起雲閣には行ってみたい、という動機で決めた、熱海日帰り旅行。
朝6時前に家を出て、もう昼も過ぎて、汗だくも引いたころにやっと到着。
さて、どこから入るのだろう?
玄関のようなところの戸は閉まっていて、受付とも書いていないが、小さな説明書きがぶら下がっていた(斜めっているのが気になる。)。
開けてみると、受付窓口のようなものがあったので、聞いてみると、ここだと頷き、大人510円と言われた。
入館料を払って、靴をロッカーに入れると、大きな荷物もロッカーへと言われる。文化財に傷つけないようにと。きちっとしてるわりには、そとの説明札の適当な感じは気にならないんだな。笑
荷物もロッカーに入れ(お金は戻るロッカー)、見学開始。
最初の部屋に入ると、シルバーさん(きちっと身だしなみ調えた女性)が、自動テープのように簡単な説明を始めた。
海運王と呼ばれた、内田信也により1919年(大正8年)に建てられた部分である、麒麟の間。
旅館時代に壁に青い色を施されたそうで、鮮やかな青は、砂の粒粒のような感じ。
これは何か、石かなと思い、シルバーさんに聞いたら、聞かれたことに一瞬びっくりしたような間があってから、おそらく鉱物か何かかと思いますという答え。
すっきりしつつ、明るい。
波打ちのある手作りのガラス戸が広がり、庭が良く見える。
2階に行ってみた。
廊下から、洋館の方が見える。
・・・・ほんとタイミングよく、空いていた・・・平日の午後1時過ぎ・・・
2階のこの部屋のことは知らなかったのだが、一番気持ちよく感じた。
反射して写真撮りにくい・・・
太宰治が亡くなる3カ月前にここに2泊したらしい。
せっかく人いないし、太宰治が見た周囲を満喫することにする。
広い畳、独り占め!
足を前にほおりだして、周りをぼんやりと、しばらく眺めた。
なんて贅沢・・・幸せ~楽しい~~
(太宰治はこの部屋泊った3か月後に死に向かったというのに・・・)
見通しよく、明るくて健康的な感じのする部屋。
こんな明るさがあっても、心の闇には光、届かないのかな・・・
何を思って外を眺めたんだろう。
窓の近くで人とゆっくり話でもしたくなる。
節がある分、障子の張替えがしにくいという割竹の組子で作った付書院。
こんな細かいところにまで、手間をかけてる・・・日本建築らしい。
下に降りて、他の部屋に向かう。
根津嘉一郎によって1932年(昭和7)に建てられた洋館部分は、本や雑誌などで取り上げられているし、自分もこの部屋の写真を見て、行ってみたいと興味を持った。
文明開化的コスプレカップルが、嬉しそうに写真撮っていた。
空を縁取るようなステンドグラス。
床のタイルの色も、うまくマッチしていて、ごてごてしていそうなのにまとまっていて、宝箱のようだ。
おそらく1番人気の位置らしい。シルバーさんがおススメしていた。撮影用立ち位置。
色んな様式を取り入れていることが書いてある。
暖炉横の円柱、確かに妙な組み合わせ。
桃山風の天井に、シャンデリア・・・
山荘風仕上げとアールデコ。
閑雲ってどういう意味かなーと調べたら、
閑雲野鶴(かんうんやかく)という四字熟語を知った。
このような建物を持っていた人は、常に、責任や束縛だらけでもあっただろうな。
・・・起雲閣見学、まだ続くので、次回へ。