いまいち明るいニュースの少ない仮想通貨市場のなかで、業界を盛り上げようとする動きがいろいろなところでおこなわれています。
先日、Binanceが「Binance DEX」を使ったコンテスト開催を公表し、BNBの価格上昇と相まって盛り上がりを見せていますね。
このコンテスト、あの億ラビットくんさんが独自トークンOCRYBIT($OCB)を上場、あのはるか先生が独自トークンHARUKAを上場申請ということですから、これは参加しないわけにはいきませんよね!
(2019年3月9日追記)はるか先生の「HARUKA」も上場しました!
ブロックチェーンの開発は地道かつ広範に進んでいるので、仮想通貨へのネガティブなイメージの転換は大切だなと思います。
台湾でも、仮想通貨へのイメージは必ずしも芳しいものではありませんが、ブロックチェーンを含めた関連イベントはいろいろとおこなわれています。
今回は、台湾各地で開催中、もしくはこれから開催されるイベントの情報をいろいろと目にしましたので、ひとつの記事として書き留めておきたいと思います。
・MithrilがAPIを使ったハッカソンを開催!
・新北市と高雄市でブロックチェーン関連のミートアップが開催!
・2019年はミートアップの開催も増える?
台湾の経済紙「經濟日報」が2019年3月5日に掲載した記事によると、ブロックチェーンを活用した「ソーシャルマイニング」を掲げている台湾の「Mithril(秘銀)」が、2019年4月27日〜28日の予定で、MithrilのAPIを使ったハッカソンの開催を公表したそうです。
Mithrilの公式ウェブサイトには、ハッカソンの特設ページが設置されています。
ハッカソンのページによると、Mithrilが公開している「Information API」、「Mining API」、「Donation API」を使って、「Web App」、「Mobile App」、「Dapps」の開発を競うということのようです。
Mithrilについては、以下の記事も含めていくつか記事を書きましたが、「ソーシャルマイニング(社交挖礦)」と呼ぶ、独自トークンのMITHを介したSNSサービスの提供を軸としていて、Binanceも含めた取引所への上場も積極的に進めています。
蟻巣ジョシさんが使用感も含めた詳細な記事を書かれている「PiePie(拍拍)」という動画配信アプリもリリースされていて、一定のユーザー数を確保しているようです。
ハッカソンで開発されたサービスは、Mithrilの創業者の黄立成さん、Mithrilの技術開発を担う「AMIS」のエンジニアである陳昶吾さん、「取引手数料ゼロ」を打ち出して注目されている仮想通貨取引所CobinhoodのCTOの黄偉寧さんなど、台湾のブロックチェーン業界で名前の通っている人々が審査をするそうです。
優勝賞金は25万台湾ドル(約92万円)+10,000MITHで、2位と3位、および特別賞にも賞金が出るようです。
1MITHはBinanceの2019年3月8日現在のレートで約0.00001BTCですから、10,000MITHは0.1BTCですから、今のレートだとオマケのようなものかもしれませんね。
3月11日までエントリー可能ということですから、どのくらいのエントリーがあるか楽しみです!
ハッカソンは技術開発に関わることができる方々が集うイベントですが、ブロックチェーンに関心のある人たちに向けたミートアップの開催も台湾各地でおこなわれています。
台湾の経済紙「工商時報」が2019年3月7日に掲載した記事によると、「台灣觀光發展協會」という団体が新北市政府のミーティングスペースで「観光産業ブロックチェーンデジタル経済フォーラム(觀光產業區塊鏈數位經濟論壇)」を、今年3月11日に開催するそうです。
台湾のイベント情報・チケット販売プラットフォーム「Accupass」に掲載されたフォーラムの情報によると、ブロックチェーンと旅行業、ブロックチェーンメディア、AIとブロックチェーンの結合といったテーマで行われる3名の講演を中心としたプログラムになっているようです。
台湾では、「ブロックチェーン×観光」というトピックは、地域経済の活性化というテーマと重なって注目されている分野です。
このフォーラムは新北市から始まって、高雄、台中、桃園、台南、台北という都市を回っていく予定をしているようです。
次の開催地は高雄市ということになっていますが、その高雄市では3月5日に「ブロックチェーン×IoT」をテーマとしたフォーラムが開催されました。
台湾の「台湾新生報」が2019年3月7日に掲載した記事によると、台湾のIoTに関する業界団体である「台湾IoT協会(臺灣物聯網協會、TIOTA)」が、高雄市で「2019年国際(高雄)ブロックチェーン+IoTデジタルエコノミーイノベーションフォーラム(二○一九國際(高雄)區塊鏈+物聯網數字經濟創新論壇)」を開催したそうです。
今回のフォーラムを主催したTIOTAについては以下の記事でも触れましたが、中国で創業された「SDChain(六域链、SixDomainChain)」と提携して、IoTとブロックチェーンの融合の実現に向けて、具体的に動き出しています。
実際に、今回のフォーラムでもSDChainのCEOである潘劭齊さんが登壇し、「SDChainとCo-Chainコミュニティの成果と発展(SDChain和共鏈社區成果和發展)」というテーマで講演したそうです。
Co-Chainというのは、以下のSDChainの公式Mediumの記事によれば、「ブロックチェーンによる集合協同技術(一種區塊鏈的集群協同技術)」だと説明されています。
ここに掲載されている説明図を見る限りでは、DApps間をシームレスにつなぐブロックチェーン技術であることがうかがえますが…詳しいところはまだよくわかっていません^^; すみません…
こうした技術的な講演も含め、一日開催されたフォーラムには台湾内外から500人を超える聴衆を集めたということです。
こうしたイベントの動きが日々、台湾の一般的なマスメディアで報じられている様子から考えると、ブロックチェーンへの関心は日に日に高まっているのかもしれませんね。
台湾は2018年に「ブロックチェーン元年(區塊鏈元年)」を迎えたと言われるほど、ブロックチェーンを活用した技術やサービスの開発が進められるとともに、そうした動きが少しずつ多くの人々に知られるようになってきました。
そうした時期を経て、2019年にはさらに技術開発が進むとともに、多くのユーザーが日常生活のなかで、特に意識をせずにブロックチェーンに触れるようになっていくことが期待されています。
先日、HTCが開発したブロックチェーンスマホ「EXODUS1」の法定通貨での取り扱いがスタートしましたが、こうした動きもブロックチェーンの社会実装のひとつとして捉えることができるかもしれません。
2019年がそのような時代になっていくためには、ブロックチェーンを身近に感じることができる機会というのが一層大切になってくるように思います。
そのひとつの機会として、ここに挙げたハッカソンやフォーラムなどのイベントを位置づけることができるかと思います。
こうした動きにも注目しながら、台湾のブロックチェーンの動向をコツコツと追いかけていきたいと思います!