「京大医学部4名合格講師」による受験対策講座(195)
私はアメリカのユタ州で生活している時
「私は幸福だなぁ」
と毎日のように感じていました。日本に住んでいた時は、そんな思いを持ったことは稀だったのです。
「75年間にわたる研究からはっきりと分かったこと、それは、私たちを幸福で健康にするのは、富でも名声でも無我夢中に働くことでもなく、良い人間関係に尽きる」── ハーバード大学心理学教授、ロバート・ウォールディンガー博士 そして、大切なのは人間関係の質であり、数ではないということ。この温かな人間関係を築くうえで必要となるのが、自分と意見や立場が異なる人たちに、どれだけ理解を示すことができるかという「寛容さ」。やはり、日本人が実感として豊かさや幸福感を感じられない理由として先にあげた要因が、ここでも関係しています。
なぜ日本に住んでいると幸福感を感じられないのか。先進国の中で、主観的な幸福感が最低なのか。その原因は、上記の博士の分析を待たなくても明らかです。それは、日本文化に根付いている「同調圧力」です。
小さい頃から、同じ制服、同じ髪型、同じ教科書、同じ問題集。夜明けから日没まで法律の定めがないのに、強制部活。イジメられても強制的に同じクラスという空間に閉じ込められる恐怖。
このようなことは、私の勤務していたローガン中学校にはありませんでした。好きな服を着て、好きな髪型をして、自分に合った問題集を使って、頑張れば飛び級もある。ブラック校則があるはずもなく、強制部活なんて存在しません。クラスという単位んもありません。やりたいことをする自由があるのです。
これは、基本的人権にある「自由権」なのですが日本では毎日その基本的人権が踏みにじられ続けた生活を強いられているのが学校なのです。自覚がないだけです。そんな教育を受けた日本人は、大人になってもセクハラ、アカハラ、パワハラに苦しめられるわけです。
アメリカなら法廷闘争で戦います。時にはデモを起こして戦います。黒人の方たちのように戦う方法に絶望すると暴動になったりします。しかし、日本人は教育のせいで「じっと我慢」をするのが美徳と頭に叩き込まれてしまっています。
この状態を変えるには、今すぐにでも「ブラック校則全廃」「強制部活自由化」「クラス解体」などが必要です。
父親の子育て支援事業などを手がけるNPO法人「ファザーリング・ジャパン」の安藤哲也代表理事は、男性が育休を理由に嫌がらせを受ける「パタニティー(父性)・ハラスメント」(パタハラ)の存在を指摘。「『課長の君が抜ければ、会社の業績はどうなる』『復帰後は地方支社行きを覚悟してくれ』など、いまだに相談として聞こえ
高木繁美
「高木教育センター」塾長。名古屋大学卒業後、アメリカユタ州のローガン中学校で教師をした後、帰国。英検1級、通訳ガイドの国家試験、国連英検A級、ビジネス英検A級などに合格。少林寺拳法二段。ジャッキー・チェンの前でヌンチャクを披露したことが自慢。「私の京大合格作戦」(エール出版)2020年度版から2022年度版に漫画化されて掲載。チャットワークを用いた質問無制限の通信添削を全国の難関校受験生対象に募集中。「高木教育センター」検索。