今回は仮想通貨(暗号資産)のKava(カヴァ)を取り上げてみたいと思います。トークン名は KAVAとなっております。
2019年10月にバイナンスローンチパッドを使ったIEO(取引所によるオファリング)により資金調達を行います。
2019年のバイナンスランチパック案件は10件目となりますが、前回同様IEO発表時点でBNBのスナップショットが開始(9/23~)しており、変更点として当選チケット当たりの割り当て金額の減少(300ドル⇒200ドル)などが挙げられるようです。
★概要
★IEO概要
★プロジェクトの特徴
★プロダクト、ソリューション
★主要開発者、パートナー、ロードマップ
★まとめ
★各種リンク
◎文字での銘柄概要説明
主要な暗号資産と互換性のある分散型貸付プラットフォームとステーブルコインを提供するDeFiプラットフォーム。
主要な仮想通貨(BTC、XRP、BNB、ATOMなど)の保有者に担保付きローンとステーブルコインを提供するクロスチェーンのDeFiプラットフォーム。Rippleの仮想通貨基金やCosmosなどの主要仮想通貨プロジェクトなど、世界中の100以上の事業体によるサポート。KAVAトークンは、ネットワークを保護し、主要なパラメーターに投票するガバナンスおよびステーキングトークン。USDXトークンは、仮想通貨を担保することでアルゴリズム的に維持されたステーブルコイン。
パートナーにRipple、Cosmos、StakeWith.US、IOSG Venture、Lemniscapなど。
通貨名:Kava
ティッカー:KAVA
総合供給量:100,000,000 KAVA
循環供給量: 13,691,632 KAVA (13.69%)
プラットフォーム:バイナンスチェーン(BEP2トークン。トークン生成時)
コンセンサス:BFT(Tendermint)
IEO価格:1 KAVA= 0.46 USD =0.02581369 BNB
取引所:Binance(2019/10/25 AM11:00)
公式ウェブサイト:https://www.kava.io/
公式ツイッター:https://twitter.com/kava_labs
ホワイトペッパー:https://docsend.com/view/gwbwpc3
「トークン分布状況」
プライベートセール1 トークンは、総供給量の30.05%を占めます。単価
0.075ドル。
プライベートセール2 トークンは、総供給量の5.02%を占めます。単価0.25ドル。
プライベートセール3 トークンは、総供給量の4.93%を占めます。単価0.4ドル。
バイナンスローンチパッド トークンは、総供給量の6.52%を占めます。単価0.46ドル。
Kava Lab株主 トークンは、総供給量の25.00%を占めます。
Kava基金 トークンは、総供給量の28.48%を占めます。※プライベートセールで合計548万ドル(約6億円弱)調達済みとなります。また今回のIEOでは300万ドルの調達を予定しています。
以下の通り、当初流通量はほぼバイナンスローンチパッド(6.52%)とKava基金(7.17%)となっているようです。徐々にプライベートで事前に販売していた分のトークンが流通していきます。
バイナンス取引所でBNBを保有することで2019年9月23日午前9時(日本時間)から2019年10月23日まで30日間に渡り毎日・毎時間スナップショット(残高確認)が行われます。また、1時間ごとにスナップショットがとられるため、9時時点でBNBを持っているだけでは十分なBNB量が反映されません。日々のBNB残高により宝くじが獲得できます(下記詳細)。
また、2019年10月23日 15:00(日本時間)から24時間の間、チケットの申請(請求)を行うことができ、申請によって宝くじチケットを入手できます。
エアドロップとして326,087 KAVA (約15万ドル)が1枚も当たらなかったハズレくじ所有者全員で分配される点も注意が必要です。
IEO参加はBNBのみでの購入が可能になります。当選チケットを持っている場合はBNBを保有しておくことをお忘れなく!
