台湾発の仮想通貨取引所についてはこれまでもいくつか記事を書きましたが、2018年は「區塊鏈元年(ブロックチェーン元年)」と呼ばれるように、仮想通貨取引所の動きも活発化していて、いろいろな動きが生まれています。
特に、台湾を代表する二大仮想通貨交換業者と呼ばれている「BitoEX」と「MaiCoin」は、立て続けに仮想通貨取引所である「BitoPro」と「MAX」を開設し、顧客獲得に激しい競争を繰り広げています。
また、台湾で生まれたアジア初の分散型取引所であるスタービットは、先般開かれていた「COMPUTEX TAIPEI2018」で新たな取り組みについて公表しています。
今回は、活発化する台湾の仮想通貨取引所のタイムリーな動きを少し書き留めておきたいと思います。
・台湾の二大取引所に「TRX」と「MITH」が上場!
・スタービットはDEXのグローバルアライアンスを作る?
・取引所はローカルもグローバルも熱い!
台湾では今年に入って、「MAX」と「BitoPro」という、大手交換業者が運営する取引所が立て続けに開設されています。
とりわけ、「BitoPro」は開設前に、運営会社である「BitoEX(幣託)」がICOを実施し、わずか26時間のうちに6億台湾元(約23億円)の資金調達に成功したことで話題になりました。(僕もこちらに記事を書きました)
台湾を代表するこのふたつの取引所で、「TRON(波場)」のトークン「TRX(波場幣)」が上場されました!
「MAX」は2018年6月6日に、「BitoPro」は6月7日に、台湾元との取引を開始しています。(MAXのお知らせはこちら、BitoProのお知らせはこちら)
「TRON」(公式ウェブサイト)は日本でも注目されているので、日本語で読める情報がたくさん出ていますからここで補足するようなことはないのですが、台湾でもさまざまなサービスとの連携がすでに実現しているプロジェクトとして注目されています。
たとえば、中華圏に多くのユーザーをもつストリーミングSNS「陪我(Peiwo)」や、ライブアプリ「Uplive」との連携が取り上げられたり、
あるいは、シンガポール発のシェアサイクルサービス「oBike」との提携により、「oCoins」という独自トークンを発行することで、サービスの利便性を向上させようという取り組みがニュースになったりということもありました。
また、MAXには既に上場していた「MITH(秘銀幣)」が、BitoProにも上場されたことが、上記の「TRX」の上場と同時に発表されました!
「MITH」は、台湾発の「分散型ソーシャルネットワーク(去中心化的社交網絡)」構築を目指している「Mithril」というプロジェクトが発行するトークンです。
すでにブログアプリ「Lit」が開設されていて、これからのサービス拡大が期待されているプロジェクトなんです。
いずれも日本では上場されていないトークンですけれど、台湾では今後の発展が強く見込まれています。
たとえば、MAXでの「TRX」上場は、経済系ニュースサイト「鉅亨網」でも報じられています。
二大取引所での上場、しかも台湾元との取引が可能になったということで、ますます価値向上が期待されているようです!
上記ふたつの取引所の動きとは別に、台湾発の「分散型取引所(DEX,DecentralizedExchange、去中心化交易平台)」である「スタービット(STARBIT🄬、思達比特)」は、9日まで開催されていた「COMPUTEX TAIPEI2018」で新たなプロジェクトを発表したようです。
(スタービットについては、以下の記事を書いています)
台湾の経済紙「經濟日報」のウェブサイトに掲載された記事によると、スタービットは全世界のDEXの賛同者に対して、スタービットが開発したソフトウェアやハードウェアを無償提供する意思があることを公表し、そのことを通じてDEXの「全球聯盟(グローバルアライアンス)」を構築することを目指すと明かしたそうです。
スタービットはこうしたプロジェクトを実現することにより、DEXが直面する取引容量(訂單池)の問題を解決することを目指しているとしています。
記事によれば、すでに著名なDEXである「ERC dEX」などから問い合わせがあるとのことです。
加えて、記事には「Ninjo Trade」からも問い合わせがあると書かれていましたが、これは、著名な取引ツール「Ninja Trader」の間違いでしょうか…
いずれにしても、他のDEXからアプローチがあるということが本当であれば、スタービットも少しずつ世界的な知名度が上がっているのかなと思いますし、新たなプロジェクトを打ち出すことで、さらに活動範囲を広げていこうという姿勢が感じられますね!
日本でも仮想通貨取引所の動き、取引所をめぐる動きは、仮想通貨界隈だけではなく、経済的・社会的にもいろんな意味で注目を集めるようになってきています。
それは良くも悪くも、社会のなかで仮想通貨の存在が認知されるようになってきたということの証拠でもあり、そこからまた新たな動きが生まれてくるということの予兆でもあるのだと思います。
台湾でも、仮想通貨取引所の動きが少しずつ報じられるようになってきていて、その注目度は日ごとに高まってきていると感じます。
それが仮想通貨・取引所に対する注目だけで終わるのではなく、ブロックチェーンという新しい技術への注目に広がっていくのではないのかなと思います。
そのために、記事で挙げた取引所の動きというのは、業界の「フロントランナー」の動きとして非常に重要なものだと思います。
ローカルな動きもグローバルな動きも、出来る限りコツコツと追いかけていきたいと思います!
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