ワークショップを円滑にするファシリテーターの問い。
問いの発しかたに課題を感じている方が多く、それに応えるかたちで年内出版される予定の「問いづくりの教科書」にむけて開催されているこちらの企画
気が向いたときにたまに参加したり、手伝ったりさせていただいています。
全国各地で開催される 問いづくり、ファシリテーションのための講義です。
なんどか参加したので、一度、要点をまとめようと思います。
要点
■問いの作り方 問いのデザイン
・狙うのは 問いで 対話や行動を促す。相手の気持ちや認識が変化する こと
■良い問いは機能している。狙いにそって設計される。
悪い問いは K/カン D/度胸 からつくられ再現性、汎用性がなく場当たり的
良い問いは P/プラクティス D/デザイン から設計され、誰にでもつくれる。
■問いには 答えを求めたい意思がある
×なんであなたはーーーなの!? は問いではなく、感情をぶつける独り言
●人称で考える
1人称 お題に対して様々な方向からたくさんつくる。
自分に向けて 思考、判断、内省、探究、ロジカルシンキング を促す。
2人称 対人。言語化できていない相手と一緒に考える対話
フレームを活用しながら、想定外にも柔軟に対応し会話をつなげる。
なぜ?を使わずに対話しながら相手から引き出す。
3人称 1対多数 グループワーク、授業、講演等
ファシリテーターを差し置いて展開、みんなで議題へ向かうことを狙う。
視点が変化、物事の捉え方の解像度が上がっていく。
個人の違いによって新たな相互作用が生まれるという効果。
複数の人との合意形成や主体形成(グループ、会社、地域など)、その強化
1 → 3へとトレーニングしながら使いこなせるようになりましょう。
●ジョハリの窓で考える
自分が答えを知っている テストのような知識を確認する質問
自分が答えを知らない
かつ相手が知っている 営業の時のような相手の予算、考えを知る質問
かつ相手も知らない キャリア面談のような未来の話、これから考える質問
直接聞いても関係性によって答えらないことがある、問いをつくるスキルが必要
●5w1h でもれなく問う。
・whyは繰り返すことにより、課題をブレイクダウンできる。
・where-howなどを入れ替えて質問を転換
例 ポストの内容物は「どこへ」いきますか
→ 「どのように」してポストの設置場所を決めますか?
●対立軸で考える
対立軸を組み合わせたマトリクスでヌケモレのチェックができる。
視点、視座を変える効果。
・過去ーーー未来 の時間軸で問いを立てる
例 300年前は何がポストの役割をしていましたか?
30年後ポストは何の役割を果たしますか?
・簡単 ーーーーーー 難しい の難易度軸で問いを立てる。
クローズド ーーー オープン
例 簡単ーポストは何でできていますか?
難しいーポストを平和に役立てるにはどうすればいいですか?
・個人ーーー組織 で問いを立てる
主語を 私→私たち→弊社→東京都→日本→世界 を変えてみる。
●深さ(質)を意識する
表面的→事実関係→認識・感情→価値観 の順でどこまで深く会話できるか
問いによって引き出せるかを意識する。
空気を読んで、忖度して、表面的な答えになってしまうこともあり、感情がかかわる難しいことなので、焦らず回数を重ねて多面的に問う。
●修飾語をそえて問う
・対象や主語/主体を より明示する効果。
・限定/絞るーーー拡大/展開 することができる。
・答えへ向けてのわかりやすいガイドになる。
・イメージや情報をとらえやすくする。
例 赤いポストを「人一倍」利用するのは誰ですか?
どのようにして「スマートな」ポストの設置場所を決めますか?
「あなたにとって」問いとは何ですか?(答えが定義→価値観に変化
■Why? が問い詰めるような形になってしまう。
悪い問いとは、作業ミスに対して個人を追求するような対話にならない問い。
問いの形をしながら、責任や感情をぶつける攻撃になっていないか?
感情と原因は分けて伝える。改善例↓
・ミスされることで、私は悲しい。
・原因を一緒に考えたいので、いくつかの質問をしてもいいか?
■合意形成後のもやもやへの対処
みんな違うけど、その上であなたたちは何をするのか?と、
一歩先の思考、行動を促す問いが必要。
以上が今まで提示されてきた
問いを立てるためのヒントです。
それとは別にいいなと思ったのがコレ。
■論理の枠を外し、内側にある感性を引き出す「レゴシリアスプレイ」
アイスブレイク(自己紹介)やお題を考えるときに登場。
議題の回答をしつつも、本人から切り離して開かれた場に共有し、
だれもが自分事として議論しやすくなる。
共有した成果物をプレゼンする過程で、
思考の整理や自らの内面を探求する効果もある。
対話型鑑賞に似ていて、試してみると気づきが多いです。
以上
要点でした。
ネコは問うよ。ちゅーるはどこですか? と。