浪人して1年間予備校に通うといくらかかるかご存じだろうか?予備校によるけれど、およそ100万円用意しないといけない。もし、用意できても地方の中小都市には高校生を指導できる予備校がないので都市部の予備校に通うしかない。通うには交通費がかかる。時間がかかる。勉強時間が削られる。
「東進衛星予備校」が全国展開を始めた1990年代初頭は、通いたくても通えない地方の高校生にとって福音だった。
「DVDを使えば都市部に行かなくても地元の塾で都市部同様の授業が受けられる!」
このコンセプトは大ヒットして東進衛星予備校は急激に成長していった。当時、三大予備校と呼ばれた「河合、駿台、代ゼミ」に挑戦してその一角を占めるまでになった。
大手予備校「代々木ゼミナール」を運営する学校法人高宮学園(東京・渋谷)は全国27カ所の校舎を7カ所に減らす方針を固めた。20カ所では2015年度以降の生徒募集をやめて休校し、事実上閉鎖する。
あれから30年。代ゼミは予備校から撤退。今時の高校三年生に「一流大学を出て大企業に終身雇用してもらう」という人生設計は通用しない。大企業でもつぶれる。金儲けにあくせくせず生活できるなら好きなことをして生きたい。こういう風潮が広まって浪人人口が激減した。少子化の上にこの風潮がダメ押しをしたわけだ。
時間の経過とともに「予備校や塾が言うとおりに勉強しても難関校に合格できない」こともバレてしまった。「医学部進学クラス」に在籍していても3分の1の生徒しか学部に合格できない実態が実際に通った生徒から報告されている。今はネットの時代なので事実を隠すことができない。
受験指導をしていて分かるのは「勉強とはシンプルな過程」ということだ。予備校や塾の講師が主張するような複雑な参考書や問題集の組み合わせなど必要ない。受験勉強とは
「授業を聞いて(あるいは自習して)問題を解いて分からない問題を質問する」
この繰り返しだけなのだ。
数学なら(特別な才能のある子は除いて)2000題解けばマスターできると経験的に分かっている。問題集7冊分。平均的な子は学校で与えられた問題集を1年間に1冊。つまり、3年間で3冊しか練習しない。必要な練習量の半分だから大多数の高校生が
「数学が苦手」
と言うのは当たり前のことなのだ。
「授業」は無料の動画で十分。それさえ必要ない自習派も多い。「問題練習」は過去問を集めてあるものならどれも大差ない。問題は「質問」だ。私は名古屋の大規模予備校、塾、専門学校で英語講師を14年間やらせてもらったが英検1級を持っている講師に会ったことがない。旧帝卒の講師に会ったこともない。
京都大学の英作文で8割を超えられる予備校講師はほとんどいないはずだ。
「うちの先生は京大卒だから大丈夫」
と言う生徒もいるが、京大の英語のボーダーは65%くらいで合格者の平均も70%程度だ。80%を超えないと合格が難しい医学部受験生の指導はできない。
実際、私は英検2級の講師が英検1級に合格している生徒の指導をしているのを見たことがる。京大に落ちて同志社に行った講師が「京大受験生クラス」を担当しているのを見たことがある。とにかく、地方には人材が不足しているのだ。
しかし、商売が成立するのは生徒も保護者も講師のレベルが判断できないからだ。
「よく分からないけど駅前に大きなビルにある教室だから大丈夫だろう」
とか
「マスコミで有名タレントを使ったCMを流しているから大丈夫だろう」
という判断で通う予備校や塾を決める人が多い。だから、経営者は消費者を見下して
「タレントを使えば、いくらでも生徒はやってくる」
と甘く見ていた。
ところが、バブルが弾けてリーマンショックがやってきた。不況が20年も30年も続き「失われた20年」と言われている。子供にかける教育費も激減してバブルの時のような殿様商売が通用する時代ではなくなった。
そこにコロナが直撃した。学校の教師の授業がオンラインとなり各家庭で見えるようになった。教師は気づいていない人が多いが、画面に見える生徒の陰に保護者がいた。すると、教育熱心な保護者は気づいたのだ。
「学校の先生の授業より無料の授業動画の方がクォリティが高い!」
それは当たり前だろう。無料の授業動画を配信しているのは予備校のトップの授業力がある講師がプロの設備を利用している。アマチュアの学校の先生では太刀打ちできるわけがない。
だから、一番安く京都大学に合格するには
1,授業は無料動画で十分
2,問題練習は過去問だけでよい。ただし、練習量は今の倍にする
3,指導を受けるのは京大で8割を超えた講師にお願いする
この3点で大丈夫なのだ。
ただし、3番を実行するのは難しい。京大で8割を超える講師というのは各学部のトップ合格レベル。あるいは、医学部の合格者レベルなのだ。そんな人が予備校の講師をしているのは大都市の特殊な予備校や塾にしか存在しない。地方の高校生には通えない。
そこに私の需要があったわけだ。私は名古屋大学「教育学部」卒だけれど、京大を7回受けて
「どのような解答が高得点をとれるのか」
調査してみた。もちろん、得点獲得率は8割を超えた。アメリカで教師をしていたし英検1級にも合格している。指導した生徒は9年連続「京大」合格(うち3名は医学部医学科)。
しかも、安い。誰でも利用できるように価格を抑えた(ただし、毎年10名限定)。今は遠隔地でもチャットツールや zoom を使えば添削でも質疑応答でも「地方価格」で受けられるのだ。z会だって殿様商売をやっている場合ではないのだ。