学校に見捨てられた“落ちこぼれ”た方と、学校の授業が役立たないと知った“浮きこぼれ”の方はどうすべきか?
=令和5年度、いなべ市中学校ランキング =
○合格者数○ 四高 桑高 生徒数 合格率
1位,藤原中学校 1 8 35 26%
2位,北勢中学校 4 16 100 20%
3位,員弁中学校 1 6 90 8%
4位,大安中学校 1 8 120 8%
今年(2022)の結果は、上記のようでした。ここ数年、大きな変化は見られません。
藤原中学校や北勢中学校に通う方は、5人に1人くらいが桑高に合格できます。員弁中学校や大安中学校に通う方は、10人に1人くらいが桑高に合格できます。
1クラス30人のクラスを想像してほしい。大雑把に言うと、クラスで上位の5番くらいまでしか四高や桑高には合格できません。
選抜試験を行わない公立中学校どうしなのに、どうしてこんなに大きな合格率の差がつくのだろう。指導していれば分かるのだが田舎の子たちは
「なんとかなるさぁ」
とか
「クラスの団結が一番!」
などと言う子が多い。本当は勉強をすることから逃げているだけなのだが、周囲の雰囲気がそれを許してしまう。そして、いざ就職という時になって現実の厳しさに直面する。
だから、私のいる受験産業でも田舎は無視される。都市部で難関合格者の数をかせがないと死活問題なのだ。田舎の怠けた生徒を相手にしていたら、経営効率が悪すぎる。
何も受験産業だけではなくて、田舎には良い医師、良い弁護士などが少ない。都市部の方が需要が多いからだ。田舎では儲からない。
旧帝合格者数(四日市高校、定員320名)2022(現役)
1、北海道大学 1
2、東北大学
3、東京大学 10
4、名古屋大学 23
5、大阪大学 14
6、京都大学 9
7、九州大学 1
合計 58
合格率 19%
旧帝合格者数(桑名高校、定員280名)2020(現役)
1、北海道大学 1
2、東北大学 1
3、東京大学
4、名古屋大学 11
5、大阪大学
6、京都大学
7、九州大学 1
合計 14
合格率 6%
「四日市高校の生徒なら、上位60番くらいまで旧帝に合格できる」
「桑名高校の生徒なら、上位15番くらいまで旧帝に合格できる」
四日市高校や桑名高校に合格しても、旧帝レベルに合格できるのは四高は上位の2割、桑高は1割でも無理だ。旧帝レベルに合格できても、大企業や官僚になれるのはさらに少ない。別に大企業に入るのが人生の目標ではないが、だからといって一生アルバイトも困るだろう。
学歴で生きるばかりが人生ではないが、音楽なら各種コンクール、運動なら甲子園やオリンピック。作家なら直木賞や芥川賞。歌手なら紅白歌合戦やらレコード大賞。町の定食屋さんでも、同じ町内の定食屋さんと競争することになる。
「なんとかなるさぁ」
では、生きていけない。助け合いや絆などの入る余地もない。生きるか死ぬかの問題なのだ。まともに生きていけない場合、身体を売ったり、犯罪に手を染めたり、ホームレスになったりするしかなくなる。
勉強だけではなくて、音楽でも、運動でも、作家でも、歌手でも、定食屋さんでも、共通しているのは「猛練習をしないと成功できない」こと。規則正しい生活をして、毎日コツコツと努力を重ねること。
怠けている子たちとは距離を置き、近づかないこと。頑張る子たちと競争して、切磋琢磨できる環境に身を置くこと。ダメな子ほど
「だれとも差別なく付き合うべきだ!」
と叫ぶ。だったら、ヤクザや暴力団と一生つきあっていけばいいのだ。私は関係がない。難関大に合格したかったら、たとえば英単語6000語は必要になる。数学も2000題は解かないと身につかない。つまり、毎日単語は7語以上暗記。数学は大問2題はノルマだろう。他にも、理科や社会があるのだから、カラオケやデートなどしているヒマがあるはずがない。
親も、生命保険を解約したり田んぼを切り売りしたりして学費を用立てている人を実際に知っている。その期待に応えようと必死な生徒も知っている。「なんとかなるさぁ」タイプの子は、そんな何もかも勉強に賭けている子に勝てるわけがない。
それが、私が毎日見ている現実だ。
私のかつて勤務した塾の上司が、ある時
「カスの生徒には、カスの先生をあてがえばいいんだよ!」
と言った。ヒドイですか?では、あなたならどうする?10人の先生を率いる塾長だと考えて下さい。高校生を指導できるような有能なベテランは2人しかいない。そして、上記のようなデータがある。
