2018年5月から毎月1回公表されることになっている、CCID(中国电子信息产业发展研究院)による「全球公有链技术评估指数(Global Public Chain Assessment Index)」の第9回リストが、2019年1月24日に公式ウェブサイトで公開されました!
これまではスコア発表の1週間前にリストが公表されていたのですが、今回は突然スコアが発表されたので…油断していました^^;
今回も、過去の評価と合わせたリストを、総合評価、および総合評価を構成する3項目のスコアも合わせて挙げておきます!
・CCIDのインデックスについて
・第9回パブリックチェーンアセスメントインデックス
・3つの評価の変遷
・継続的な評価に向かって…?
過去のリストと評価基準などについては、これまでの記事を以下にまとめてあります。
特に、今年初めに公表された2018年の総括記事には、CCIDの評価基準について解説されていますので、合わせて読んでいただければ嬉しいです!
本リストの発信元は「CCIDブロックチェーン研究所(赛迪(青岛)区块链研究院)」で、リストは公式ウェブサイト「CCID赛迪区块链」に掲載されています。
詳細は上記のウェブサイトを見ていただくとして、以下、今回のスコアと順位を、過去5回(2018年8月〜12月)の総合評価と過去の順位(丸括弧内に明記)を加えてまとめましたので、画像として貼り付けておきます。
(本当は2018年5月の1回目からまとめておきたかったのですが、そうすると一枚のリストにまとめることが難しくなってきましたので、2018年5月〜7月までの分については、過去記事のリストをご参照ください)
前回からリスト入りしたOntologyは、スコアはほぼ変わっていませんが順位がひとつ上がって3位となっています。
今回は全体的に、前回のスコアから下落したパブリックチェーンが多く、1位のEOSが9,1ポイント減だったことをはじめ、17位のArk(9.9ポイント減)や29位のZcash(7.8ポイント減)など、大幅なポイント減が目立ちます。
他方で、13位のIOTAと18位のDash(いずれも9.7ポイント増)、24位のHcash(9.0ポイント増)などはスコアを上げていて、相対的な順位も大きく上昇しています。
スコアを上げたパブリックチェーンのスコアはいずれも過去最高値となっていて、評価が上がってきていると言えるのかもしれません。
CCIDによる以下の解説記事には、「ベスト10は前回のベスト10のリストと完全に一致している(前10名与上一期前10名名单完全一致)」と言及しています。
EOSとイーサリアムが抜けていますが、1位〜10位が上位グループ、11位〜23位のCardanoぐらいまでが中位グループ、24位以下が下位グループという傾向になってきているようで、評価が固まりつつあるのかもしれませんね。
上に挙げた総合点のリストは、「基础技术水平(Basic-tech)」、「应用层级(Applicability)」、「创新能力(Creativity)」という3項目の評点を合計した点数に基づいたものになります。
以下、それぞれの項目についても、過去5回分の評点と合わせたリストを挙げておきます。(それぞれの順位は第9回の評点に基づいています)
3つの要素それぞれのスコアを全体のスコアと照らし合わせながら見てみると、ポイントが上がったIOTA、Dash、Hcashのいずれもが、「③创新能力(Creativity)」のスコアを大幅に上げています。
先に挙げた、CCIDによる2018年の総括記事によると、③の項目については「継続的な開発状況」を主に考察の対象としているということですので、これらのパブリックチェーンはこの1か月で、開発に大きな進展が見られたと評価されたようですね。
最後に触れたCCIDの2018年総括記事では、それぞれの評価項目の評価基準が一部公表されています。
評価基準についての詳細は先に挙げた記事をご参照いただくとして、大きなポイントだけを抜き出すと…
①「基础技术水平(Basic-tech)」:「パブリックチェーンの技術的な実現レベル」
②「应用层级(Applicability)」:「実際的なアプリサポートの総合的なレベル」
③「创新能力(Creativity)」:「継続的な開発状況」
といった要素を中心に評価をしているということです。
この評価基準を基に考えてみると、直近の変化に影響が出やすいのはその時々の開発状況を反映する③であり、①と②は継続的な開発の結果として実現されている到達点を示しているといえます。
ですので、今回の評価結果のように、毎月のスコア変化では③の数値が大きく影響しているように感じますが、大きな流れで見れば①と②のスコアが定着した評価となっていくのかなと思います。
配点割合としては、①が全体の65%、②が20%、③が15%なので、CCIDとしては長期的な視点からパブリックチェーンの開発状況を見通す方向で、このインデックスを位置づけているのかなと感じます。
そう考えると、インデックスのスコアはもっと長いスパンで継続的に見ていく必要があるのかなと思いますので、これからもコツコツと情報を追いかけていきたいと思います!