高校時代の話
自分の通っていた高校は授業で畑を耕す実習科目があるところだった。
野球場を超えたところの草むら、ここは学校の敷地なのか?と軽い疑問を抱くようなところにその畑はあった。
絶対勝手に開墾してるやろ、という草むらに物置が一つと数個のボックスが転がっている。
先生が、今日からここを耕してもらいます。一応昨年も先輩が、畑にしているので簡単に耕せるはずです。
とのんきに畑があったらしき草むらを指さした。
ちょうど教室2個分ぐらいの広さだ。
"一人畝1個な"先生の声とともにみんなノロノロと鍬を持って耕しはじめた。
と言っても天気は良いし、おしゃべりしながらの作業は楽しい。
昨日彼女と…みんな好き勝手に喋っている中、畑の東の端の方で「キャー」と悲鳴が上がった。
畑なのでカエルやムカデ🐸ヘビ🐍なんかも普通にいる。
何が出たんだろう?とちょっとワクワクしながら駆け寄ると、動物の脚のような物が転がっている。
よく見るとイノシシの脚が20センチくらいちぎれた物だ。
腐敗はそれほどしていない。
辺りにイノシシが🐗倒れていないか捜索したが見当たらない
ポツンとこの脚だけ
なんでこんな畑の中に埋まっているんだろう?
不思議だったが女子の手前、手にとって陽気にポーイと下の草むらに投げ捨てた。
翌日の夜、ガサゴソという音で眠りから覚めた。
裏庭からだ。裏庭は河川敷につながっていて時々たぬきやイタチなどの動物がやってくる。
音はどんどん大きくなってドンドンと何かが暴れているみたいだ。
寝ている部屋はテラス窓になっていてちょうど
裏庭に出られるようになっている。
布団の中から窓越しにライトを照らすと、2mほどのところに巨大なイノシシが赤い目を光らせていた。突撃して来たらどうしよう、背すじに寒さを感じながらゆっくり下ろしたライトがイノシシのちぎれている後脚を照らし出した。
ちょうど畑にあった脚の部分だ。
学校から家までは車で一時間、途中住宅街もあれば幹線道路や高速だって走っている。
どうやって来たんだろう?いやこれないだろう。しかもピンポイントで∑(゚Д゚)今脚を失ったようにもがきながら暴れているイノシシ。やっぱり脚を返せと言いに来たんだろう。
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