・BNB残高記録:2019/9/23午前9:00~2019/10/23午前9:00
・トークン名:Kava (KAVA)
・ハードキャップ:3,000,000 USD
・総トークン供給量:100,000,000 KAVA
・ローンチパッド割り当てトークン合計:6,521,739 KAVA(全体の6.52%)
・パブリックセールトークン価格:1 KAVA = 0.46 USD(BNB価格=直前決定)
・トークン販売フォーマット:宝くじ(抽選)&エアドロップ
・チケット(宝くじ)の最大当たり枚数:15,000
・チケット当たりの割り当て:200 USD(434.78 KAVA)
・エアドロッププール:326,087 KAVA
・サポートされているセッション:BNBのみ
・トークンは、発行初期はバイナンスチェーン上にBEP2資産として発行されます。
注:すべて日本時間で表記していますが日程変更・誤記載の可能性もあるので、なるべく原文をご確認ください。
今回はバイナンスローンチパッド7回目の抽選制でのIEOへの参加が可能となります。
前回から大きな変更点として、当たりくじで買えるトークンの金額の下落(300ドル⇒200ドル)が挙げられます。はずれくじへのエアドロップがある点は前回同様です。また、今後もBNB保有期間30日ルールは続くとしています。抽選ルール詳細は以下の通りとなります。
⌛抽選タイムライン
・2019/9/23 9:00 AM(日本時間)から2019/10/23 9:00 AM(日本時間):この期間中、ユーザーBNBの残高のスナップショット(記録)は毎時間、30日間にわたって記録されます。この30日間の最終的な平均BNB残高によって、請求できるチケットの数が決まります。
・2019/10/23 15:00 PM(日本時間):チケットの申請は24時間の間、権利を持つすべてのユーザーが行うことができます。チケット申請を完了する前に、ユーザーはトークン購入契約書にも署名する必要があります。
・2019/10/24 15:00 PM(日本時間):チケットの請求が終わり、宝くじの抽選が始まります。
・2019/10/24 17:00 PM(日本時間):当選チケットが発表され、それぞれのBNBは当選ユーザーのアカウントから差し引かれます。当選券がある場合は、24時間以内に差し引かれるのに十分な額のBNBがアカウントにあることを確認してください。注文中のBNB、マージンアカウント/レンディング中のBNBは差し引くことができません。
・2019/10/24 17:00 PM(日本時間):当選チケットを持っていないすべての参加者にエアドロップを開始。
なお、マージン口座(レバレッジ取引口座)、サブアカウント(子口座)に入っているBNBも抽選チケット獲得対象となります。詳しくはこちらをご参照ください。
※チケットの請求は専用ページまたは、ローンチパッドページからお願いします。
✅対象となるチケットの数を計算する方法
ユーザーは、抽選日に至るまでの30日間(以下のXで表される)にわたるBNB保有残高に基づいて最大10枚のチケットを請求することができます。
30日間の平均BNB残高(X) チケットの枚数
50≦X <100 1
100≦X <150 2
150≦X <200 3
200≦X <250 4
250≦X <300 5
300≦X <350 6
350≦X <400 7
400≦X <450 8
450≦X <500 9
X≧500 10
(例)1~4日目までのBNB保有量が100、5~23日までのBNB保有量が50、24~25日までのBNB保有量が70、26~30日までのBNB保有量が80だった場合、100×4日+50×19日+70×2日+80×5日=1890を、対象期間の30日で割った63 BNBが「30日間の平均BNB残高」となり、請求できるチケット数は(50≦X <100に該当するため)1枚となります。
⭕分散型金融(DeFi)プラットフォーム
⭕Cosmos-SDKを利用
⭕4つのモジュール(Price-feed、Auction、CDP、Liquidator)を提供
⭕複数担保(BTC、XRP、BNB, ATOM...)によるレバレッジ取引やヘッジ取引
⭕ステーブルコインによる金利収入
⭕メインネットは2019年第4四半期(10~12月)予定
⭕リップルやコスモスが出資
主要な暗号資産と互換性のある分散型貸付プラットフォームとステーブルコインによる分散型金融(DeFi)プラットフォーム。
ー分散型ローンとレバレッジ:主要な仮想通貨のホルダーに、ヘッジ手段、レバレッジ、ステーブルコインへのオープンアクセスを提供。
ー利子付きのステーブルコインヘッジ:KavaのUSDX(ステーブルコイン)は担保とすることができ、さらにUSDXホルダーに利回りを提供可能。
ー拡張可能な合成商品と金融派生商品(デリバティブ):Kavaは、幅広い新しい暗号資産をサポートするために成長し、新しい合成商品とデリバティブを提供。
ノン・カストディアル(秘密鍵を預けない形の)ウォレットとしてSwitch(スイッチ)を開発しており、これにより超高速スワップ(交換)、ブロックチェーン間の相互運用、および資産の自己管理が可能になります。
Bitcoinに関してはLNDやライトニングネットワークを利用、Ethereumに関してはMachinomy(イーサリアムのマイクロペイメントSDK)を利用、XRPに関してはネイティブペイメントチャネルを利用。
▼Switchの利用画面。XRPをETHとスワップ(交換)しています。
(参考)Swap BTC and ETH in seconds. Keep your private keys private.
