“「さて、こんどはもっとうまくやるわ」とつぶやいて、まずは小さな金色の鍵をとって、お庭につづくとびらの鍵をあけました。”
引用元:不思議の国のアリス
金色の鍵、偶然にしか動かない時計、おかしななぞなぞを解くためのレース、名前も顔も持たない大工たち。不思議の国からのおとぎ話のように聞こえるが、これらは全部、ビットコインの世界の日常の出来事である。
第2章で説明したように、現在の金融システムの大部分はシステム的に壊れている。アリスのように、我々は今度はなんとかうまくいくように願うことしかできない。しかし、偽名の発明家のおかげで、今回の我々をサポートしてくれる驚くほど洗練されたテクノロジーを、手にしたのだ。ビットコインである。
徹底的に分散化され対立する環境で問題を解決するには、独自の解決策が必要となる。この奇妙なノードの世界でないなら、あらゆることは解決できる些細な問題に過ぎなくなるだろう。ビットコインは、テクノロジーのレンズを通してみた場合には少なくとも、ほとんどの解決策を強力な暗号に依存している。この暗号がどれほど強力なのかは、次のレッスンのいずれかで説明する。
暗号が、ビットコインが権威の信用を取り除くために利用するものである。中央集権的な機関の代わりに、システムは我々の宇宙の最終的な権威である、物理学に依存している。しかしながら、いくつかの信用の粒はまだ残っている。この章の2つ目のレッスンでは、こうした粒も検証して行く。
後半のいくつかのレッスンでは、間違いなくテクノロジーそれ自体と同じくらい重要なビットコインの技術開発の精神を探る。ビットコインは、携帯電話の次なるキラキラしたアプリなどではない。新しい経済的リアリティの基盤であり、それこそがビットコインが核クラスの金融ソフトウェアとして取り扱われるべき理由である。
この金融、社会、そしてテクノロジーの革命の中で我々はどこにいるのだろうか?過去のネットワークとテクノロジーは、ビットコインの未来のためのメタファーとして役立つかもしれない。これに関してはこの章の最後のレッスンで説明される。
もう一度、ベルトを締めて搭乗を楽しんでほしい。あらゆる指数関数的テクノロジーと同様、我々も放物線を描いて飛ぼうとしている。