こんにちは、メロンパスです。
今回はギャラリーでアートやイラストの個展を開く方法についてお話しします。
ギャラリーや美術館で自分の個展を開くことは、画家などのアート活動をやっていくうえで非常に重要なことですね。個人的にはそういったアーティストの方々だけでなく、web上でのイラスト掲載などをメインにしている方にもぜひ個展を開くことをおすすめしたいです。
想像してみてください。普段はPCやスマホなどのディスプレイで1枚ずつ眺めるだけの貴方の作品たちが部屋中に広がり、現実世界の展示空間を埋め尽くすさまを。たくさんの作品が並ぶことによって、貴方の世界観を肌で体感できる空間を作れるのです。わくわくしてきませんか?
そういった楽しさがあるだけでなく、作品やグッズの販売、貴方のファンとの交流、活動の実績アップ、新規ファンの獲得、お仕事の依頼など、様々な利益を生む可能性があります。得られる成果は貴方の実力と運次第ですが、積極的にトライしてみることをおすすめします。
ギャラリーでの展示デビューの仕方についての記事でも触れましたが、ギャラリーでの展示自体が完全に初めてという方は、個展よりも先に企画展参加などで展示慣れしておくことをおすすめします。
個展をするのにあたって、主な出費となるのは下記のようなことです。
・ギャラリーの利用料金
・DMやチラシ等の宣伝費用
・(自力で運べない場合)配送料
・(販売するなら)グッズや画集などの製作費用 …etc.
ギャラリーの利用料金は展示期間・ランク・広さ・立地条件などによってまちまちです。なかには1日や数時間といった単位で借りられるギャラリーもありますが、搬入搬にかかる時間と慌ただしさ、可能な限り見に来たいと思っている大切なコアファンの方のためにも、どんなに少なくとも3日以上は借りた方がいいと思います。
私の感覚では、たとえば中央線沿線や大阪だと中崎町付近などにあって学生や若手作家が利用するランクの小さなギャラリーだと1週間5万円前後が標準的かなと思っています。それより安いところだと狭いところなのかなとか、高いところだとランクが少し上がるのかなという認識です。もちろん例外もたくさんあります。
銀座などにあるランクの高いギャラリーになると数十万円とかかります。しかしいきなり誰でもランクの高いギャラリーでやればいいというものではなく、結局は自分自身の集客力や会場との相性が大事なので、初めは数万円程度のギャラリーでいいでしょう。
また、飲食店営業をやっているカフェギャラリーならもっと安い傾向にあります。無料のところも少なくありません。カフェなのでお客さんにワンオーダー制をとっていて、その収入で出展料を賄っていることが多いです。カフェギャラリーのデメリットは展示スペースが狭い傾向にあること(特に大きな立体物などは難しい)、衛生上問題のある作品(絵の具の剥げ落ちそうな作品など)やお店の雰囲気に合わない作品(食欲を削ぐテーマの作品がOKなところは少なめ)は出せない場合があることなどです。
宣伝については別途記事を書く予定ですが、ギャラリーなどに置いてもらう分を考えるとハガキを数百枚は刷ることになるかと思います。印刷費用は数千円くらいでしょうか。
配送料やグッズ製作の費用についてはケースバイケースですね。なるべく自宅から近いギャラリーの方が、搬入出コストを抑えられるでしょう。
ちなみに私が初めて個展を開いたギャラリーは中野にあるGALLERY FREAKOUTという場所でした。ロックでパンクでノーフューチャーな名前ですが、あらゆるジャンルの展示を幅広く行っているギャラリーでした。中野ブロードウェイからほど近いこともあり、コミック・サブカル系を好むお客さんもよく訪れていましたね。美容室兼ギャラリーという珍しい形式のところでもありました。
ここはとても安く借りられるギャラリーで、2016年当時の展示料金はたしか一週間35000円だったと思いますが、2019年4月末を持って終業してしまうようです。
当時私は大阪に住んでいたため、作品は全て郵送しました。ヤマト便で送って送料は片道5000~6000円ほどでした。当然ながら作品の大きさ、点数、運ぶ場所などにより料金は変わってくるので、あくまで参考程度にしておいてください。お金に余裕のある方は、専門の美術品搬送業者に頼めばより安全です。
それから宣伝用として、展示のDMを500枚ほどと、アーティストとしての名刺を印刷しました。印刷費は合わせて6000円くらいだったかと思います。
あとはグッズとしてポストカードを何種類か用意しました。約4000円分ほど印刷しました。
私が初個展にかかった費用(概算)
ギャラリー料金 35000円
郵送料 約10000円
宣伝費 約6000円
グッズ 約4000円
計 約55000円 + 交通費、雑費、滞在費 etc.
これはかなり安く抑えている方だと思います。
まずはどこでやるかを決めましょう。日時はギャラリーの空き状況次第で変わってくるので、この段階ではあまり考えなくていいと思います。自分の個展に適したギャラリーを選ぶには、以下のようなところを基準にすればいいでしょう。全ての条件を満たす必要はないですが、参考にしてみてください。ただし予約をする前に、必ず一度は下見に行きましょう。
1.展示をしたことがあって、印象のよかったギャラリー
グループ展や企画展などに参加したことがあるギャラリーなら、ギャラリーの雰囲気や使い勝手、利用条件、借りられる什器や備品、スタッフの応対のよさなどがよくわかっているので、失敗が少ないです。スタッフの方と面識があるというだけでも安心感がありますね。
また、良いギャラリーとの関係を保っておくことは、長く活動を続けていくうえで必要なことです。
2.稼働率が高く、いつ行っても展示開催中のギャラリー
個展に来てくれる主なお客さんは大きく分けて3種類います。1つめは貴方のファンや知人友人、2つめは個展の宣伝告知で貴方の存在を知り、興味を持って見に来た人、3つめは誰の展示でもやってくるそのギャラリーの常連さんです。稼働率の高いギャラリーほどこの常連さんが多くついています。
いつでもなにか展示をやっているギャラリーは暇なときにふらっと足を運びやすく、逆にスケジュールが埋まらず休業の多いギャラリーほど事前確認なしには行きづらく、興味のある展示にしか行かないギャラリーになりがちだからです。
3.わかりやすい場所にあり、アクセス性のいいギャラリー
これはどんなお店でもそうですよね。駅から近いギャラリーや建物の1階にあるギャラリーはそれだけでお客さんが来やすいです。
4.貴方と近い作風の人がよく展示しているギャラリー
ギャラリーにはそれぞれ、よく展示される作品の傾向や特色があります。その特色に沿った作家にしか展示させない方針のギャラリーもありますし、そうでなくともそこの常連さんはそのギャラリーの作品傾向を好む方が中心です。貴方の作品を好きになってくれる確率が少しでも高い人に見てもらえるよう、そのギャラリーの出展作家の傾向を掴んでおくことは有益だと思います。
貴方の好きな作家さんがよく展示しているギャラリーであれば、貴方と嗜好の合う人が集まりやすいかもしれません。
5.複数の展示室があるか、ギャラリーの多い地域にある
習慣的にギャラリーで展示を見に来るお客さんは、大抵ひとつの展示を見に来ると、近くでやっている展示をハシゴします。複数の展示室があって別々の展示をしているギャラリーや、近くに他のギャラリーが並んでいるようなところは、他の展示を見に来た人がついでに立ち寄ってくれる可能性が高くおすすめです。
展示したいギャラリーが見つかったら、いよいよスケジュール調整と予約ですね。この先はその2でお話しします!
→つづく