数年前、実家に行った時に母が集めていた古い切手を全部譲り受けました。
私が子供の頃、母はデザインの美しいものや記念切手を集めてストックブックに保存しており、その影響で私も切手を集めていた時期がありました。
これを貰ったことで、数十年ぶりに私の切手収集熱が再燃しました。
私が欲しいのは未使用のものではなく、消印の押してある使用済の切手です。
そうなると、誰かから郵便物を送ってもらわなければなりません。
しかし、現在の通信手段はインターネットが主流で切手を使用する機会は激減しています。
友人に手紙で連絡を取り合おうと持ち掛けても嫌がられることでしょう。
そこで、切手収集のための何か良い方法はないかとネットでいろいろ検索してみたところ、私にぴったりのサイトが見つかりました。
それが、Postcrossing(ポストクロッシング)です。
Postcrossingのシステムはこんな感じです。
1、Postcrossingに登録する
2、Postcrossingから提供された海外メンバーのアドレスに葉書を発送する。その際、割り当てられた個別番号を記入する
3、相手に葉書が届いたら、相手は葉書に書かれた個別番号をサイトに入力する
4、個別番号が認証されると、新たに別のメンバーの住所を提供してもらえる
5、自分の出した葉書が到着した数だけ、海外のメンバーから葉書を送ってもらえる*紹介されるメンバーは毎回ランダムに選ばれるので、どの国の誰になるかは全くわかりません
*一人のメンバーに葉書を出すのは一回限りです
*自分が発送した数と受け取る数が同数になるシステムです
外国人との交流が好きな私にはうってつけのサービスでした。
無料で利用できるので、必要なのは葉書と切手代だけです。
早速登録して始めました。
海外のメンバーとの接触はこちらから送付するたった一枚の葉書のみで、返信がくることはありません。自分の住所は書かないので一方通行です。
Postcrossingから紹介されるメンバーは毎回違う人なので、送付する全員に同じ内容のメッセージを書いてもよく、英語のできない私にも気楽に続けられました。
私は簡単な季節の挨拶を英語を書き、あとは漫画っぽいイラストを描きました。
そして、欲しかった消印入りの切手がどんどん集まっていきます。
海外の切手は、どれも私をワクワクさせてくれましたが、その中で特に気に入ったのが、下の画像の真ん中にあるチェコ共和国のフクロウの切手です。
中心の白フクロウの切手は4.5×5.5㎝というビッグサイズです。
葉書の大部分が切手で埋まっていました。
白フクロウの体が切れないように、隣接する左の一枚と耳紙を切り取らずに貼ってくれるという嬉しい心遣い。
見た瞬間に「わあ、すごい!」と思わず声が出るくらいの美しさと大きさです。
切手だけでなく、Postcrossingを利用しなければ一生受け取ることもなかったであろう国から葉書が届いた時の嬉しさ。
目標だった100通に達した時、私は28ヵ国のメンバーから発送された葉書を受け取っていました。
現在は情報伝達のスピードが速く、郵便で文書を送ることはほとんどなくなりました。
今どき何日もかけて葉書を交換しあうなんて時代遅れなことは、暇があって酔狂な人がやることと笑われるかも知れません。
しかし、「この人には、どんな葉書や切手が喜ばれるだろう」「どんなメッセージを書こう」と考えたり、ポストを開けて葉書が届いていた時の喜びはメールでは味わえない高揚感と達成感がありました。
目標数に到達したあとPostcrossingはお休みしていますが、買い集めた葉書がまだたくさん残っているので、時間に余裕ができたら再開したいと思います。
日本は、海外への葉書は全世界一律70円で送れます。
たった70円でできる国際交流、あなたもいかがですか?