クリスマスのガン告知から2年と10日後に、夫は自宅で亡くなった。
夏までは、結構元気だった。
9月、10月、11月と弱っていって、11月末にはベッドから起き上がれなくなり
車椅子をレンタルしていたけど、一度も使うことなく、トイレにも手すりをつけたけど、一度も立ち上がることなく、死んでしまった。
それでも、死ぬ前まで、話したり、笑ったり、死ぬ気なんか
これっぽっちもなかった。
死ぬその時を、待っていたけど、
これ以上ない、本当に幸せな、最期だったと思う。
家族4人、一緒に寝て、そのまま夫は旅立った。
医師の死亡確認の時、こんな言葉をもらった。
「ご主人は本当に、最後まで意識がしっかりされていて、家族との時間をすごせ、幸せな最期でした。ひとえに、奥さんとお子さんが献身的に支えられ、笑顔を絶やさずに過ごされたのがよかったのだと思います。
並大抵の精神力では、こんなに素晴らしい看取りはできません。
お二人とも、お子さんと一緒によくがんばられました。本当にお疲れ様でした。」
夫は、ガンによって体の機能が停止していったが、本当に、たくさんあった蝋燭が
一本ずつ、消えていくように段々と「老衰」したように死んでいった。
3ヶ月駆け抜けた・・・・私は、この人と50年連れ添ったんだと錯覚するくらい、全部を体験できたのではないか。
そんな印象さえ持った。
悔しいだろう、悲しいだろう、そんな言葉など、当てはまらない。
感情のレベルが違う。
あぁ、半身がなくなると言うのはこう言うことか。パートナーの死とは、こう言うことを言うのか。