こんにちは。
㈱REGATEの金城です。
本日のテーマ
という壮大なテーマです。
でも不動産業を営むにあたって絶対避けられないテーマですよね。
私なりに色々と聞き齧りながら検証したのですが全国と比べると沖縄は特殊な市場になりそうです。
もうだいぶ前から年金問題、高齢者の福祉問題、介護士不足、働き手の減少などなど
少子高齢化によって様々な問題が起きることがネットやニュースで騒がれていますよね?
このコラムの中でAIやVR、5Gなどのテクノロジーによる不動産業界の変革の予想もしていますが
未来のことを予想する前に目の前の現実問題を把握した上で将来の流れを見ておいた方がいいな〜と感じた次第です。
これを読む方は不動産関係に携わる人がほとんどだと思いますが、10年後、20年後の不動産市場についてじっくり予想したことはありますか?
私は少なくとも予想なんてできませんでした。というより予想しようという考えもありませんでした。。。
私のような凡人には未来を予想するなんて出来ません。
目の前の情報を集めて追いついていくのがやっとです・・・
でも
ほぼ確実に訪れる、、、
いやすでに到来している
「人口減少」
「少子高齢化」
については凡人の私でもどうにか想像できます。
既に到来した恐るべき未来。
それらにこれからどうやって対応するのか?
沖縄の不動産屋さんとしていつも通りの
独断と偏見を織り交ぜながら考えよう!という記事になります。
読み飽きたら閉じてもらって構いませんwww
あくまでも日本の端っこの沖縄の端っこの小さな不動産屋さんの独り言ですから・・・
少し古い記事(2015年発表)ですが
野村総研さんの予測を添付しておきます。
住宅の除却等が進まない場合、平成45年の空き家率は30.2%、空き家数は約2,150万戸に
平成45年。。。つまり2033年。
今が2021年なので後12年という計算です。たった12年後です・・・
30%の空き家というと、
単純に3件に1件空き家になるという計算ですね。。。。
これをみると空き家だらけの日本。廃墟と化した街並み。シャッター街。。。が思い浮かばれますが、あくまでもトータルでの計算です。どこもかしこも3件に1件空き家という事にはまずならないでしょうね。
コンパクトシティとして都心部に人口が集中してしまうことで
不便な田舎には人が寄り付かずに限界集落などが増えるという事だと思います。
私の勝手な解釈では田舎から都会への人工流入が進み、都心部では8割稼働のアパートが増え満室は減る。(流石に都心部でも満室稼働はないと見ています)
反面、田舎では全室空室&空き家だらけ。。。みたいな感じです。
沖縄でいうと中南部の利便性がいい市町や、北部では名護市などに人が集まり、
国頭村や東村、南城市や糸満市の一部などの
生活するには少し不便な地域が過疎化するのでは?と考えます。
「昔から住んでいた町だから」
「先祖代々の土地や家屋だし」
「仏壇や集落の慣習あるし」
「手放そうとしたら周りのおじいおばあに何言われるか・・・」
という理由でどうにか現状の不動産を守ろうとする人も一定数はいます。
でも、
今その風習を守っている人たちは若くても60代くらいです。
まもなく亡くなります(怒られるwww)
それを相続をする予定の子供達はどう考えているでしょうか?
現に私のところに相談が入る物件も
「父親が亡くなったら売却しようと思う」
「今度仏壇を移動するので・・・」
「子供たちが全員都会に行って帰ってこないから」
という感じで不動産を守るというよりも
処分するという選択肢を選ぶ人が増えてきています。
全国的にこの動きは加速すると思います。
もう後先短い高齢者は田舎に留まって家と土地を守ること一択になってしまっていますが、30代くらいでバリバリ働いている世代の考えの象徴としては
田舎に留まって不便な生活をするよりも、利便性のある都会に拠点を移す
という考えが普通になってきています。
さてここで今後の相続を見越した資産活用などを考えるのですが、
なかなか解決の糸口が見えないんですね。
ここからは沖縄の不動産の現状と照らし合わせながら見ていきます。
単純に
「空き家を民泊などで活用すればいいじゃん!」
「沖縄は観光が今後も伸びるでしょ?」
「貸せば問題解決♪」
という声も出てくるんですが、、、
・インバウンド需要は外的な要因で一気にしぼむ(今回の新型コロナがいい例です)
・どこでも民泊ができるわけでは無い(エリアが限定的)
・民泊物件を管理する業者も田舎すぎる遠方は避ける(管理してくれない)
・民泊で活用するには建物が古すぎる
という問題点がすぐに浮き彫りになりました。
さらに
・そもそも集落自体がリゾート環境と程遠いため民泊の需要が無い
・道が狭い、急な坂道が多いのでレンタカーが入れない
・集落が田舎すぎてスーパーもコンビニも近くにないため宿泊するのも不便
などの立地のせいで物件を活用しようにも活用できないという点もあります。
このように「民泊や宿泊業で活用できる物件」は実際にはかなり少ないんです。
あと、こういう不便な田舎であればあるほど海がすぐ近くでもなく、オーシャンビューでもないので、地元民はもとより観光客も寄り付きません。。。
いうまでもなく民泊でなく、一般的な賃貸物件としても借りてはつきません。。。
では、考え方を少し変えて
「じゃあ内地から来る人達に移住してもらえばいい!」
「田舎暮らしにあこがれる人っていっぱいいるじゃん?」
という考えを考察してみます。
確かにスローライフにあこがれて移住してくる方はいます。
一定の需要もあります。。。
でも、移住してくる方々は
・ほどほどに市街地に近いところを選びます
・自給自足の生活を望んでいる人はごくわずか(ガチの自給自足をする人は皆無。ガチの人は沖縄にわざわざ移住しません。)
さらに!
