ムカデミノウミウシのご紹介。三浦半島では、たくさん見られる磯があったりします。
ムカデミノウミウシ Pteraeolidia ianthina (Angas, 1864)
動くLINEスタンプで作成した作品をアニメーションGIF化してみました。
大きさは30~50mm位です。
こちらは幼体で10mm位 この個体は白っぽいですね。大抵はブルー系です。
こんな風に丸まる事もあります。
三浦半島・観音崎自然博物館の水槽に居たムカデミノウミウシの背面写真
和名はムカデと付いていて背面の写真を見ると確かにムカデっぽいですが、「青い貴婦人」とか「ブルードラゴン」とも云われてます(?ホントか?・笑)
ムカデミノウミウシについて
昔、三浦半島の磯観察会で、’ムカデミノウミウシは何を食べるの?’との質問がありました。
ミノウミウシ類は、ヒドロ虫を食べる。って言葉では解っているものの、実際に探して見つかるのは、海藻にくっ付いていたり、その辺をごく普通に這っていたります。
え~と、え~とと思っていたら、観察会に参加されている子供さんから、「’ヒドロ虫’だよ」と言われて・・・・・・・・
ありゃりゃりゃりゃ、よくご存知で^^;;;
初心に帰って、ちょっと調べてみることに(笑)
平野先生の’ウミウシ学’によると、ミノウミウシ類は、ヒドロ虫やイソギンチャクやサンゴなどの刺胞動物を食べると書いてありました。
その刺胞動物は、ほとんどはちょっと見ただけでは見つからない程度からせいぜい10mmの小型の動物で、岩や海藻の表面などに固着しているようです。(Wikipedia)
そして、ムカデミノウミウシは特定のヒドロ虫を食べるのではなく、いろいろな種類のヒドロ虫を食べるようです。ですから、水槽飼育で大繁殖するヒドロ虫の掃除屋さんとして売られていたりするわけですね。
そして刺胞動物の武器である毒のある刺胞の一部をまるごと取り込んでミノの先端に蓄えます。これで外敵から身を守るわけです。
さらに、刺胞動物の中には、共生藻をもつものがいて、ムカデミノウミウシはそれを取り込んで自分のものにしてしまうようです。太陽の光があたっていれば、その間は、共生藻からもエネルギーを分けもらえるわけです。つまり’太陽電池’をもっているようなものです。
’本州のウミウシ’によるとムカデミノウミウシはこの共生藻である褐中藻を宿すとなっています。褐中藻は光合成を行いムカデミノウミウシに栄養分を与えたり、体色
作る役割を果たしていようです。
このような生態ですので、明るい光の当たる海の中を、あちこち這っているところが観察されるわけですね。