2018年5月から毎月1回公表されることになっている、CCID(中国电子信息产业发展研究院)による「Global Public Chain Assessment Index(全球公有链技术评估指数)」の第10回リストが、2019年2月26日に公式ウェブサイトで公開されました!
今回は新たに「TRON(波场)」がリストアップされ、全部で35のパブリックチェーンが評価対象となっています。
知名度の高いTRONがまだリスト入りでしていなかったのは意外な感じがしましたが、それだけに上位に入ってくるのではないかと予想していました。
以下、過去の評価と合わせたリストを、総合評価、および総合評価を構成する3項目のスコアも合わせて挙げておきます!
・CCIDのインデックスについて
・第10回パブリックチェーンアセスメントインデックス
・3つの評価の変遷
・評価開始からもうすぐ1年…
過去のリストと評価基準などについては、これまでの記事を以下にまとめてあります。
また、今年初めに公表された2018年の総括記事には、CCIDの評価基準について解説されていますので、合わせて読んでいただければ嬉しいです!
本リストの発信元は「CCIDブロックチェーン研究所(赛迪(青岛)区块链研究院)」で、リストは公式ウェブサイト「CCID赛迪区块链」に掲載されています。
詳細は上記のウェブサイトを見ていただくとして、以下、今回のスコアと順位を、過去5回(2018年9月〜2019年1月)の総合評価と過去の順位(丸括弧内に明記)を加えてまとめましたので、画像として貼り付けておきます。
(前回記事から、スペースの関係上、最新のスコアと過去5回分のスコアのみを並べる形で掲載しました。2018年5月〜8月までの分については、上に挙げました過去記事のリストをご参照ください)
予想通り、今回リスト入りしたTRONはEOSに続いて高い評価を受けています。
前回の第9回リストではスコアを下げたプロジェクトが多くありましたが、今回は一転してスコアを上げたものが多く見られました。
大幅なスコア上昇が見られたのは、12位のNANOが前回より12.2ポイント、19位のVergeが8.6ポイント、11位のQtumが8.5ポイント、13位のBitcoinが8.2ポイント上昇となっています。
これら4つのパブリックチェーンは、すべて過去最高のスコアとなっています。
対照的に、スコアが大幅に下がっているのは、23位のIOTAが前回より8.6ポイント、29位のHcashが6.2ポイント、26位のEthereum Classicが5.2ポイント下落となっています。
IOTAとHcashは前回のスコアがやや高めに出ていて、平均値に戻った感じですが、Ethereum Classicはやや下落傾向が目立ちますね。
今回は高スコアのプロジェクトが多くなっていますが、過去のスコアと合わせてみると、上位3つ(EOS・TRON・Ethereum)が抜けていて、そこからほぼ10位までが上位グループ、11位〜24位ぐらいまでが中位グループ、25位以下が下位グループという傾向が継続しているかなと感じます。
上に挙げた総合点のリストは、「Basic-tech(基础技术水平)」、「Applicability(应用层级)」、「Creativity(创新能力)」という3項目の評点を合計した点数に基づいたものになります。
以下、それぞれの項目についても、過去5回分の評点と合わせたリストを挙げておきます。(それぞれの順位は第10回の評点に基づいています)
①Basic-tech(基础技术水平)
②Applicability(应用层级)
③Creativity(创新能力)
これら3つの評価の総合評価に占める割合は、①65%、②20%、③15%と設定されています。
この点から考えると、①Basic-techのポイント変動が総合評価に大きく影響するのですが、今回はNANOとEthereum Classic以外は、③のCreativityの変動が総合評価に影響しています。
実はこの傾向は、前回の第9回りストの時にも見られました。
③の項目については「継続的な開発状況」を主に評価しているとされていますので、このインデックスでは1か月間の開発の進展状況が総合評価に影響を与えているという傾向があるのかもしれません。
このあたり、もう少し継続的にスコアの変動を見ていけば、よりはっきりと評価の傾向が見えてくるかもしれませんね。
2018年5月に第1回のリストが公表されて以降、毎月1回、継続的にスコアが公表され、今回で10回目のリスト公開となりました。
前回の記事にも書きましたが、CCIDはこのスコアを、長期的な視点からパブリックチェーンの開発状況を位置づけようとしていることがうかがえます。
1回ごとの評価は短期的な開発状況の進展が影響しているように見えますが、長期的な「パブリックチェーンの技術的な実現レベル」を示す「Basic-Tech」の評価に主眼が置かれていることからも、こうした姿勢を見いだすことができます。
TRONのように新しくリスト入りしたパブリックチェーンについても、これからのスコア変動を見ていくことで評価の傾向をうかがうことができると思います。
もうすぐ1年、12回分のスコアが出揃ったときにどのような傾向が見出せるのか…
もう少し継続的に、評価の動きをコツコツと追いかけていきたいと思います!