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【初心者向け記事】ギャラリーでの展示デビューのしかた

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  • 2019/04/13 08:12
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2019年3月 美術の祭典関西展 原田の森ギャラリー(神戸市)にて

こんにちは、メロンパスです。 アート活動をしていると、twitterやギャラリーで新人作家さんに、「展示ってどうやるんですか?」などといった質問をされることがしばしばあります。

私も正直『こうすれば絵がうまくなる!』とか『人気作家になる方法』みたいなことはあまりはっきりと言えないのですが、初心者向けの基礎的な事であればお伝えできる部分もあるのではないかと考え、記事を作成しました。これから展示活動を始めたいという方の参考になりましたら幸いです。

 

展示の形態

ギャラリーでの展示には、大まかに分けて以下のような種類があります。

 

個展 

・グループ展 

・企画展

 

他には公募展団体が美術館で行う公募展などもありますが、ここでは省きます。ひとつずつ概要を説明しましょう。

 

個展(難易度:高/費用:高/リターン:大~中)

個展は文字通り個人での展示です。おそらくすべての作家さんが一度はやりたいと思っていることでしょう。個展の経験と実績はその後の活動にも大きなプラスとなるので、ぜひ開催したいところです。

しかし、展示に関わるすべての業務に対し自分で決めて自分で動かなくてはならないため、展示未経験の方にはやや難易度が高いです。ある程度展示に慣れてやり方を理解してからの方がいいでしょう。

また、必要経費も自分一人で負担することになるため、最もコストのかかる展示形式だと言えます。そのうえ基本的に自分を知っている人か興味を持っている方しか来ないので、知名度や発信力のない初心者のうちはリスクが大きいです。

個展のやり方については、こちらの記事で紹介しています。

 

個展のメリット 

・自由度が高い

 ・スペースを広く使える

 ・比較的作品が売れやすい

 ・実績になる 

・芳名帳からお客様の住所が得られる

 ・現在の自分の実力がわかりやすい

個展のデメリット

 ・お金がかかりがち

 ・自分でやらなければならない作業が多い

 ・自分の集客力が問われる

 

グループ展(難易度:低~中/費用:低~中/リターン:小~大)

グループ展は複数人でやる展示です。親しいアート作家さんがいたり、美術部などのグループに所属している人におすすめです。展示経験者の方と一緒だとなおいいですね。費用も仕事もメンバー同士で協力すれば負担が比較的少なくて済みます。あとは人数次第です。人数が少ないほど個展に近い性質になり、多いほど企画展に近くなります。

また、他のメンバーのファンや知り合いの人と新たに交流を持つ機会が生まれることもあります。こうした繋がりは一見地味ながらもその後の活動に確実に活きてきます。

グループ展のメリット

 ・一人あたりの負担が少ない 

・展示経験者がいればわからないことを教えてもらえる

 ・仲間内でやるなら精神的にも気楽

 ・他のメンバーのファンや知人にも作品を見てもらえる

グループ展のデメリット

 ・人数によって使えるスペースが狭くなる 

・メンバー間の協力が大事

 ・人数が集まらないと負担が増える

 

企画展(難易度:低/費用:低/リターン:小~中)

企画展はギャラリーや主催者が出展者を集めて展示する方式です。企画者が一人の作家を指定して行う企画個展という形式もありますが、展示初心者にそういった声がかかることはほぼないので今回の記事では割愛します。ここに書いてある企画展とは企画グループ展だけを指すとお考えください。

企画展には主催者が自分で選んだ作家に直接参加オファーを出すものと、webサイトやSNSなどで募集をかけるものがあります。10名以上の作家を集めることが多いため、参加費は概ね安めです。

また、事前準備から会期終了まで主催者が主導となって動いてくれるため、作家側の負担が少ないです。遠方のギャラリーであっても、郵送での搬入出をお願いできる場合が多く、参加のハードルが低いです。(もちろん個人の情報発信や搬入・搬出・在廊など、出来る限りの仕事はした方が望ましいです)