・移住してくる方々はほぼ全員が「海が見えるor近い」という条件を望みます。
さらにさらに!
・移住者の半分以上は3年以内に沖縄を離れてしまいます・・・
(これ、沖縄の不動産に関わっている人ならほとんどご存じの事実。)
・移住者が定住しない。
・民泊の需要が無い。
・海が見えない。
この3連コンボで田舎の空き家は活用するにもできないのです。
前述したように田舎や集落からは人が離れていってしまいます。
でも年々デリバリーサービスや宅配サービスが発達しているので、
アマゾンとかウーバーイーツとかのサービスで田舎問題を解消できるという考えもあるかもしれません。
でも物流業界も人がいません、これからも減り続けそうです、、、
こういったサービスもある一定の地域ではサービスをお断りされます。
当たり前です。片道一時間以上の田舎の一軒家に配達員を手配してまでサービスを拡充する企業は皆無だからです。配達員の労働と運ぶ商品の利益とが合いません。。。
テレワークが見直されてどこでも仕事ができる時代は到来しましたが、
生活に不便な田舎はやっぱり需要が喚起されませんでした。むしろ空き家が増えた気もします。。。
また、今後の見通しとしても人口が少ないところにコンビニやスーパーの新規出店は皆無。。。
病院もどこにでもあるわけでは無いし、訪問介護も人がいなくなる一方です。。。
人口が減っていくし、若者が少なくなる世界で「不便な田舎」に人を定住させるという考え自体が成り立たないんですね。
高齢化も進み働き手も手薄になると救急などの効率を考えても、今後はどんどん田舎は嫌煙されるようになるでしょうし。。。
つまり、コンパクトシティが主流になることでますます二極化が進んでいくことが容易に予想できます。
こうやって人の集まらない不便な田舎だと
今後は不動産の「相続放棄」とかが増えていくんだろうな〜と思います。
内地の方ではタダでももらう人がいない空き家や
「10万円あげるから不動産をもらってください」とやっても貰い手が無い物件もあるそうですし。。。
たまに地域の助成活動などで移住支援をしているところもありますが、支援が打ち切られたらすぐに都会に戻りますし。。。。
田舎は簡単に若者が住み着ける場所ではなくなったんだと思います。
さて、空き家について考えることで別の視点を。。。
2021年までの事実として人口は増えないのにここ沖縄県では
・木造住宅建てすぎじゃない?
・新築マンション建ちすぎじゃ無い??
という問題が噴出していました。
不動産売買に関わる身として
ここ数年の新築ラッシュは異様です。
木造建売の業者さんやマンションの分譲会社さんが土地を買いまくり、
新築の建築が止まらないため現場の職人さんが不足しています。
そして建築単価が高騰し、地価が上昇しました。。。
建物の販売価格が上がっても
沖縄の県民所得は上がっていません。
結果的に住宅を購入できる人たちが減りました。
いや、もうすでに沖縄県内の平均年収と新築分譲価格は大きく乖離しています。
都心部の新築住宅は一般の方が買える価格ではなくなってきています。
そして新築が高騰したおかげで中古の住宅も価格が跳ね上がりました。。。
(新築は買えないけど中古ならというニーズが掘り起こされました)
でもこの建築ラッシュで生まれた大量の新築住宅。。。
これも将来的には空き家を生む原因の一つですよね。
数年後の予想
大量に出てくる中古マンションと中古の木造一戸建て、、、
↓
人口は減り続けるので中古物件も売れ残る。。。
↓
さらなる価格下落。。。
↓
不動産の担保力も減り融資も厳しくなる。。。
今まさに負のスパイラルが回転するかもしれません。
新築物件は既に完売に時間がかかる市場になりました。
中古物件も相場より高い価格では売れなくなってきました。
ただでさえ「売れ残り」が目立つ市場になったのに
更に「空き家」が増えるとどうなるんでしょうか?
・・・はい。ご名答!売れ残るしかないですよねwww
人口減少と供給過剰。
明るい材料が見つかりませんwww
人口減少×新築住宅の過剰供給=???
沖縄の不動産業界は歪な環境に猛進しています。
沖縄は比較的
「若年層が多い」
「出生率も高い」
という事で内地に比べると極端に過疎化が進むことはないかもしれません。
でも今から確実にやってくる人口減少、
供給過剰な新築住宅が中古市場へ流入。。。
「どうなっていくのか?」
「どう対応しているのか」
という視点で情報を収集しておかないと
いざ自分の身に降りかかったときに対応できません。。。
昨今のコロナ騒動も終焉が見えないのでバタバタと業者さんも体力切れが起きています。
情報を集めて備えて変化し続けないと危ういですね。
今回は一貫してネガティブな予測になってしまいました。
二極化と今後の市場を予想して観察していきながら、
不動産という市場の行く末を案じているど田舎の中年の独り言にお付き合いいただき有り難うございました〜
では~
HPでは不動産に関することとか沖縄の不動産あるあるについてのコラムを公開しています!
ご興味がある方はそちらもお読みください♪
沖縄不動産事情など→REGATEコラム
不動産仲介奮闘記→REGATEコラム