「いなべ」にある教室にベテランを配属しますか?「桑名」には人数にして4倍くらいの四日市高校や桑名高校に合格できる生徒がいる。先生たちの家族を守る必要がある。新人の先生は、高学力の生徒を指導できる自信がないと言う。
結局、
「ダメ生徒には、ダメ先生を配置する」
という結論になるのではないだろうか。それが、経営者として“正しい”判断だろう。これは、推測ではありません。私は名古屋の7つの大規模予備校、塾、専門学校で14年間非常勤講師として勤務してきた。経験から分かったことなのだ。
ウソと思うのなら、近くにあるチェーン塾の支教室の看板を見てほしい。たぶん、「小学部・中学部」となっていませんか?「高校部」を持つのは、都会の本部だけなのが普通だから。
旧帝だって、世界中の大学と競争しているのだから、怠けた学生の相手をしている余裕などない。
では、学校に見捨てられた“落ちこぼれ”と、学校の授業が役立たないと知った“浮きこぼれ”の方はどうすべきか?落ちこぼれた生徒を指導する塾は、実は田舎にもある。問題は、浮きこぼれ。やはり、予備校、塾、通信添削などを利用するしかない。ところが、上記のように田舎には高校生を指導できる塾がほとんどない。
すると、通信添削や模試を利用するしかなくなる。そこで、私は40代、50代の頃にZ会を8年間やり、河合や駿台の模試を高校生に交じって10回受けた。研究のためだ。
センター試験は10年連続。京大の二次試験も7回受けた。
田舎には高校生を指導できる塾や予備校がないことを狙って、東進衛星予備校が一気に全国に広まった。ビデオ授業なら、都会の授業を田舎でも受けられる。ところが、ネットが急速に広がり東進ハイスクール程度の授業なら、Youtube で無料で見れる時代だ。
そして、世間の人も
「なんだ、都会の講師の授業も学校とちっとも変わらない・・・・」
通信添削のZ会も、自分でやって分かったけれど使えない。なぜかというと、添削されても返却までの時間がかかりすぎ。今はネットで翌日返却にでもなっているのだろうか。それに、誰が添削しているのか公開されていない。というか、公開できないのだろうと思う。
通信教育の添削者も、教師、塾講師と同じで、旧帝レベルを受験する子を指導できる人なんて、ほとんどいない。
50代の時に、高校生と一緒に「京都大学」を7回受けてみた結果。
平成18年、20年(文学部) 正解率の平均 66%(受験英語)
平成21年、22年(教育学部) 正解率の平均 76%(資格英語)
平成24年、25年(総合人間) 正解率の平均 79%(ネイティブ英語)
5年ほど前から、密かに Youtube ブログ Facebook などで、京大受験生の通信添削を始めた。すると、Youtube は50万回再生、アメブロ「受験生」ランキング1位になり、北海道から九州まで添削依頼があり、10年連続で京大合格者がでた。
私のような存在は、他にもみえるはず。ただ、ネット社会が普及する10年前なら誰にも知られなかった。グルメブームになり、以前なら北海道の北の果てにしか売っていなかった美味しいパンも、ネットでお取り寄せができるようになった。
あなたの食卓は、イオンで埋まっていますか?私は、普段はそうです。でも、彼女にプレゼントしたり、食事に連れていくような重大事のときは違います。受験も同じようなもので、学校や河合、駿台、トライの家庭教師しか頭にないなら、それでもいいと思います。
でも、世の中には北は北海道から、南は九州・沖縄まで美味しいものを求める人たちもみえます。受験でも、
「どこかに良い講師はいないものか」
と、探してみえる方も多いのです。そうでなければ、ネットに公開しただけで、三重県の無名の小さな塾など探し当てることができません。
私は、生涯この三重県の片田舎にいるかもしれません。でも、今はそれでいいし、ネットで北海道から九州まで通信生の方にいてもらえるので、十分です。
どうして、地方のグルメ店は大規模化しないのか。それは、明らかではないのでしょうか。良い食材、良いシェフの数は限られているから。大規模店のように、工場で仕上げたレトルト品を店のバイトがチンするだけでは、美味しいものが提供できないから。
塾だって、同じです。都市部で撮影した動画授業を見せるだけなんて、もう無理。だからといって、本気で受験を考えている高校生を指導できる講師は、ほんの一握り。
才能のある子たちが猛練習して競争するのが、難関校の受験です。一歩前に出るには、情報を集めることも大切なこと。日々状況は変化していく。「こうしたら合格できる」というような、固定した方法などあるはずがありませんよ。