特定のテーマや題材が指定されている展示が多いです。作品のサイズ・点数が決まっている場合と、割り当てられたスペースの中で自由に展示できる場合があります。申し込む前に規定をよく確認しましょう。

わからないことは主催者に相談すればいいので、初心者でもやりやすい形式だといえます。

逆に主催者側はギャラリーと参加者の間に立って連絡や相談をする必要があるため、自分で主催するのは初心者には難しいでしょう。

企画展(参加側)のメリット 

・費用が安い(無料の場合も) 

・負担が少なく参加しやすい

 ・わからないことは主催者に相談できる

 ・他の出展作家さんのファンにも作品を見てもらえる

企画展(参加側)のデメリット

 ・使えるスペースは狭い傾向にある

 ・テーマや点数などに規定がある場合が多い

おおよそこのような感じですね。ギャラリーでの展示をやったことのない人におすすめなのは、知り合いのグループ展か一般募集している企画展に参加することです。

金銭的負担や労力が少ないことが主な理由です。展示の申し込みから終了までの一連の流れを一度体験してみるといいでしょう。

 

どのような企画展に参加するか

知り合い同士でのグループ展については皆で相談すればいいことですが、ひとりで知らない人の企画展に飛び込んでいく場合はどうすればいいでしょうか。

企画展の募集はSNSで検索したりギャラリーのwebサイトなどを見て回ればたくさん見つけることができます。「展示 募集」などのキーワードで調べればいいかと思います。

どの展示に参加するかは各自の感覚で決めてしまってよいかと思いますが、展示が初めての方は以下のような基準で選ぶのがおすすめです。

企画展選びの基準

 ・テーマや規定が自分の作品に合っている(対応できる)

 ・スケジュール的に問題がない 

・参加費など金銭的に問題がない 

・会場が直接行ける場所にある

上の3つは説明不要かと思います。 主催者や他の参加者に迷惑をかけないためにも必ず守るべき大切なポイントです。

最後の「会場が直接行ける場所にある」についてですが、これは「搬入・搬出・在廊が可能である」ということを意味します。

先述の通り、郵送での搬入出を承諾してくれる展示は多いですが、可能であれば自分で搬入・搬出・在廊をするのが望ましいです。理由は以下の3つです。

自分で搬入・搬出・在廊した方がいい理由

 ・主催者さまや他の参加者さまの負担を増やさずに済む

 ・在廊するとさまざまなメリットがある

 ・展示経験が浅い人は一連のやり方を知っておいた方がいい

1つめは言わずもがな、郵送で搬入出をお願いするということは、他の誰かに代わりにやってもらうということです。自分で出来ることは自分でした方がいいですね。特にスタッフが常駐していない形式のギャラリーでしたら、企画者と参加者が持ち回りで1人以上在廊することがほぼ必須になります。

2つめについては、在廊していればお客様に作品の解説が出来たり、交流を持てるということが挙げられます。作品やあなた自身のことをお客様に少しでも知ってもらうことが、売り上げや今後の集客力の向上に繋がります。こうした積み重ねが大切です。

また、企画者さんや他の参加者さんとも知り合えるので、今後の活動の幅が広がるチャンスでもあります。

3つめも今後のために重要です。搬入・在廊・搬出の経験を積み、一連の流れを理解しておくことは、将来的に個展やグループ展・企画展の主催を行う際に役立ちます。

ですので、「会場が直接行ける場所にある」という点は、必須条件ではないもののかなり大きなポイントになると思います。

 

さあレッツトライ!

参加する展示が決まったら、主催者さんやギャラリーに連絡して申し込みましょう。申し込み方法はSNSやメールフォームなど展示によってまちまちなのでルールを守って参加しましょう。

とにかく少しでも場数を踏んだ方がいいですし、得られる物も多いので、これからアート活動をやろうと思っている方は一日でも早く展示をした方がいいでしょう。成長してから展示するのではなく、展示によって成長するくらいの気持ちでどんどん参加しましょう!

 

 

 

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