、されど余興、で、ネタは完璧にしたうえで臨みます。
そう、余興は新郎新婦のために全力でやらねばなりません。
したがって、準備も完璧にしないといけません。
新郎新婦はあなたにパーティの大事な時間を渡して、列席のみなさんに楽しい時間を提供したくて、あなたに余興をお願いしたのですから。
だからこそ、その思いに応えるべきなのです。
でも、余興って何すればいいのかわかりませんよね。
まず、余興を依頼された場合は、自分を分析しましょう。
なぜ、依頼されたのか。
どうやれば、新郎新婦と列席者を、自分らしく楽しませることができるのか。
何を期待されているのか。
歌がうまい人は、十八番を歌うべきでしょう。
楽器ができる人は、やはり十八番を演奏するべきでしょう。
とはいえ、悲しい歌や音楽を演じるわけにはいかないので、
その場にふさわしい演目を選び、それが十八番になるよう練習をしましょう。
余興を依頼されてから当日までは十分に時間があります。
練習すれば十八番になります。
その努力は新郎新婦は気づいてくれます。その努力を見たとき、友人としてのアナタに感動するのです。
友達でよかったと思ってもらえるのです。
歌がうまくない人は、楽器を演奏できない人は、どうすればいいかって?
同じことです。特技からアプローチしてください。
ダンスでもいいです。空手の演武(演舞?)でもいいです。
歌や音楽のように、コンテンツ自体をおめでたいものにできる場合は苦労しませんが、おめでたいことにつながらない特技なら、それをおめでたいもしくは楽しい方向へ持っていけばよいのです。
例えば空手なら。
瓦を割るだけなら何にも面白くありません。
「あの人、何しに出てきたの?瓦割るだけ?」と空気を読めない武闘家と思われます。
では、どうすればいいか。
例えば、あるあるネタと組み合わせる。
空手の型と合わせつつ、
「浮気の虫には、【正拳突き】!」
「亭主関白には【回し蹴り】!」
「喧嘩をしても、最後は【礼】!」
と落とせば、拍手喝采です。
例えば、書道なら。
地べたに半紙を広げて、「愛」って書いたって、ちっともおもしろくありません。
「あの人、何やってんの?」とTPOがわかっていない書道家と思われます。
では、どうすればいいか。
例えば、地べたじゃないところに書くだけで違いがでます。
新郎新婦と背格好の似た男女の友達二人を巻き込んで、
その二人に白Tシャツを着てもらいます。
それぞれの背中に、「今年の漢字」ばりにアナタの達筆で
男子のほうには「アンチエイジング」、
女子のほうには「浮気厳禁」
と自慢の達筆で書いて、新郎新婦にプレゼント。
最後に、「お互い、相手の来ているTシャツの背中を見て、自分を律してください」
なんて言えば拍手喝采です。
有名な芸人がやってるネタをそのままやってみたり、
有名な歌をちょっと替え歌してうたってみたり、
オリジナリティのない余興は列席者の目に移す価値もありません。
新郎新婦は、「アナタらしさ」を期待しています。
だからこそ、
余興を依頼されたなら、
準備期間はたくさんあるのですから、
「自分だからこそできる」オリジナリティあふれる余興を考えてください。
【余興をお願いされたら】
①まず、「ご指名を光栄に思う」「誇らしく思う」こと。
②式当日まで時間はたっぷりある。だからオリジナルネタを考える。
③ネタは「自分の特技」からアプローチする。
④「結婚」「おめでとう」に関わるオチをつけられればベスト。
⑤しっかり練習する。
これ、実はなかなかできません。
でも、できるはずです。
僕らは芸人ではないので、日々ネタ作りをしなければならない、
ということはありません。
だから、「この1本」と思って、余興に取り組んでください。
そう、余興のために多くの時間と労力を割くこと(おカネは割かなくてもいい)、
それは、一生の友人のために時間と労力を割くことと同義なのです。
もしあなたが新郎、もしくは新婦なら。
そんな力いっぱいの余興をしてくれた友人への感謝と尊敬を再認識しませんか?
そしてその友の姿勢に改めて感動しませんか?
「彼(彼女)と親友でよかった」と。