KAVAプラットフォームのトークンについて触れておきたいと思います。
Kavaプラットフォームには、ネイティブトークンであるKAVAトークンとステーブルコインであるUSDXの2種類のトークンがあります。
KAVAトークンの3つの使用例
セキュリティ-ブロックは、KAVAトークンの加重結合ステークにより、上位100ノードによって検証されます。
ガバナンス -KAVAは、担保付債務ポジション(CDP)システムの主要なパラメーターの提案と投票に使用されます。これには、システムのグローバルな債務限度、サポートされる担保の種類、債務限度、担保比率、手数料、USDXの貯蓄率が含まれますが、これらに限定されません。
最終手段としての貸し手 -KAVAは、システムが担保されていない状況で準備通貨として機能します。そのような場合、新しいKAVAは鋳造され、USDXが安全に過剰担保されるまでUSDXを市場から購入するために使用されます。
USDXトークンの3つの使用例
マージン取引/レバレッジ-プラットフォームからUSDXを受け取るユーザーは、それを使用して、追加の投資によりリスク資産を購入できます。
金利ヘッジ-トレーダーは、価格の変動の激しい仮想通貨へのエクスポージャーをヘッジ(回避)しようとする場合、USDXを安定した資産として保持できます。保有者はUSDXの割引率に等しい累積利子を受け取ることができます。
Stablecoin Payments- Kavaブロックチェーンの迅速なブロックタイムと迅速なファイナリティにより、USDXを一般的な支払いのユースケースに使用できます。
Kavaプラットフォームの仕組みを文字で説明すると、複数担保によるCDP(担保付債務ポジション)システムとステーブルコイン(USDX)を活用してヘッジすることができる、という事になります。
若干むずかしく聞こえるので、概略を以下の図でご確認ください。
上の図をあらためて文字にすると👇
【文字で仕組み説明】
BTCのホルダーがBTCをロックアップすることでCDPという担保付債務ポジションを作成し、担保価値に応じたステーブルコインを発行=借り入れをすることができる。借り入れには借入額(ステーブルコインの金額)に応じて安定化手数料が発生。万が一担保価値が棄損した場合は自動的にLiquidation(清算)が行われます。発行されたステーブルコインはポジションをクローズした際=借り入れていたステーブルコインを返却した時にバーンされます。
仕組みとしては、以前取り上げたMakerDAOとステーブルコインDAIの関係とほとんど一緒ですね。
MakerDAOとDAIの場合、イーサリアムを預け入れることで、(USDXではなく)DAIが発行される仕組みとなっていて、預け入れるときにCDPを利用する点、安定化手数料が発生する点などは一緒です。詳細は以前書いたMakerDAO関連の記事をご参照ください。
現状、記事執筆時点でMakerDAOはイーサリアムしか取り扱っていませんが、KAVAは複数担保(BTCでもXRPでもBNBでもよい)対応となるようです。2019年11月にMakerDAOも複数担保対応予定とのことですが。
話を次に進めると…
KAVAトークンは、ブロックに投票してガバナンスに参加するバリデーターによってステーキングされます。
【取引手数料】
ー固定した資産(pXRPなど)を他のユーザーに転送する
ーpXRPをKava担保モジュールに転送する
ーCDPからUSDXを引き出す
ーCDPをクローズする
ーユーザー間でUSDXを送信する
などの取引に関連して取引手数料が必要となります。
以上のような取引手数料はバリデーターやデレゲーターによってステーキングされることとなります。
【インフレ・デフレのはなし】
また、CDPの清算時に発生する「安定化手数料」としてKAVAが必要となり、安定化手数料として支払われたKAVAトークンはバーンされるのでこの点においてKAVAトークンの流通量は減っていくこととなります。なお、安定化手数料の初期設定は年率5%をターゲットにしているようです。
一方で、KAVAトークンはトークンをバリデーターやデレゲーターがブロックを承認することにより新しく発行されるという特徴も持っています。
当初の想定では流通しているKAVAトークンの2/3がステーキングのためにロックアップされると見込み、ロックアップされたトークンに対し年率7%程度のインフレ(新規トークン発行)を行っていく計画のようです。2/3を上回るステーキングがある場合は"フロア(下限)"となるインフレ率3%まで徐々に発行量を減らし、また2/3より少ない量がステーキングに回されるようであればインフレ率は”シーリング(上限)”となる最大20%まで増えていく仕組みとのこと。
(参照:Kava Token Economics)
CosmostationによるKAVAエクスプローラーが稼働しているようです。テストネット版となっているようなので、いずれリンク切れになるかもしれません。
(URL)https://kava-testnet-2000.mintscan.io/
CEO…Brian Kerr(ブライアン・カー)氏。Func Inc社の元CEO。DMarketのアドバイザーなどの経歴があるようです。
共同創業者…Scott Stuart(スコット・スチュワート)氏。元Levelworks Inc社のCEOで現在プロダクトヘッド。プロポーカープレーヤー。
共同創業者…Ruaridh O'Donnell氏。Levelworks Inc社での職歴、ディープラーニングのスペシャリスト。
・パートナーに、Ripple、COSMOS、StakeWith.Us、IOSG Venture、Lemniscapなどが挙げられます。
ロードマップとしては2019年Q1にテストネット、Q2にバリデーターの稼働、Q3にメインネットローンチ、Q4にはじめてのUSDXが発行される計画だったようですが、メインネットはQ4に変更されているようです。
以上、Kavaを取り上げてみました。
資金調達主催のバイナンスとしては、調達金額は前回の585万ドルから300万ドルへ約半減、ハズレくじへのエアドロも30万ドルから15万ドルへ半減と、ここ数回のIEO成績を勘案して規模を半減させてきた感じでしょうか。
界隈ではビッグストーンさん銘柄という呼び声も高いようです(笑)
以下ツイートを参照すると、ポジション持ってそうな感じですかね👀
仕組み自体はMakerDAOとほぼ一緒のようで、今後イーサリアムプラットフォームのMakerと、COSMOS SDKを使いバイナンスチェーン上でトークンを発行したKAVAがどのように発展していくのか、DeFiの発展とともに楽しみな銘柄という印象でしょうか。
IEOという意味では300万ドルの調達金額となっていて、初期時価総額=IEO価格×初期流通トークン量(13.69%)=0.46ドル×1億枚×13.69%=629万ドル(7億円弱)と、前々回のPerlinが21億円前後、前回のBANDが8.4億円前後の初期時価総額であったのに比べて軽めの時価総額となっているようです。ここ数回のIEO成績を考えると正直当たってもあまり嬉しくないかもしれませんが(笑)
最後までご覧いただきありがとうございます(*´▽`*)
【追記】
当選確率は9.01%となりました。
公式サイト:https://www.kava.io/
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